MainStageユーザガイド
- ようこそ
-
- 「編集」モードの概要
-
- チャンネルストリップの概要
- チャンネルストリップを追加する
- チャンネルストリップ設定を変更する
- チャンネルストリップのコンポーネントを設定する
- シグナルフローチャンネルストリップを表示する
- メトロノームチャンネルストリップを非表示にする
- チャンネルストリップのエイリアスを作成する
- パッチバスを追加する
- チャンネルストリップのパンまたはバランス位置を設定する
- チャンネルストリップのボリュームレベルを設定する
- チャンネルストリップをミュートする/ソロにする
- マルチ音源出力を使用する
- 外部MIDI音源を使用する
- チャンネルストリップを並べ替える
- チャンネルストリップを削除する
-
- 「チャンネルストリップインスペクタ」の概要
- チャンネルストリップ設定を選択する
- チャンネルストリップの名前を変更する
- チャンネルストリップのカラーを変更する
- チャンネルストリップのアイコンを変更する
- チャンネルストリップでフィードバック保護を使用する
- ソフトウェア音源チャンネルストリップのキーボード入力を設定する
- 個別のソフトウェア音源をトランスポーズする
- MIDIメッセージをフィルタリングする
- チャンネルストリップのベロシティをスケーリングする
- Hermode Tuningを無視するようにチャンネルストリップを設定する
- コンサートレベルおよびセットレベルのキー範囲を上書きする
- チャンネルストリップインスペクタでチャンネルストリップにテキストノートを追加する
- オーディオをセンドエフェクト経由でルーティングする
- グラフを操作する
- コントローラのトランスフォームを作成する
- 複数のコンサートでパッチやセットを共有する
- コンサートのオーディオ出力を録音する
-
-
- 著作権
MainStageのダイナミックプロセッサ
ダイナミックプロセッサは、オーディオの聴感上のラウドネスを調整し、トラックやプロジェクトにフォーカスとパンチを与え、再生されるサウンドをさまざまな環境に最適化することができます。
MainStageで初めてプラグインを使用する場合は、MainStageでプラグインを追加する/削除するを参照してください。
オーディオ信号のダイナミックレンジとは、信号が最も弱い部分と最も強い部分の間の範囲(技術的には、最小-最大の振幅の範囲)のことです。ダイナミックプロセッサを使うと、個別のオーディオファイル、トラック、またはプロジェクト全体のダイナミックレンジを調整できます。これにより、聴感上のラウドネスを高めたり、ミックスの中の弱いサウンドを失わずに最も重要なサウンドを強調したりすることができます。いくつかのダイナミックプロセッサはサイドチェーン入力を備えています。
ダイナミックプロセッサには4つの種類があります。これらはそれぞれ、異なるオーディオ処理に使用します。MainStageには独自のEnveloperも用意されています。これはどのカテゴリにも当てはまりません。
コンプレッサー: ダウンワードコンプレッサーは、自動ボリュームコントロールのような機能を持ち、しきい値(スレッショルド)と呼ばれるレベルを超えるとボリュームを下げます。
信号が最も高くなっているピークと呼ばれる部分を下げると、全体の信号レベルが上がり、聞こえるボリュームを上げることができます。これにより、背景の弱いサウンドを消してしまうことなく、前面の強い部分を際立たせることができるため、より明瞭な信号が得られます。また、アタックとリリースの設定によってトランジェントが強調され、最大ボリュームに達するまでの時間が短縮されることにより、サウンドを引き締めて力強くする結果にもなります。
また、圧縮を用いることで、異なるオーディオ環境で再生する場合にプロジェクトのサウンドを向上させることができます。例えば、テレビや車内のスピーカーのダイナミックレンジは、通常、映画館のサウンドシステムと比較して狭くなっています。ミックス全体に圧縮を適用することで、品質の低い再生環境でも、ふくよかでクリアなサウンドを得ることができます。
通常、コンプレッサーはミックス全体でボーカルを引き立たせるために、ボーカルトラックで使用します。また、音楽や効果音のトラックにもよく使われますが、アンビエンストラックに対して使うことはめったにありません。Compressorの概要およびDeEsser 2を参照してください。
マルチバンドコンプレッサーと呼ばれるコンプレッサーでは、入力信号を異なる周波数帯に分割して、各周波数帯に別々に圧縮設定を適用することができます。これは、圧縮によるアーチファクトを発生させずにレベルを最大にできます。マルチバンドコンプレッションは、一般的にミックス全体に対して使われます。Multipressorの概要を参照してください。
エクスパンダ: エクスパンダは、コンプレッサーと似ていますが、しきい値を超えたとき、信号を低減させるのではなく、高めるという点で異なっています。エクスパンダを使用すると、オーディオ信号に躍動感が出ます。Expanderを参照してください。
リミッター: リミッター(ピークリミッターとも言います)は、コンプレッサーと同じく、設定されたしきい値を超えたオーディオ信号を低減する機能を持ちます。相違点として、コンプレッサーはしきい値を超えた信号のレベルを徐々に引き下げるのに対し、リミッターはしきい値よりも大きい信号を即座にしきい値レベルまで引き下げます。リミッターは主に、全体の最大信号レベルを保ちながら、クリッピングを防止するのに使用されます。Adaptive LimiterおよびLimiterを参照してください。
ノイズゲート: ノイズゲートは、コンプレッサーやリミッターとは反対の方法で信号を変化させます。コンプレッサーは信号がしきい値を超えた時点でレベルを低減させるのに対して、ノイズゲートはしきい値を下回っているすべての信号を低減させます。強いサウンドは変化することなく通過しますが、アンビエントノイズや、サスティンの付いた音源のディケイなどの弱いサウンドはカットオフされます。ノイズゲートは、低レベルノイズまたはハムノイズをオーディオ信号から除去するときによく使われます。「Noise Gate」を参照してください。