Final Cut Pro X 10.4 で色補正ツールを使う

基本の色補正や補足の色補正を施して、プロジェクトのクリップそれぞれの見た目を細かくコントロールできます。

カラーカーブ、カラーホイール、ヒュー/サチュレーションカーブを使えば、Final Cut Pro の中で高度なカラーグレーディングを行えます。こうしたツールを使って、プロジェクトの中の各クリップや静止画像のカラーバランス、シャドウ/中間色調/ハイライトのレベルなどを調節できます。

手動の色補正について

ビデオの全体的な印象は、制作中にどういう具合に照明を当て、どんな風にシーンを撮影したかによって、まず決まってきます。その後、Final Cut Pro で編集する際は、シーンのマスターショットを選び、ほかのクリップを色補正する際の基準として使います。こういう風にすれば、プロジェクトの中のすべてのショットに統一感ある印象を持たせることができます。

さらに、Final Cut Pro の測定ツール (ビデオスコープやレンジチェックのオーバーレイなど) を使えば、ビデオの明度 (ルミナンス) とサチュレーション (クロマ) が放送 (ブロードキャスト) に適したレベルになるように調整できます。

        

手動で色補正するには、まずタイムラインでクリップを選択して再生ヘッドを配置し、そのクリップをビューアに表示します。「ウインドウ」>「移動」>「カラーインスペクタ」の順に選択します (または、「command + 6」キーを押します)。カラーインスペクタで、以下の手動色補正ツールを使えます。

  • カラーボード
  • カラーホイール
  • カラーカーブ
  • ヒュー/サチュレーションカーブ

インスペクタの縦サイズを最大にして、選択した色補正ツールのコントロール群をすべて表示するには、インスペクタの上部にあるバーを右クリックして、「表示」>「インスペクタの高さを切り替え」の順に選択するか、「control + command + 4」キーを押します。

クリップの色合い、クロマレベル、ルミナンスを調整する

カラーボードを使って、クリップの色合い、クロマレベル、ルミナンスを細かく調整できます。タイムラインでクリップを選択して再生ヘッドを配置し、ビューアにそのクリップを表示します。カラーインスペクタの上部にある「補正なし」ポップアップをクリックして、「+カラーボード」を選択します。 

インスペクタの上部で、調整したい内容に応じたボタンをクリックします。

  • 色合いを調整するには、「カラー」をクリックします。
  • クロマレベルを調整するには、「サチュレーション」をクリックします。
  • ルミナンスレベルを調整するには、「露出」をクリックします。

その後、「カラー」パネルでコントロールを上にドラッグしてイメージに色を追加するか、または、「サチュレーション」パネルや「露出」パネルで上にドラッグすると、クロマまたはルミナンスのレベルがそれぞれ上がります。コントロールを下にドラッグすると、色が取り除かれるか、クロマレベルまたはルミナンスレベルが下がります。

「カラー」パネルでコントロールを左右にドラッグして、加減する色を選択できます。変更内容は、すぐにビューアに反映されます。各パネルの値をリセットするには、右上隅にあるリセットボタンをクリックします。マスクを使ってクリップの特定の領域を補正することもできます。

タイムラインの次のクリップや前のクリップに同じ色補正エフェクトを適用する場合は、「command + 右矢印キー」または「command + 左矢印キー」を押して、次または前のクリップに再生ヘッドをすばやく移動し、選択できます。

          

クリップの赤/緑/青の色成分をまとめて調整する

カラーホイールでは、クリップのシャドウ、中間色調、ハイライトのコントロールを使い、全体的なカラーバランスを調整できます。カラーホイールを追加するには、タイムラインでクリップを選択して再生ヘッドを配置し、ビューアにそのクリップを表示します。その後、カラーインスペクタの上部にあるポップアップメニューから「+カラーホイール」を選択します。4 つのカラーホイールをすべて同時に表示したり、一度に 1 つずつ表示したりすることができます。カラーホイールを 1 つずつ、関連するコントロール群と併せて表示するには、「表示」をクリックしてから「単一ホイール」を選択します。

カラーホイールで調整する対象ごとに (「マスター」「シャドウ」「中間色調」「ハイライト」)、ホイールの右側にあるスライダをドラッグして、クリップの明るさ (ブライトネス) のレベルを調整し、ホイールの左側のスライダを使って、サチュレーションのレベルを調整します。クリップのヒューも、ホイールの中央にあるコントロールをドラッグして調整できます。

色温度や色合いを変更する

カラーホイールには、色温度や色合いのコントロールもあります。選択したクリップが自然に見えるように、「温度」コントロールのスライダを左右にドラッグして調整できます。 

クリップのホワイトバランスを微調整するには、「色合い」スライダを左右にドラッグします。左にドラッグすると青みが強くなり、右にドラッグすると黄色み/赤みが強くなります。

クリップのヒューを調整する

カラーホイールの調整がすべて済んだら、必要に応じて、クリップの全体的なヒューを変更できます。「ヒュー」コントロールを左右にドラッグしてください。

値をクリックして新しい値を入力するか、上下にドラッグして、カラーホイールの数値を微調整できます。

クリップの赤/緑/青の色成分を個別に調整する

カラーカーブを使えば、クリップのルミナンス、赤/緑/青の色成分を別々に調整できます。カラーホイールを使う場合と違います。カラーホイールでは、クリップの色成分のバランスを一度に調整します。ルミナンスカーブを使って、クリップのブラックポイントとホワイトポイントを設定することもできます。

カラーカーブを追加するには、タイムラインでクリップを選択して再生ヘッドを配置し、ビューアにそのクリップを表示します。カラーインスペクタの上部にあるポップアップメニューをクリックし、「+カラーカーブ」を選択します。各カーブのデフォルトの斜線は、イメージの元の状態を表します。カーブに沿って左から右にシャドウ、中間色調、ハイライトが配置されています。

ブラックポイントとホワイトポイントを設定する

クリップの赤、緑、青の色成分を調整する前に、クリップのブラックポイントとホワイトポイントが放送の許容範囲内に収まるようにしてください。波形モニタを使うと便利です。

「表示」>「ビューアに表示」>「ビデオスコープ」の順に選択します。必要に応じて、「スコープ」メニューをクリックし、「波形」を選択します。「ルミナンス」カーブで、左のコントロールポイントを使って、ブラックポイントを設定します。右側のコントロールポイントを使って、ホワイトポイントを設定します。

また、コントロールポイントを作成して、ブラックポイントとホワイトポイントの間の任意の部分を調整することもできます。カーブをクリックしてドラッグし、調整します。カーブをリセットするには、リセットアイコン をクリックします。

        カラーカーブでの調整

カラーチャンネルの強度を調整する

カラーチャンネルを調整するには、コントロールポイントをドラッグします。また、カーブ上をクリックして、コントロールポイントを追加できます。調整する色調範囲を狭めるには、複数のコントロールポイントを作成します。

たとえば、クリップの中間色調とハイライトだけを調整したい場合は、カーブの左側 (シャドウ部分) にコントロールポイントを追加し、そのコントロールポイントの右側にもう 1 つコントロールポイントを追加します。右端のコントロールポイントを調整しても、シャドウ部分は変更されないまま残ります。

調整するカスタムカラーを選択する

調整するカスタムカラーを選択するには、カラーカーブの上部にある スポイトアイコン をクリックします。ビューアでクリックまたはドラッグして、特定の色を選択します。カラーカーブが変化し、選択した色が反映されます。そのカーブで変更した内容はすべて、イメージのその色に反映されます。

        「ヒュー対ヒュー」カーブ

色のヒュー/サチュレーション/ブライトネスを調整する

プロジェクトの色補正をできる限り正確に制御するには、ヒュー/サチュレーションカーブを使います。ヒュー/サチュレーションカーブでは、スポイトを使い、プロジェクトの任意の色のヒュー、サチュレーション、ブライトネスを調整できます。また、クリップの特定のブライトネスまたはサチュレーションの範囲で、サチュレーションを調整できます。

まず、タイムラインでクリップを選択して再生ヘッドを配置し、そのクリップをビューアに表示します。カラーインスペクタの上部にあるポップアップメニューをクリックして、「ヒュー/サチュレーションカーブ」を選択します。インスペクタの縦サイズを最大にして、ヒュー/サチュレーションカーブのコントロール群をすべて表示するには、インスペクタの上部にあるバーをダブルクリックします。

色のヒュー/サチュレーション/ブライトネスを調整する

色のヒューを調整するには、「ヒュー対ヒュー」カーブの スポイトアイコン をクリックし、ビューアの中をクリックまたはドラッグして、特定の色を選択します。「ヒュー対ヒュー」カーブに 3 つのポイントが表示されます。中央のコントロールポイントをドラッグして、選択した色を調整します。外側のポイントを調整して、選択部分の範囲を狭く/広くすることができます。ヒューの範囲を変更するには、外側の 2 つのコントロールポイントを左右にドラッグするか、削除します。

微調整するには、「option」キーを押しながらドラッグします。コントロールポイントの動きを縦方向または横方向に制限するには、「shift」キーを押しながらドラッグします。

サチュレーションを調整するには、「ヒュー対サチュレーション」カーブの スポイトアイコン をクリックし、ビューアの中をクリックまたはドラッグして、特定の色を選択します。「ヒュー対サチュレーション」カーブに 3 つのポイントが表示されます。中央のコントロールポイントを選択し、選択した色のサチュレーションを増減できます。

ブライトネスを調整するには、「ヒュー対ルミナンス」カーブを使います。

クリップの特定のブライトネスまたはサチュレーションの範囲でサチュレーションを調整する

  • 「ルミナンス対サチュレーション」では、特殊な外観を作成したり、色のサチュレーションを減らしてクリップをブロードキャストセーフにしたりできます。
  • 「サチュレーション対サチュレーション」では、クリップの元のサチュレーションの中で特定のサチュレーション範囲を選択して調整することで、特殊な外観を作成できます。 
  • 「オレンジ対サチュレーション」では、特定の色のサチュレーションをそのシャドウ、中間色調、ハイライトの範囲内の任意のポイントで調整できます。スポイトアイコン を使って、調整する特定の色をビューアで選択します。このコントロールは、肌のトーンや、イメージに加えたい最終的な微調整に最適です。

カラーマスクを追加する

カラーマスクを追加すると、ポインタがスポイトに変化します。クリップの中の分離したい色にスポイトを配置します。ドラッグして、カラーマスクに含まれる色範囲を変更します。ビューアで、選択中の色を除いてイメージがモノクロになります。

色のシェードをマスクに追加したり減らしたりすることができます。シェードを追加するには、「shift」キーを押しながら、ビューアで色をドラッグします。シェードを減らすには、「option」キーを押しながら色をドラッグします。

カラーマスクの適用範囲を確認するには、「マスクを表示」をクリックします。イメージのグレイスケールバージョンがビューアに表示されます (アルファチャンネル)。白はマスクが適用される領域、黒はマスクの適用外の領域、グレイは、マスクが適用される場合がある領域を表します。

色補正を保存および適用する

クリップの色補正設定をプリセットとして保存しておいて、同じプロジェクトや別のプロジェクトのほかのクリップに簡単に適用できます。Final Cut Pro にはさまざまなプリセットが用意されていて、自分で作成したプリセットに加えて利用できます。

色補正設定を保存するには、カラーインスペクタの下部にある「エフェクトプリセットを保存」をクリックします。既存のカテゴリを選択するか、新しいものを作成します。エフェクトの名前を入力し、プリセットに含めたい属性を選択します。「保存」をクリックします。

プリセットをクリップに適用するには、「ウインドウ」>「ワークスペースに表示」>「エフェクト」の順に選択します (「command + 5」キーを押します)。「エフェクト」ブラウザから、タイムラインのクリップにエフェクトをドラッグします。または、タイムラインでクリップを選択し、「エフェクト」ブラウザでエフェクトをダブルクリックします。

色補正のプリセットには、現在の色、サチュレーション、露出の設定だけが保存されます。マスク設定 (マスクの内側または外側の領域にマスクを適用するかどうかの設定など) は保存されません。

関連情報

  • 色補正プリセットの保存や適用については、こちらを参照してください。
  • カラーバランスの自動調整とマッチカラー補正については、こちらを参照してください。
  • キーフレームを使って色補正設定を時間経過に伴い変更する方法については、こちらを参照してください。

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