MainStageユーザガイド
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ウェーブテーブル、ベクトル、およびLA合成
ウェーブテーブル合成では、さまざまな単一サイクル波形が、ウェーブテーブルと呼ばれる配置で使用されます。
キーボードでノートを演奏すると、定義済みの波形シーケンスがトリガされます。一般に、これはステップ状の遷移ではなく、ある波形から別の波形へのスムーズなミックスであり、結果として絶えず変化する波形が生成されます。複数のウェーブテーブルを同時に使用すると(順番に演奏するか、ミックスする)、倍音成分のより複雑な波形が生成されます。
1つのウェーブテーブルで、一連の明るい波形、それほど明るくない波形、鈍い波形を順番に再生したもののフィルタカットオフをエミュレートできます。これは、減算方式シンセサイザーでフィルタカットオフ周波数を低減することに似ています。
ウェーブテーブル合成は、アコースティック音源をエミュレートする場合にはあまり適しません。絶えず変化するサウンド、荒削りで金属的な、またはベルのようなサウンド、迫力のある低音などのデジタルトーンを生成できることで知られています。
ウェーブテーブル合成は、PPGおよびWaldorf音源でサポートされていました。ES2およびRetro Synthには、さまざまなウェーブテーブル機能があります。Alchemyには、ウェーブテーブル合成と共通点を持ちながらさらに一歩進んだグラニュラ合成機能があります。グラニュラ合成を参照してください。
RolandのD-50などのLA(Linear Arithmetic)シンセサイザーは、同様の原理に基づいて動作します。これらのシンセサイザーでは、サンプリングされた複雑なアタックフェーズを単純なサスティンやディケイフェーズと組み合わせてサウンドを生成します。要するに、これは2つのサンプルで構成される単純なウェーブテーブルです。
LAシンセサイザーとウェーブテーブルシンセサイザーで異なる点は、後者が新しいオリジナルのデジタルサウンドを作成するために設計されたことです。一方、LAシンセサイザーの設計者は、最小限のメモリ量を使って、実物の楽器をエミュレートすることを望みました。この目標を達成するために、彼らはアタックフェーズのサンプル(サウンドの肝要な部分)を、フィルタ処理したノコギリ波またはパルス波で再現した適切なディケイおよびサスティンフェーズと組み合わせました。
ベクトル合成(Sequential Circuits Prophet-VSおよびKorgのWavestationで使用)を使用すると、2次元グリッド(2つの異なるベクトル、分かりやすく言うとX軸とY軸)上に配置されたウェーブテーブルとシーケンスをさまざまに動かすことができます。この方法の主な利点は、サンプルと音波間のバランスをジョイスティックを使ってリアルタイムで調整できることです。また、ベクトルエンベロープを使ってオシレータミックス(三角領域)パラメータをモジュレートすることにより、ES2 でベクトル合成を実行することもできます。