Logic Proユーザガイド
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Logic Proでのドルビーアトモスのモニタリングフォーマット
ドルビー・アトモス・ミックスで重要な要素となるのが、オブジェクトベースのフォーマットです。オブジェクトベースのフォーマットでは、ミックス中(およびあとで実行する書き出しや提出中)に、すべてのオブジェクト・トラックで信号のパン情報がオーディオ信号とは別に管理され、メタデータとして保存されます。再生システムは、そのスピーカー設定とは関係なく、3次元空間で再生するときに個々の信号を配置する位置をこのメタデータで確認します。これが、オブジェクトベースのミックスフォーマットを、チャンネルベースの再生フォーマット(スピーカーまたはヘッドフォン)に変換するという、レンダラの概念です。ただし、レンダラには、オブジェクトベースのミックスをどのチャンネルベースのフォーマット(現在の再生システムで使用できるスピーカー設定)にレンダリングするべきかについての情報が必要です。
さまざまな再生システムをシミュレートするために、ドルビー・アトモス・プラグインの「Monitoring Format」ポップアップメニューを使用してその情報をレンダラに提供します。ドルビー・アトモス・ミックスがどのようにこれらの再生フォーマットに変換されるかを確認する場合は、バイノーラル、スピーカーの仮想化、および専用スピーカーという3つのグループのチャンネルベースの出力フォーマットから選択できます。
注記: Logic Proで使用可能なモニタリングフォーマットは、Logic Proプロジェクトで作業しているときに接続されているハードウェアによって決まります。
バイノーラル
以下のオプションについてはヘッドフォンで聴く必要があります:
Dolby Renderer: これはドルビーアトモスの標準バイノーラルフォーマットで、いつでも使用できます。このフォーマットを使うと、バイノーラル・レンダリング・モードを編集できます。
Apple Renderer (Standard Spatial Audio Profile): ヘッドフォンを仮想化します。Apple Musicで、ヘッドフォンでの再生用にバイノーラル空間オーディオミックスをレンダリングするために使用されます。
Apple Renderer (Personalized Spatial Audio Profile): このヘッドフォンの仮想化では、臨場感のあるサウンド体験を最適化するために、パーソナライズされた空間オーディオプロファイルが使用されます。
iPhone(TrueDepthカメラが搭載されているiOS16以降)で頭と耳を測定して、パーソナライズされた空間オーディオプロファイルを作成できます。作成したプロファイルをお使いのMac(macOS 13 Ventura以降)にコピーすると、このオプションが「Monitoring Format」ポップアップメニューで使用できるようになります。これは、パーソナライズされたHRTF(Head-Related Transfer Function: 頭部音響伝達関数)とも呼ばれ、自分の頭と耳を測定してカスタマイズされたバイノーラルレンダリングが改善されます。
Apple Renderer (Head Tracking, Standard Spatial Audio Profile): Apple Musicで、ヘッドトラッキング対応のAppleヘッドフォンでの再生用にバイノーラル空間オーディオミックスをレンダリングするために使用されます。このフォーマットは、Logic Proの「オーディオ」設定でヘッドトラッキング対応のヘッドフォンまたはイヤーバッドが出力デバイスとして選択されている場合にのみ使用できます。このフォーマットでバウンドする場合は、ヘッドトラッキングがオフになります。
Bluetoothが有効になっているヘッドフォンまたはイヤーバッドで頭の動きがレンダラに送信されると、リアルタイムで3Dの音場がアップデートされるため、ヘッドフォンで聴く場合は装着者の頭の動きにかかわらずすべての信号が仮想の位置に保たれます。
Apple Renderer (Head Tracking, Personalized Spatial Audio Profile): このオプションでは、ヘッドトラッキングが有効なApple Rendererアルゴリズムが使用され、パーソナライズされた空間オーディオで最適化されます。
スピーカーの仮想化
これらのオプションでは、内蔵スピーカーで臨場感のあるサウンド体験を生み出すために、対応しているAppleデバイスで使用できる空間オーディオのスピーカーが仮想化されます。
Renderer for Built-in Speakers: このフォーマットは、内蔵スピーカーでの空間オーディオ再生に対応したコンピュータでLogic Proを使用していて、Logic Proの「オーディオ」設定でそれらのスピーカーが出力デバイスとして選択されている場合にのみ使用できます。
Renderer for Display Speakers: このオプションは、Apple Studio Displayが接続されていて、Logic Proの「オーディオ」設定でそのディスプレイのスピーカーが出力デバイスとして選択されている場合にのみ表示されます。
専用スピーカー
7.1.4スピーカー設定は、ドルビーアトモスでのミックスの推奨フォーマットです。空間分解能および臨場感のある音場での信号の適切な配置に関して、高いレベルでの正確性が保証されます。レンダラでは、ミックスを以下のスピーカー構成と組み合わせることができます:
2.0: このフォーマットは、ドルビー・アトモス・ミックスをステレオスピーカーやステレオヘッドフォンで再生したものに近くなります。
5.1、7.1、5.1.4、7.1.4: これらのフォーマットを選択する場合は、そのフォーマットに一致するスピーカー設定が必要です。また、Logic Proの「サラウンド」設定で出力ルーティングを構成する必要があります。
警告: モニタリングフォーマットはバウンスに影響しますが、ドルビー・アトモス・ミックスの書き出しには影響しません。
バウンス: Logic Proでバウンス機能を使用する場合(キーコマンドはCommand+Bキー)、ドルビー・アトモス・プラグインの「Monitoring Format」メニューで現在選択されているオプションを使用して、そのチャンネルベースの出力フォーマットでオーディオファイルが作成されます。バウンスされたファイルは、ドルビーアトモス対応のシステムでの再生には適していません。Logic Proでサラウンド・オーディオ・ファイルをバウンスするを参照してください。
書き出し: このドルビーアトモスのマスターファイルはオブジェクトベースのままであるため、モニタリングフォーマットの選択は、ドルビー・アトモス・ミックスのADM BWFファイルへの書き出しには影響しません。Logic ProでADM BWFファイルを書き出すを参照してください。
ドルビー・アトモス・ミックスのモニタリングフォーマットを設定する
Logic Proのドルビー・アトモス・プラグインで、「Monitoring Format」ポップアップメニューからいずれかのモニタリングフォーマットを選択します。
注記: モニタリングフォーマットApple Renderer、Apple Renderer (Head Tracking)、Renderer for Built-in Speakers、およびRenderer for Display Speakersには、macOS Monterey 12.3以降が必要です。さらに、Apple Renderer (Head Tracking)には、Appleシリコン搭載のMacが必要です。