Mac用Logic Proユーザガイド
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Mac用Logic Proのベッドトラックとオブジェクトトラック
ドルビーアトモスミックスには、オブジェクトトラックとベッドトラックという2種類のトラックがあります。この2つのトラックは、オーディオ信号のルーティングとパンニングの処理方法という点で根本的に異なります。
ベッドトラック
ドルビーアトモスミックスのベッドトラックは、従来のチャンネルベースのサラウンドトラックのように機能します。ドルビーアトモスのフォーマットにあるオブジェクトベースの概念では例外となる要素です。ベッドトラックのオーディオ信号はマルチチャンネルバスにルーティングされ、各ベッドトラックのサラウンドパンナーコントロールによってそのマルチチャンネルバスのチャンネル間で信号がパンニングされます。各チャンネルはそのサラウンド設定の専用スピーカー(L、R、C、Ls、Rs、LFEなど)に対応しています。
Mac用Logic Proのベッドトラックは次のような仕組みになっています:
プロジェクトで新しいトラックを作成すると、ベッドトラックになります。
ベッドトラックのチャンネルモードはモノラル、ステレオ、またはサラウンドにすることができます。
すべてのベッドトラックは、サラウンドベッドと呼ばれる、同じサラウンド出力にルーティングされます。
Logic Proのドルビーアトモスのプロジェクトには、1つのベッドしかありません。これは、プロジェクトのすべてのベッドトラックが同じサラウンドベッドにルーティングされることを意味します。
Logic Proの「オーディオ」プロジェクト設定にある「サラウンドフォーマット」ポップアップメニューでは、サラウンドバスのチャンネルモードを7.1.2(デフォルト)、7.1、または5.1に設定できます。
サラウンドバスにルーティングされるすべてのベッドトラックの信号は、サラウンドマスターチャンネルストリップに送信され、ドルビーアトモスプラグインより前に置かれたプラグインによって処理されます。
サラウンドベッドのチャンネルの最大幅は7.1.2で、このフォーマットではリスナーポジションの上にオーバーヘッドスピーカーが1組だけあります(LtmおよびRtm)。つまり、天井の前後には信号を配置できません。
オブジェクトトラック
オブジェクトトラックはいくつかの点でベッドトラックと異なります:
オブジェクトトラックのオーディオ信号は、モノラルまたはステレオ信号として、パンコントロールを経由することなく直接ドルビーアトモスプラグインにルーティングされます。
ドルビーアトモスプラグインには最大118個のオブジェクトを持たせることができます。118個のトラックを録音できるマルチトラックレコーダーのようなものと考えることができます。
オブジェクトにルーティングされるトラックはすべてオブジェクトトラックになります。ステレオトラックでは2つのオブジェクトを使用します。
モノラルトラックとステレオトラックはオブジェクトにルーティングすることができますが、サラウンドトラックではできません。
Logic Proでは、オブジェクトトラックのパンコントロールは常に3Dオブジェクトパンナーになります。
3Dオブジェクトパンナーでは、オーディオ信号を3D空間に配置でき、スピーカーの位置に制限されません。3Dオブジェクトパンナーの概要を参照してください。
オブジェクトトラックのオーディオ信号は、ドルビーアトモスプラグインで対応するオブジェクト入力に直接ルーティングされます。3Dオブジェクトパンナーで生成されるパン設定(静的または自動)は別個のメタデータとして同じオブジェクト入力に送信されます。
オブジェクトトラックをドルビーアトモスミックスのLFEチャンネルに直接ルーティングすることはできません。
ドルビーアトモスミックスをADM BWFマスターファイル(ドルビーアトモスミックスをApple Musicに提出する際に使用)に書き出すときには、個々のすべてのオブジェクトのオーディオ信号と、対応するパン情報が別々に保存されます。
ベッドトラックをオブジェクトトラックに変更する
Logic Proでは、ドルビーアトモスのプロジェクトで新しいトラックを作成すると、ベッドトラックになります。これをオブジェクトトラックに変更するには、以下のいずれかの操作を行います:
チャンネルストリップの出力スロットをクリックして、ポップアップメニューから「3Dオブジェクトパンナー」を選択します。
ベッドトラックのチャンネルストリップまたはトラックヘッダでControlキーを押しながら「サラウンドパンナー」コントロールをクリックし、ポップアップメニューから「3Dオブジェクトパンナー」を選択します。
複数のチャンネルストリップを選択してから、いずれかの出力スロットをクリックして「3Dオブジェクトパンナー」を選択します。選択したすべてのベッドトラックがオブジェクトトラックに変わります。
出力スロットのラベルが「サラウンド」から「オブジェクト」に変わります。
オブジェクトトラックをベッドトラックに変更する
Logic Proで、チャンネルストリップの出力スロットをクリックし、「出力」>「サラウンド」と選択します。
出力スロットのラベルが「オブジェクト」から「サラウンド」に変わります。