MainStageユーザガイド
- ようこそ
-
- 「編集」モードの概要
-
- チャンネルストリップの概要
- チャンネルストリップを追加する
- チャンネルストリップ設定を変更する
- チャンネルストリップのコンポーネントを設定する
- シグナル・フロー・チャンネル・ストリップを表示する
- メトロノームチャンネルストリップを非表示にする
- チャンネルストリップのエイリアスを作成する
- パッチバスを追加する
- チャンネルストリップのパンまたはバランス位置を設定する
- チャンネルストリップのボリュームレベルを設定する
- チャンネルストリップをミュートする/ソロにする
- マルチ音源出力を使用する
- 外部MIDI音源を使用する
- チャンネルストリップを並べ替える
- チャンネルストリップを削除する
-
- 「チャンネル・ストリップ・インスペクタ」の概要
- チャンネルストリップ設定を選択する
- チャンネルストリップの名前を変更する
- チャンネルストリップのカラーを変更する
- チャンネルストリップのアイコンを変更する
- チャンネルストリップでフィードバック保護を使用する
- ソフトウェア音源チャンネルストリップのキーボード入力を設定する
- 個別のソフトウェア音源をトランスポーズする
- MIDIメッセージをフィルタリングする
- チャンネルストリップのベロシティをスケーリングする
- Hermode Tuningを無視するようにチャンネルストリップを設定する
- コンサートレベルおよびセットレベルのキー範囲を上書きする
- チャンネル・ストリップ・インスペクタでチャンネルストリップにテキストノートを追加する
- オーディオをセンドエフェクト経由でルーティングする
- グラフを操作する
- コントローラのトランスフォームを作成する
- 複数のコンサートでパッチやセットを共有する
- コンサートのオーディオ出力を録音する
-
- エフェクトの概要
-
- 音源: はじめに
デジタルシンセサイザー
さまざまなポリフォニー、メモリ、および完全にデジタルなサウンド生成システムを備える現代のデジタルシンセサイザーは、セミポリフォニックの手法を採用しています。ただし、これらの楽器が生成可能な声部数は、内蔵モノフォニックシンセサイザーの数にもはや依存してはいません。むしろ、ポリフォニーは、それを実行するコンピュータのパフォーマンスに完全に依存しています。
デジタル世界の急速な発展は、次の例に最もよく示されています。コンピュータを使ってサウンド生成を完全にエミュレートした最初のプログラムは、米国のプログラマであるマックス・マシュー(Max Mathew)の作成したMusic Iです。1957年に開発されたこのプログラムは、大学に設置されていた途方もない価格のメインフレームIBM 704で実行されました。その唯一自慢できる部分は三角波を計算できたことでした。ただし、リアルタイムで実行できるだけの能力はありませんでした。
リアルタイム実行能力が不足しているために、初期デジタル技術は、商用シンセサイザーで制御および格納目的にのみ使用されました。デジタル制御回路は、1971年、英国の企業EMSが発売したSynthi 100というモジュラーシンセサイザーに内蔵されたデジタルシーケンサーという形で誕生しました(それ以外のすべての点でSynthi 100はアナログシンセサイザーでした)。最も裕福なミュージシャン以外は手の届かない価格でしたが、Synthi 100シーケンサーでは合計256のイベントを操作できました。
ますます向上するプロセッサパフォーマンスのために、デジタル技術をサウンド生成エンジン自体の一部に統合することが可能になりました。Rocky Mountain Instruments(RMI)により製造されたモノフォニックのHarmonic Synthesizerは、これを実現した最初の楽器です。このシンセサイザーは2つのデジタルオシレータを装備しており、これがアナログフィルタおよびアンプ回路と組み合わされていました。
1976年にNew England Digital Corporation(NED)が発表したSynclavierは、完全なデジタルサウンド生成機能を備えた最初のシンセサイザーです。Synclavierなどの楽器は、製造元自身が開発する必要のある特殊なプロセッサをベースにしていました。その開発にかかるコストのために、Synclavierに投資できる人はごくわずかしかいませんでした。
代替ソリューションは、ほかのコンピュータプロセッサ業者が製造した汎用プロセッサを使用する方法でした。特に乗算と累積演算(オーディオ処理タスクでよく実行される演算)用に設計されたこれらのプロセッサは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)と呼ばれます。1990年に発表されたPeaveyのDPM-3は、標準的なDSPに基づく最初の商用シンセサイザーでした。この楽器は、16ノートのポリフォニックに対応しており、主に3基のMotorola 56001 DSPをベースにしていました。これは、統合シーケンサーおよびサンプルベースの減算合成機能を内蔵しており、出荷時の初期設定とユーザ定義可能なサンプルを利用可能でした。
別のソリューションは、シンセサイザーをスタンドアロンのユニットとしてではなく、コンピュータの周辺機器として設計する方法でした。1980年代初期からパーソナルコンピュータが人気を得るようになると、このオプションが商業的に実現可能になりました。Passport SoundchaserおよびSyntauri alphaSyntauriは、このコンセプトを実現した最初の例です。どちらのシステムも、プロセッサカードとそれに接続する標準の音楽用キーボードで構成されていました。プロセッサカードは、Apple IIコンピュータに挿入しました。シンセサイザーのプログラミングには、Appleのキーボードおよびモニタを使用しました。これらはポリフォニックで、プログラム可能な波形、エンベロープ、およびシーケンサーを備えていました。1989年以来、数え切れないほどのサウンドカードが登場してきましたが、現在のサウンドカードはこのコンセプトを継承しています。
絶えず増大し続ける今日のコンピュータの処理能力を活用して、シンセサイザーが進化する次の段階は、ホストコンピュータ上でアプリケーションとして動作するソフトウェアシンセサイザーでした。
最近では、オーディオの入力と出力のためだけに、サウンドカード(または内蔵のオーディオハードウェア)が必要です。実際のサウンド生成処理、エフェクト処理、レコーディング、およびシーケンスは、コンピュータのCPUが MainStage ソフトウェアと音源コレクションを利用して実行します。