Motionユーザガイド
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MotionとPDFファイル
PDFファイルフォーマットは、PostScriptベースの書類形式で、PostScriptベースのグラフィックスとテキストおよびビットマップグラフィックスに対応しています。PDFファイル内の透明な領域は、Motionでも透明になります。
PDFファイルは、PostScriptベースのイラストを保存できます。TIFFやJPEGなどのグラフィックスのファイルフォーマットでは、イメージをピクセルの集まりとして所定の解像度で赤、緑、青のチャンネルに分割して保存しますが、PostScriptベースのイラストはアートワークの描画を数学的な輪郭線として保存します。この結果、PostScriptベースのアートワークとテキストを使用するPDFファイルは、解像度に制限がありません。
ビットマップファイルとPostScriptベースのファイルの実際的な相違は、100パーセントを超えてビットマップを拡大すると、サイズが拡大するにつれてイメージが徐々にぼやける点にあります。PostScriptベースのイラストは、縮小または拡大の度合いに関係なくシャープで鮮明な状態で表示されます。
PDFファイルを読み込むと、ファイルの元のページサイズに比例したサイズになります。この結果、小さなグラフィックスに大きなフレームサイズが使われることがあり、グラフィックの周りには何も表示されていないスペースが生じます。「Motion」で使用するためにグラフィックをPDFファイルとして書き出す場合、必要であればグラフィックをページの大きさに合うように拡大するか、ソースアプリケーションのページ設定でグラフィックの大きさに合わせてページを縮小してください。
PDFオブジェクトの解像度を固定する
PDFファイルには解像度の制限がないため、大きなPDFオブジェクトは大量のビデオメモリを消費することがあり、Motionのパフォーマンスを低下させるおそれがあります。このような事態を避けるには、PDFイメージの解像度を制限して、ビデオメモリを節約します。固定解像度パラメータを使えば、ファイルのレンダリングは1回となり、高いパフォーマンスを確保できます。
PDFオブジェクトの固定解像度パラメータは、「メディア」インスペクタで調整します。「メディア」リストでPDFソースメディアを選択すると、「メディア」インスペクタがアクティブになります。PDFの固定解像度パラメータを変更するときは、次のコントロールを調整します:
ピクセルのアスペクト比: 非スクエアピクセルのアスペクト比をファイルに割り当てるポップアップメニュー。ほとんどの場合、「ファイルから」メニューオプションを選択してPDFソースファイルのネイティブアスペクト比を割り当てることをお勧めします。そのネイティブ設定を変更したい場合にのみ、別のメニュー項目を選択してください。
固定解像度: 選択すると、PDFソースメディアの解像度が「固定幅」と「固定高さ」スライダで指定したサイズに固定されるチェックボックス。
固定幅: PDFオブジェクトを滑らかに拡大できる横の最大解像度を設定するスライダ。
固定高さ: PDFオブジェクトを滑らかに拡大できる縦の最大解像度を設定するスライダ。
背景カラーを使用: 選択すると、PDFの透明部分がカスタム背景カラーに入れ替わるチェックボックス。「背景カラー」コントロール(後述)で背景カラーを選択します。
背景カラー: PDFの透明部分の背景カラーを設定する「カラーコントロール(背景カラーを使用」を選択したときに使用できます)。
クロップ: 必要に応じてPDFイメージのエッジを切り取るスライダ(左、右、下、上)。これらのコントロールは、PDFソースメディア(およびそのソースメディアにリンクしているすべてのレイヤー)をクロップします。個々のレイヤーをクロップするには、そのレイヤーの「情報」インスペクタの「クロップ」パラメータを使います。
PDFファイルに混在するコンテンツ
PDFファイルには、PostScriptベースのアート、PostScriptテキスト、ビットマップグラフィックスを混在できますが、それぞれのフォーマットの拡大/縮小情報は異なっています。PostScriptベースのアートやテキストは滑らかに拡大されますが、PDFファイルに埋め込まれているビットマップグラフィックスは、ほかのビットマップグラフィックスのフォーマットと同様に、拡大すると問題が生じることがあります。つまり、ビットマップグラフィックスは元のサイズよりも大きくするとぼやけることがあります。
注記: 読み込んだPDFファイルに表示されているフォームオブジェクト、ボタン、JavaScriptオブジェクトは、Motionで表示されません。
複数ページのPDFファイル
複数ページのPDFファイルを読み込むことができます。このようなファイルを読み込むと、PDFオブジェクトを選択したときに「情報」インスペクタに「ページ番号」と呼ばれるパラメータが表示されます。スライダをドラッグして、キャンバスに表示するページを指定します。このパラメータをアニメートすると、時間の経過に伴って異なるページが表示されます。
重要: マルチレイヤー化されたPDFファイルには対応していません。マルチレイヤー化されたイラストを読み込むには、各レイヤーを別々のPDFファイルとして書き出し、それらをネストしたオブジェクトグループとしてMotionに読み込みます。