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iPad用Logic ProのSculptureのSpectral Shape EQ
Spectral Shape EQは、単純なLo Mid Hi EQとしても、複雑なスペクトルシェーパーとしても、あるいはボディレスポンスシミュレータとしても機能します。つまり、Spectral Shape EQはギターやバイオリン、フルートのような木製のボディや金属製のボディの共鳴特性をエミュレートできるのです。
実際の楽器のボディの衝撃反応記録に基づいて、各種のモデルが用意されています。こうした記録は全般的なフォルマント構造と微細構造に分類されているので、それらの特性を個別に変更できます。
注記: Spectral Shape EQは、ボイスごとではなくすべてのボイスの合成信号に影響を与えます。
Spectral Shape EQのパラメータ
「On/Off」ボタン: Spectral Shape EQのオン/オフを切り替えます。
「Model」ポップアップメニュー: アコースティック楽器のボディのさまざまなエミュレーションとBasic EQモデル(Lo Mid Hi)を選択できます。
注記: Lo Mid Hiを選択した場合と別のSpectral Shape EQモデルを選択した場合とでは、ノブの動作が変化します。
「Low / Fmnt Int」ノブ/フィールド: Lo Mid Hiモデルが選択されているときは、ローシェルビングフィルタのゲインを設定します。スペクトルシェイプモデルが選択されているときは、モデルのフォルマントの強度をスケーリングします。このパラメータの設定によって、モデル内のフォルマント(高調波)のボリュームが増大したり、反転したりします。値が0.0だと、フラットレスポンスになります。値が1.0だと、フォルマントが強くなります。負の値の場合は、フォルマントが反転されます。
「Mid / Fmnt Shift」ノブ/フィールド: Lo Mid Hiモデルが選択されているときは、ピークフィルタのゲインを設定します。これはスイープ可能です(後述の「Freq/Fine」ノブを参照)。スペクトルシェイプモデルが選択されているときは、フォルマントを対数的にシフトさせます。例えば、値が- 0.3だとすべてのフォルマントが1オクターブ下にシフトし、値が+0.3ならフォルマントが1オクターブ上にシフトします。値が+1.0だと、例えば500 Hzから5000 Hzのように10倍上にシフトします。
「Hi/FmntStre」ノブ/フィールド: Lo Mid Hiモデルが選択されているときは、ハイシェルビングフィルタのゲインを設定します。スペクトルシェイプモデルが選択されているときは、フォルマント周波数を相対的にストレッチします。このパラメータでは、処理されるすべての帯域の幅を変えて、周波数範囲を広げたり狭めたりします。値が小さいとフォルマントは(1 kHzを中心に)密集し、この値が大きいとフォルマントは拡散します。制御範囲は全帯域幅の比率として表されます。
注記: フォルマントの伸縮コントロールとシフトコントロールを組み合わせると、サウンドのフォルマント構造が変わって、面白い音色変化が得られます。
「Freq/Fine」ノブ/フィールド: Lo Mid Hiモデルが選択されているときは、中域の中心周波数(100 Hz-10 kHz)をスイープします。スペクトルシェイプモデルが選択されているときは、中央位置より右に回して、スペクトル(高調波)の構造を改善します。これによってハーモニー豊かで細密なサウンドになり、例えばモデルによってはギターやバイオリンにより近いサウンドができ上がります。つまり、音源の空洞がより共鳴するようになるのです。これは、大型のボディのギターからより深みのある音が出るのと似ています。値が0.0だと、改善なしという意味になります。値が1.0なら、選択したモデルの精度が緻密で完全なものになります。
注記: 「Freq/Fine」を右に回しても、実際にはサウンドに大きな違いが出ない場合もあります。この点は、弦、Waveshaper、その他のパラメータ設定によって大きく異なります。いつものように、自分の耳を信じましょう!