
ゼロから作るMainStageのES2サウンドデザインの概要
チュートリアル「ES2でサウンドをゼロから作る」では、よく使われるサウンドをゼロから作成する方法を説明します。また、チュートリアル「テンプレートを使ったES2サウンドデザイン」でも、さまざまなテンプレートを土台にしてサウンドを作成する手順について説明します。
これらのチュートリアルの設定をES2のウインドウに表示するには、設定ポップアップメニューから「Tutorial Settings」を選択します。
「Analog Saw Init」というチュートリアル設定は、何もないところから新しくサウンドをプログラミングする際の手がかりとなるようにデザインされています。専門の音楽家も、まったく新しいサウンドをプログラミングするときは、このタイプの設定を使うことを好みます。それはつまり、フィルタ処理されていない、エンベロープやモジュレーションなどの仕掛けもまったくない、ノコギリ波のことです。このタイプの設定は、新しいシンセサイザーについて理解を深めるためにも役立ちます。パラメータ値を設定する際も、元の設定値をいちいち確認する必要がありません。
まず、減算方式シンセサイザーの心臓部でもある、フィルタから始めましょう。ローパスフィルタには、12 dB、18 dB、24 dB、および「fat」(フィルタ2のみ)という4つのフィルタタイプがあります。各タイプについて、「Cut」(カットオフ周波数)と「Res」(レゾナンス)をさまざまな値に設定できます。エンベロープ2をフィルタエンベロープとして定義します。このモジュレーションの配線は、ルーターでプリセットされています。
「Filter Blend」を左端まで動かし、フィルタ1が適用された出力だけが聞こえるようにしてください。フィルタ1を使う方が適している場合も多いのですが、フィルタ2にもさまざまな長所があります。フィルタ1は、オクターブ当たり12dBというスロープのローパスフィルタ(「Lo」)に加え、ハイパス、ピーク、バンドパス(BP)、バンド阻止(BR)にも切り替えることができます。フィルタ2(ローパス)を通した音は、フィルタ1に比べて柔らかい響きになります。フィルタの効果をあまり目立たせたくない場合(弦楽器系やFM音など)に適しています。ディストーション(歪み)をかけたTB-303風の音も、フィルタ2を使えば容易に得られます。
この設定は、さまざまなオシレータ波形を試してみたい場合にも最適です。