iPad用Logic Proユーザガイド
- Logic Pro 1.1の新機能
-
- アレンジの概要
-
- リージョンの概要
- リージョンを選択する
- リージョンをカット、コピー、およびペーストする
- リージョンを移動する
- リージョン間のギャップを削除する
- リージョンの再生をディレイする
- リージョンをトリムする
- リージョンをループさせる
- リージョンを繰り返す
- リージョンをミュートする
- リージョンを分割および結合する
- リージョンをストレッチする
- ノートピッチ別にMIDIリージョンを分離する
- リージョンを所定の場所にバウンスする
- オーディオリージョンのゲインを変更する
- トラック領域でリージョンを作成する
- MIDIリージョンをDrummerリージョンまたはパターンリージョンに変換する
- リージョン名を変更する
- リージョンのカラーを変更する
- リージョンを削除する
- オーディオリージョンにフェードを作成する
- フェーダーを使ってミキシング機能にアクセスする
- 著作権
iPad用Logic Proのダイナミックプロセッサ
ダイナミックプロセッサは、オーディオの聴感上のラウドネスを調整し、トラックやプロジェクトにフォーカスとパンチを与え、再生されるサウンドをさまざまな環境に最適化することができます。
オーディオ信号のダイナミックレンジとは、信号が最も弱い部分と最も強い部分の間の範囲(技術的には、最小-最大の振幅の範囲)のことです。ダイナミックプロセッサを使うと、個別のオーディオファイル、トラック、またはプロジェクト全体のダイナミックレンジを調整できます。これにより、聴感上のラウドネスを高めたり、ミックスの中の弱いサウンドを失わずに最も重要なサウンドを強調したりすることができます。いくつかのダイナミックプロセッサはサイドチェーン入力を備えています。
ダイナミックプロセッサには4つの種類があります。これらはそれぞれ、異なるオーディオ処理に使用します。独自のEnveloperも用意されています。これはどのカテゴリにも当てはまりません。
コンプレッサー: ダウンワードコンプレッサーは、自動ボリュームコントロールのような機能を持ち、しきい値(スレッショルド)と呼ばれるレベルを超えるとボリュームを下げます。
信号が最も高くなっているピークと呼ばれる部分を下げると、全体の信号レベルが上がり、聞こえるボリュームを上げることができます。これにより、背景の弱いサウンドを消してしまうことなく、前面の強い部分を際立たせることができるため、より明瞭な信号が得られます。また、アタックとリリースの設定によってトランジェントが強調され、最大ボリュームに達するまでの時間が短縮されることにより、サウンドを引き締めて力強くする結果にもなります。
また、圧縮を用いることで、異なるオーディオ環境で再生する場合にプロジェクトのサウンドを向上させることができます。例えば、テレビや車内のスピーカーのダイナミックレンジは、通常、映画館のサウンドシステムと比較して狭くなっています。ミックス全体に圧縮を適用することで、品質の低い再生環境でも、ふくよかでクリアなサウンドを得ることができます。
通常、コンプレッサーはミックス全体でボーカルを引き立たせるために、ボーカルトラックで使用します。また、音楽や効果音のトラックにもよく使われますが、アンビエンストラックに対して使うことはめったにありません。CompressorおよびDeEsser 2を参照してください。
マルチバンドコンプレッサーと呼ばれるコンプレッサーでは、入力信号を異なる周波数帯に分割して、各周波数帯に別々に圧縮設定を適用することができます。これは、圧縮によるアーチファクトを発生させずにレベルを最大にできます。マルチバンドコンプレッションは、一般的にミックス全体に対して使われます。Multipressorを参照してください。
エクスパンダ: エクスパンダは、コンプレッサーと似ていますが、しきい値を超えたとき、信号を低減させるのではなく、高めるという点で異なっています。エクスパンダを使用すると、オーディオ信号に躍動感が出ます。Expanderを参照してください。
リミッター: リミッター(ピークリミッターとも言います)は、コンプレッサーと同じく、設定されたしきい値を超えたオーディオ信号を低減する機能を持ちます。相違点として、コンプレッサーはしきい値を超えた信号のレベルを徐々に引き下げるのに対し、リミッターはしきい値よりも大きい信号を即座にしきい値レベルまで引き下げます。リミッターは主に、全体の最大信号レベルを保ちながら、クリッピングを防止するのに使用されます。Adaptive LimiterおよびLimiterを参照してください。
ノイズゲート: ノイズゲートは、コンプレッサーやリミッターとは反対の方法で信号を変化させます。コンプレッサーは信号がしきい値を超えた時点でレベルを低減させるのに対して、ノイズゲートはしきい値を下回っているすべての信号を低減させます。強いサウンドは変化することなく通過しますが、アンビエントノイズや、サスティンの付いた音源のディケイなどの弱いサウンドはカットオフされます。ノイズゲートは、低レベルノイズまたはハムノイズをオーディオ信号から除去するときによく使われます。「Noise Gate」を参照してください。
プラグインの使い方について説明します。
ユーザガイドの表記規則
iPad用Logic Proプラグインの表示画面は大きく分けて2種類あります。
タイル表示。プラグイン領域に主なパラメータのみがいくつか表示されます
詳細表示。この画面からプラグインのすべてのパラメータにアクセスできます
このガイドでは、タイル表示で利用できるパラメータを で示します。