MainStageユーザガイド
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MainStageのSculptureで弦楽器をプログラミングする
このセクションでは、いくつかのタスクを通じて、Sculptureで弦楽器サウンドを作成する上で役立つプログラミングのガイドライン、ヒント、コツ、各種情報を紹介します。
Sculptureでベースサウンドを作成する
MainStageで、「#default」(または出荷時設定を保存しておいた「vanilla」)設定ファイルを読み込みます。
インターフェイスの上部にある「Transpose」ポップアップメニューから「+1 Oct」パラメータを選択し、C2付近のノートをいくつか弾きます。
アコースティックベースの大まかな音色がもうでき上がっています
ここで「Material」パッドのボールを「Nylon」コーナー方向にドラッグしてみたくなりますが、そうする前にObject 1の「Type」ポップアップメニューから「Pick」を選択しておいてください。
ボール位置を調整しながら、キーボードを弾きます。
Object 1の「Strength」、「Variation」、「Timbre」、「VeloSens」パラメータに注目しましょう。各パラメータを順番に調整して音色の変化を確かめてみてください。
振幅エンベロープのリリースパラメータを調整してみるのもよいでしょう。リリースパラメータは、丸い「Material」パッドの右側にあるセクションの垂直な「R」スライダです。
よりウッドベースのような響きにしたい場合は、Object 1のピックアップ位置を右方向に調整します(インターフェイスの左側にあるピックアップセクションの「1」スライダをドラッグします)。極端な位置(左端または右端)にすると、ベースの最低音部が抜けた音になります。実際に試してみてください。
水平のスライダをドラッグして「Pickup A」および「Pickup B」の位置を調整します。お分かりのように、アコースティックベースやエレクトリックベースをピチカート奏法で演奏したサウンドに簡単に作り変えることができます。
短時間でハイブリッド(またはフルオン)のシンセサイザーベースを作るには、「Waveshaper」ボタン(丸い「Material」パッドの真上)をクリックし、そのボタンの上にある「Type」ポップアップメニューからいずれかのタイプを選択します。
設定ポップアップメニューから「別名で保存」を選択し、新しい名前で設定を随時保存します。
ものの数分のうちに新しいサウンドがいくつもできるはずです。これらのサウンドはそれぞれそのまま使っても、その後に作成するベースサウンドのテンプレートとして使ってもよいでしょう。
Sculptureでギターサウンドを作成する
この基本設定から、ギター、リュート、マンドリン、ハープなどの撥弦楽器を作成できます。
MainStageで、「#default」(または出荷時設定を保存しておいた「vanilla」)設定ファイルを読み込みます。
ギターには弦は6本しかないので、「Voices」パラメータには値6を設定します。もちろんバンジョーの場合は7を選択し、ハープの場合はできるだけ多い値を選択してください。
Object 1のタイプが「Impulse」になっていなければ、「Impulse」に設定します。
Object 2を有効にして、そのタイプを「Pick」に設定します。
「Pickup A」の位置を右端まで動かします。
Object 2のピックアップ位置を値0.14まで動かします。
Body EQを有効にして、いずれかのギターモデルを選択します。
Body EQのさまざまなパラメータを調整します。これらのパラメータは、ギターサウンドの全体的な明るさやトーンに大きく影響します。(例として、「Model」は「Guitar 2」、「Intensity」は0.46、「Shift」は0.38、「Stretch」は0.20を試してみてください。)
「Fine Structure」は0.30-0.35程度に設定しますが、自分の耳で判断してください。
「Spread」の「Pickup」の半円を垂直方向にドラッグして、聴感上のステレオ幅を広げます(だいたい10時/2時方向の値が適切です)。
フィルタを有効にして、LoPassモードを選択します。
「Cutoff」パラメータおよび「Resonance」パラメータを好みに合わせて調整します(どちらも0.81を試してみます)。
「Tension Mod」スライダを上方向に調整します。キーボードを弾いて、このパラメータによって生じる一時的なデチューン効果がサウンドにどのような影響を与えるかを確かめます。適切な量に設定します。
「Level Limiter」モードを「both」に設定します。
設定ポップアップメニューから「別名で保存」を選択し、新しい名前で設定を保存します。
この設定を作成する過程で異なるアプローチが取られたことにお気付きかもしれません。それは、このサウンドの場合にはBody EQモデルが最大の影響を及ぼすためです。この場合のように、信号経路を厳密にたどるよりも、多少手順を変えた方が作業しやすくなるケースもあります。
Sculptureでギターのようなほかのサウンドを作成する
MainStageで、以下のいずれかの操作を行います:
オブジェクトの「Strength」、「Variation」、「Timbre」パラメータを調整します。
「Material」パッドのボールの位置を変更して、ギターとはまったく異なるトーンを作成します。
「Delay」または「Vibrato」を使用して、マンドリンのトレモロ奏法をエミュレートします。
Sculptureで独奏弦楽器サウンドを作成する
バイオリンやチェロといった弓を使って弾かれる独奏弦楽器は、ほとんど共通の方法で作成できます。このサウンドはポリフォニックで再生することもできます。
MainStageで、「#default」(または出荷時設定を保存しておいた「vanilla」)設定ファイルを読み込みます。
「Transpose」を「-1 Oct」に設定します。
Object 1のタイプを「Bow」に設定します。
MIDIキーボードの低音部を弾くと、ビオラやチェロのようなサウンドが聞こえますが、改善の余地があることは明らかです。
キーボードを弾きながら、演奏や音楽のスタイルに合うようにObject 1の「VeloSens」スライダを設定します。必要ならあとで調整してもかまいません。
「Tension Mod」スライダをわずかに上にドラッグし、矢印が「D」の文字を覆うようにします。これによって、弓が弦に押し付けられたときの瞬間的なデチューン効果がエミュレートされます。
「Pickup A」をおよそ0.90の位置に移動させます。
Object 1のピックアップ位置をおよそ0.48の値まで移動させます。
「Body EQ」を有効にして、「Violin 1」モデルを選択します。
Body EQのパラメータを次のように設定します: 「Intensity」を0.73、「Shift」を+1.00、および「Stretch」を+1.00。
「Fine Structure」スライダを好みに合わせて調整します。
「Spread」の「Pickup」の半円を、淡い青色の点が10:30と1:30の位置になるまで下方向にドラッグします。
「Level Limiter」モードを「both」に設定します。
設定ポップアップメニューから「別名で保存」を選択し、新しい名前で設定を保存します。
Sculptureで独奏弦楽器サウンドをカスタマイズする
MainStageで、以下のいずれかの操作を行います:
モジュレーション(ビブラートなど)がわずかに遅れてサウンドにかかるように設定します。
上記の例に従って高いピッチの独奏弦楽器を作成します。すべてのキースケールパラメータに特に注意してください。不注意に設定すると、音の外れたバイオリンやビオラになってしまいます。
「Body EQ」を使用して、サウンドを変えます。特に高い音程に多大な影響を及ぼすため、設定には注意してください。
急激に変化させるには(上記の設定例を使用した場合は)Object 1のタイプを「Pick」に変更すると、キーボード上の低音域では甘くはじけるようなシンセサイザーベースのサウンドが聞こえ、それ以外の音域ではまずまずの音質のハープが聞こえるはずです。