Appleシリコンを搭載したMacでmacOS復旧を使用する
macOS復旧は、Macに内蔵されている復旧システムです。
Appleシリコンを搭載したMacでmacOS復旧のアプリを使用すると、コンピュータの内蔵ストレージの修復、macOSの再インストール、Time Machineバックアップからのファイルの復元、さまざまなボリュームでのセキュリティポリシーの設定、2台のMacコンピュータ間でのファイル転送、セーフモードでの起動などを行うことができます。
macOSの再インストールにはインターネット接続が必要です。インターネットに接続するには、ワイヤレスまたは有線のネットワーク接続を使用できます。キャプティブポータル(カフェ、図書館、ホテルなど)経由でWi-Fiに接続しようとしたり、企業ネットワークに接続しようとしている場合は、macOS復旧でインターネットにアクセスできない可能性があります。Wi-Fiを使ってインターネットに接続するを参照してください。
Appleシリコンを搭載したMacのmacOS復旧で利用できるアプリ
Appleシリコンを搭載したMacのmacOS復旧では、以下のアプリを利用できます:
復旧: 復旧アプリでは、macOS復旧のその他のアプリにアクセスできます。コンピュータをmacOS復旧で起動する、コンピュータをmacOS復旧で起動し、Bluetooth入力デバイスをペアリングする、およびmacOS復旧を終了するを参照してください。
Time Machine System Restore: Time Machineバックアップからデータを復元します。復旧アプリで「Time Machineから復元」を選択し、「続ける」をクリックします。復旧アプリに戻るには、「Time Machine System Restore」>「Time Machine System Restoreを終了」と選択します。Time Machineを使ってファイルを復元するを参照してください。
macOSインストール: コンピュータにmacOSを再インストールします。復旧アプリで「macOS [名称]を再インストール」を選択し、「続ける」をクリックします。復旧アプリに戻るには、「macOS [名称]インストール」>「macOSインストールを終了」と選択します。macOSを再インストールするを参照してください。
Safari: 復旧アプリで「Safari」を選択し、「続ける」をクリックします。復旧アプリに戻るには、「Safari」>「Safariを終了」と選択します。インターネットに接続している場合は、Safariを使って、AppleサポートのWebサイトで詳しい情報を検索できます。
ディスクユーティリティ: コンピュータの内蔵ストレージを修復または消去します。復旧アプリで「ディスクユーティリティ」を選択し、「続ける」をクリックします。復旧アプリに戻るには、「ディスクユーティリティ」>「ディスクユーティリティを終了」と選択します。macOSを消去して再インストールするおよびコンピュータの内蔵ストレージを修復するを参照してください。
起動セキュリティユーティリティ: Macのセキュリティポリシーを設定します。復旧アプリで、「ユーティリティ」>「起動セキュリティユーティリティ」と選択します。復旧アプリに戻るには、「起動セキュリティユーティリティ」>「起動セキュリティユーティリティを終了」と選択します。セキュリティポリシーを変更するを参照してください。
ターミナル: コマンドラインで設定を変更します。復旧アプリで、「ユーティリティ」>「ターミナル」と選択します。復旧アプリに戻るには、「ターミナル」>「ターミナルを終了」と選択します。
ディスク共有: macOS復旧で起動したMacのディスクを共有します。復旧アプリで、「ユーティリティ」>「ディスク共有」と選択します。「ディスク共有」を使用して2台のMacコンピュータ間でファイルを転送するを参照してください。
起動ディスク: Macの起動ディスクを設定します。アップルメニュー >「起動ディスク」と選択します。アプリを終了するには、「起動ディスク」>「起動ディスクを終了」と選択します。
macOS復旧を使って以下のタスクを実行することもできます:
コンピュータをmacOS復旧で起動する
Macで、アップルメニュー >「システム終了」と選択します。
Macが完全にシステム終了するまで待ちます。Macが完全にシステム終了すると画面が黒くなり、すべてのランプ(Touch Barとキーボードのランプを含む)が消えます。
システムボリュームと「オプション」ボタンが表示されるまで、Macの電源ボタンを押したままにします。
「オプション」ボタンをクリックしてから、「続ける」をクリックします。
確認が表示された場合は、復旧するボリュームを選択してから、「次へ」をクリックします。
管理者アカウントを選択し、「次へ」をクリックします。
管理者アカウントのパスワードを入力し、「続ける」をクリックします。
メニューバーに復旧アプリが表示されたら、ウインドウまたはメニューバーで使用可能なオプションを選択できます。
コンピュータをmacOS復旧で起動し、Bluetooth入力デバイスをペアリングする
macOS復旧での起動時にBluetooth®キーボード、トラックパッド、またはマウスをMacとペアリングする必要がある場合は、以下の手順に従ってください。
Macで、アップルメニュー >「システム終了」と選択します。
Macが完全にシステム終了するまで待ちます。Macが完全にシステム終了すると画面が黒くなり、すべてのランプ(Touch Barとキーボードのランプを含む)が消えます。
システムボリュームと「オプション」ボタンが表示されるまで、Macの電源ボタンを押したままにします。
電源ボタンを3回押します。
注記: 電源ボタンは1秒以内の間隔で押す必要があります。電源ボタンを押すのが速すぎると、認識されません。高速に押す動作は、VoiceOverなど、ほかの目的に確保されているためです。
「Bluetooth設定アシスタント」を使用して、BluetoothアクセサリをMacとペアリングします。
注記: すでに入力デバイスが接続されている場合は、「Bluetooth設定アシスタント」は表示されません。
管理者アカウントを選択し、「次へ」をクリックします。
管理者アカウントのパスワードを入力し、「続ける」をクリックします。
メニューバーに復旧アプリが表示されたら、ウインドウまたはメニューバーで使用可能なオプションを選択できます。
コンピュータをセーフモードで起動する
Macで、アップルメニュー >「システム終了」と選択します。
Macが完全にシステム終了するまで待ちます。Macが完全にシステム終了すると画面が黒くなり、すべてのランプ(Touch Barとキーボードのランプを含む)が消えます。
システムボリュームと「オプション」ボタンが表示されるまで、Macの電源ボタンを押したままにします。
ボリュームを選択します。
Shiftキーを押したまま、「セーフモードで続ける」をクリックします。
コンピュータは自動的に再起動します。
デフォルトの起動ボリュームを設定してコンピュータを再起動する
Macで、アップルメニュー >「システム終了」と選択します。
Macが完全にシステム終了するまで待ちます。Macが完全にシステム終了すると画面が黒くなり、すべてのランプ(Touch Barとキーボードのランプを含む)が消えます。
システムボリュームと「オプション」ボタンが表示されるまで、Macの電源ボタンを押したままにします。
ボリュームを選択します。
Optionキーを押したまま、「常に使用」をクリックします。
コンピュータは自動的に再起動します。
Wi-Fiを使ってインターネットに接続する
macOS復旧では、Wi-Fi状況を確認してWi-Fiネットワークに接続することができます。
画面の右上隅にあるWi-Fiメニューアイコンに1本以上のバー が表示されている場合、Wi-Fiがオンになっていて、ワイヤレスネットワークに接続されています。Wi-Fiメニューアイコンにバー がない場合、Wi-Fiはオンですがワイヤレスネットワークには接続されていません。Wi-Fiメニューアイコンに斜め線 が入っている場合、Wi-Fiはオフです。ワイヤレスネットワークに接続するには、Wi-Fiをオンにする必要があります。
お使いのMacで、次のいずれかの操作を行います:
Wi-Fiをオンにする: Wi-Fiメニューアイコンをクリックし、「Wi-Fiをオンにする」を選択します。
Wi-Fiをオフにする: Wi-Fiメニューアイコンをクリックし、「Wi-Fiをオフにする」を選択します。
ネットワークに接続する: Wi-Fiメニューアイコンをクリックし、ネットワークを選択します。ネットワークのパスワードを求められた場合は入力します。
非公開のネットワークに接続する: Wi-Fiメニューアイコンをクリックし、「ほかのネットワークに接続」を選択します。ネットワーク名と、求められた場合はネットワークのパスワードを入力します。
コンピュータの内蔵ストレージを修復する
コンピュータで問題が発生している、またはコンピュータの起動後にmacOS復旧のウインドウが表示された場合は、コンピュータの内蔵ストレージの修復が必要な可能性があります。
復旧アプリで「ディスクユーティリティ」を選択し、「続ける」をクリックします。
ディスクユーティリティアプリで、「表示」>「すべてのデバイスを表示」と選択します。
サイドバーでボリュームを選択してから、 をクリックします。
「First Aid」ダイアログで、「実行」をクリックして、画面に表示される指示に従って操作します。
First Aidプロセスが完了したら、「完了」をクリックします。
ストレージデバイス上のボリュームごとに、手順4〜6を繰り返します。
サイドバーでコンテナを選択してから、 をクリックします。
「First Aid」ダイアログで、「実行」をクリックして、画面に表示される指示に従って操作します。
First Aidプロセスが完了したら、「完了」をクリックします。
ストレージデバイス上のコンテナごとに、手順8〜10を繰り返します。
サイドバーでストレージデバイスを選択してから、 をクリックします。
「First Aid」ダイアログで、「実行」をクリックして、画面に表示される指示に従って操作します。
First Aidプロセスが完了したら、「完了」をクリックします。
ディスクユーティリティでディスクを修復できない場合は、できるだけ多くの情報をバックアップしてから、「macOSを消去して再インストールする」の手順に従います。
復旧アプリに戻るには、「ディスクユーティリティ」>「ディスクユーティリティを終了」と選択します。
Time Machineを使ってファイルを復元する
以前Time Machineバックアップを作成していた場合は、バックアップからファイルを復元できます。
重要: Time Machineバックアップは、バックアップ元のコンピュータにデータを復元するときのみ使用してください。Macから別のコンピュータにデータを移行したい場合は、macOS復旧を終了してMacを再起動してから、macOSの移行アシスタントアプリを使ってください。
バックアップをTime Capsuleに作成した場合は、インターネットに接続していることを確認します。
復旧アプリで「Time Machineから復元」を選択し、「続ける」をクリックします。
Time Machine System Restoreアプリで、画面に表示される指示に従って操作します。
macOSを再インストールする
場合によっては、macOSを再インストールする必要があります。ファイルとユーザ設定を残したまま、macOSを再インストールできます。
インターネットに接続していることを確認してください。
復旧アプリで「macOS [名称]を再インストール」をクリックし、「続ける」をクリックします。
画面に表示される指示に従います。
重要: ディスクの選択を求められたときは、現在のmacOSディスクを選択します(ほとんどの場合、このディスクだけが表示されます)。
macOSを消去して再インストールする
重要: お使いのMacの下取り、売却、譲渡の準備をする場合は、以下の手順に従わないでください。代わりに、macOSの消去アシスタントを使用してMacを工場出荷時の設定にリセットしてください。消去アシスタントでは、すべての個人情報、アクティベーションロック、信頼できるiCloud状況がMacから削除されます。消去アシスタントを使用するには、コンピュータをmacOSで起動し、アップルメニュー >「システム設定」と選択し、サイドバーで「一般」 をクリックして(下にスクロールする必要がある場合があります)、「転送またはリセット」をクリックしてから、「すべてのコンテンツと設定を消去」ボタンをクリックして、画面に表示される指示に従います。
macOSを消去して再インストールすると、ユーザアカウント、ネットワーク設定、およびMac上のすべてのファイルとフォルダが削除されます。macOSを消去する前に、システムへのログインを試みてから、残したいファイルを別のディスクやストレージデバイスにコピーしてバックアップしてください。また、「ネットワーク」設定のネットワーク設定を書き留めておくと、macOSの再インストール後に再接続の設定がしやすくなります。
インターネットに接続していることを確認してください。
復旧アプリで「ディスクユーティリティ」をクリックし、「続ける」をクリックします。
「ディスクユーティリティ」のサイドバーで消去したいボリュームを選択してから、ツールバーの「消去」ボタンをクリックします。
「名前」フィールドにボリュームの名前を入力します。
「フォーマット」ポップアップメニューをクリックし、「APFS」を選択してから、「ボリュームグループを消去」をクリックします。
消去プロセスが完了したら、「完了」をクリックしてから、「ディスクユーティリティ」>「ディスクユーティリティを終了」と選択します。
復旧アプリで、「macOS [名称]を再インストール」をクリックし、「続ける」をクリックして、画面に表示される指示に従って操作します。
注記: macOSを消去して再インストールすると、以前のバージョンのmacOSがインストールされる場合があります。インストールされたバージョンから最新バージョンのmacOSにアップグレードするには、アップルメニュー >「システム設定」と選択し、サイドバーで「一般」 をクリックしてから(下へのスクロールが必要な場合があります)、「ソフトウェアアップデート」をクリックします。
セキュリティポリシーを変更する
復旧アプリで、「ユーティリティ」>「起動セキュリティユーティリティ」と選択します。
使用するシステムを選択して、セキュリティポリシーを設定します。
ディスクが暗号化されている場合は「ロックを解除」をクリックし、パスワードを入力してから「ロックを解除」をクリックします。
「セキュリティポリシー」をクリックします。
以下のセキュリティオプションのいずれかを選択します:
完全なセキュリティ: 現在のOS、または現在Appleから信頼されている署名入りオペレーティングシステムソフトウェアのみが実行可能であることを保証します。このモードでは、ソフトウェアのインストール時にネットワーク接続が必要です。
低セキュリティ: これまでにAppleから信頼されたすべてのバージョンの署名入りオペレーティングシステムソフトウェアの実行を許可します。
「低セキュリティ」を選択した場合は、必要に応じて以下のオプションを選択します:
確認済みの開発元から提供されたカーネル機能拡張のユーザ管理を許可: レガシーカーネル機能拡張を使用するソフトウェアのインストールを許可します。
カーネル機能拡張と自動ソフトウェアアップデートのリモート管理を許可: モバイルデバイス管理(MDM)ソリューションを使用してレガシーカーネル機能拡張とソフトウェアアップデートをリモート管理することを許可します。
「OK」をクリックします。
セキュリティポリシーを変更した場合は、「ユーザ」ポップアップメニューをクリックし、管理者アカウントを選択して管理者アカウントのパスワードを入力してから、「OK」をクリックします。
アップルメニュー >「再起動」と選択します。
変更内容を適用するには、Macを再起動する必要があります。
「ディスク共有」を使用して2台のMacコンピュータ間でファイルを転送する
macOS復旧で起動したMacでボリュームを共有し、USB、USB-C、またはThunderboltケーブルを使って別のMacと接続すると、この2台のMac間でファイルを転送できます。
USB、USB-C、またはThunderboltケーブルを使って2台のコンピュータを接続します。
復旧アプリで、「ユーティリティ」>「ディスク共有」と選択します。
共有するボリュームを選択して、「共有を開始」をクリックします。
別のMacでFinderウインドウを開き、サイドバーの「場所」の下にある「ネットワーク」をクリックします。
「ネットワーク」ウインドウで、ディスク共有しているMacをダブルクリックして「別名で接続」をクリックし、「別名で接続」ウインドウで「ゲスト」を選択してから、「接続」をクリックします。
ファイルを転送します。
ファイル転送が終わったら、共有していたMacのボリュームを取り出します。
ディスク共有アプリで、「共有を停止」をクリックします。
「ディスク共有」>「ディスク共有を終了」と選択します。
復旧ログを表示する
復旧ログには、macOS復旧によってログに記録されたメッセージが含まれています。表示するメッセージの種類を指定したり、メッセージにフィルタを適用して特定のテキストを検索したり、復旧ログをファイルに保存したりできます。
復旧アプリで、「ウインドウ」>「復旧ログ」と選択します。
「詳細レベル」ポップアップメニューをクリックしてから、表示するメッセージを選択します:
エラーのみ表示: エラーメッセージだけを表示するには、このオプションを選択します。
エラーと進行状況を表示: エラーメッセージと進行状況メッセージを表示するには、このオプションを選択します。
すべてのログを表示: すべてのメッセージを表示するには、このオプションを選択します。
メッセージにフィルタを適用するには、「フィルタ」フィールドに検索したいテキストを入力します。
復旧ログを保存するには、「保存」ボタンをクリックし、ファイルの場所を選択してから、「保存」をクリックします。
復旧ログの確認が終わったら、ウインドウの左上隅にある をクリックします。
復旧診断ファイルを作成する
フィードバックアシスタントを使って問題レポートを登録する場合に、復旧診断ファイルの提出を求められることがあります。このファイルを作成して、外部ストレージデバイスに保存できます。
外部ストレージデバイスをMacに接続します。
Control+Option+Shift+Command+ピリオドキーを押します。
スクリーンが点滅したら、ダイアログが表示されるまで、しばらく待ちます。
ダイアログを使用して、復旧診断ファイルを外部ストレージデバイス上の場所に保存します。
macOS復旧を終了する
Time Machineからシステムを復元するか、macOSを再インストールすると、Macは自動的に再起動します。それ以外の場合は、macOS復旧を手動で終了する必要があります(macOSを再インストールする前にファイルのバックアップを作成する場合や、起動セキュリティユーティリティを使用して設定を変更しただけの場合など)。
Macの復旧アプリで、以下のいずれかの操作を行います:
Macを再起動する: アップルメニュー >「再起動」と選択します。
別の起動ディスクを選択してからMacを再起動する: アップルメニュー >「起動ディスク」と選択し、起動ディスクを選択して、「再起動」をクリックします。
Macをシステム終了する: アップルメニュー >「システム終了」と選択します。