Motionユーザガイド
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Motionのカラー管理の概要
Motionプロジェクトでは、異なる色空間のメディアファイルを組み合わせることがよくあります。これらの相違を調和させるため、Motionでは、どんな出力デバイスでもイメージが同じように見えるようにするカラー管理システムを採用しています。
Motionプロジェクトでは、読み込んだそれぞれのメディアファイルがプロジェクトの作業用色空間に変換されます。これは、色補正、ブレンド、リタイミングなどのすべての加工操作に使われる色空間です。次に、イメージやクリップが作業用色空間からレンダリング色空間に変換されます。これは、ディスプレイ(Motionのキャンバスに表示されるもの)でのカラーの管理方法と、書き出したプロジェクトの外観を指定する色空間です。
Motionのプロジェクトでは、3種類の色処理オプションのいずれかを選択できます。選択した色処理オプションにより、プロジェクトの作業用色空間が設定されます:
自動: プロジェクトで、ハイダイナミックレンジ(HDR)メディア、標準ダイナミックレンジ(SDR)メディア、およびMotionで作成されたSDRオブジェクト(テキスト、シェイプ、パーティクルなど)を組み合わせる場合に最適なオプションです。「自動」では、トーンマッピングを使用して、プロジェクト内のエレメント(クリップ、イメージ、オブジェクト)がプロジェクトの「色空間をレンダリング」設定に一致するように調整されます。「色空間をレンダリング」がHDRオプションに設定されている場合は、「自動」を選択するとプロジェクト内のSDRエレメントのルミナンスが増加します。「色空間をレンダリング」がSDRオプションに設定されている場合は、「自動」を選択するとプロジェクト内のHDRメディアのルミナンスが減少します。そのため、プロジェクトのSDRエレメントとHDRエレメントが統合され、同じレベルの明るさになります。
Final Cutテンプレートを作成している場合も、「自動」色処理が最適なオプションです。エフェクト、ジェネレータ、トランジション、タイトルをMac用Final Cut Proのタイムラインに適用すると、自動的にプロジェクトの色空間として認識されます。
Standard Gamut SDR: SDRプロジェクトを作成する場合、すべてのメディアファイルがSDRの場合、またはすべてのイメージ、クリップ、グラフィック要素を別の色空間に手動で変換する場合に最適なオプションです。Standard Gamut SDRでは、プロジェクトの作業用色空間がリニアRGB、Rec. 709原色に設定されます。Rec. 709は、HDケーブルやBlu-rayディスクなどのHDTVプロジェクトの現在の規格です。
Wide Gamut HDR: HDRプロジェクトを作成する場合、すべてのメディアファイルがHDRの場合、またはすべてのイメージ、クリップ、グラフィック要素を別の色空間に手動で変換する場合に最適なオプションです。Wide Gamut HDRでは、作業用色空間がリニアRGB、Rec. 2020原色に設定されます。Rec. 709より多くの色に対応する色空間になります。Rec. 2020は、4K/8KのUHDTVおよびHDRプロジェクトに適しています。
重要: HDRプロジェクトで広い範囲の色を作成し、表現の精度を最大限に高めて表示するには、広色域HDRディスプレイ(Apple Pro Display XDRやLiquid Retina XDRディスプレイを搭載したMacBook Proなど)を使用してください。
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