年度末にiPadデバイスを回収する/保管する
多くの教育機関では、学年末または生徒の卒業時にデバイスを回収します。教育機関が学年末の休暇中に生徒にデバイスを自宅に持ち帰らせない場合は、デバイスの導入時と同様、事前に回収計画を立てておくのがベストプラクティスです。デバイスを次の学年で確実に使用できるように、一律に回収します。この手順を最適化する方法を学ぶために、少人数のユーザを対象に収集プロセスを試験的に実施します。
この年度末チェックリストは、あなたの学校独自の状況や要素をすべて考え抜くのに役立ちます。デバイスの回収および保管手順には、以下の要素が含まれます。このプロセスは、ユーザが次の学年に進級するかどうかによって異なる場合があります。
iPadと教室機器
生徒がデバイスを使う最終日を確認します。
以下の手順が完了していることを確認するため、教師に教室セット内の各iPadを点検するよう指示し、その結果を書類化するのに役立つチェックリストを提供します。
バックアップ: 教師は、ユーザのデバイスを回収する前に、ユーザが最近iCloudバックアップを完了したことを確認します。MDMで、最新のiCloudバックアップの日付を照会し、最近バックアップされていないデバイスを特定することができます。
アクティベーションロック: 教師は、次の学年で同じユーザに戻されないすべてのデバイスで、ユーザが有効にしたアクティベーションロックが無効になっていることを確認します。MDMではリモートからアクティベーションロックを解除できますが、教師による回収プロセスの一環として確実に無効にする方が簡単です。Apple School Managerに登録されているデバイスでは、MDMでMDMアクティベーションロック機能を使用して復旧キーを回収できます。これにより、デバイスの保管中にMDMアクティベーションロックを使ってデバイスを保護することができます。
デバイスの消去: 次の学年への進級がないユーザは、デバイスの回収前に自分のデバイスを消去し、アクティベーションロックを無効にする必要があります。進級して同じデバイスを使用する予定のユーザは、デバイスを消去しません。消去するとユーザのデータをiCloudバックアップから復元する必要があり、時間がかかることがあるためです。
注記: ユーザが同じデバイスに戻る予定で、デバイスを消去しない場合は、夏休み中にユーザがパスコードを忘れてしまった場合に備え、MDMに有効なパスコードロックの復旧キーがあることを確認してください。
アクセサリ: 教師は、デバイスと一緒にすべてのアクセサリ(カバー、ケース、キーボード、Apple Pencilなど)を回収し、正常に機能することを確認します。
検査: 教師は、iPadに角の破損やひび割れがないことを点検し、反ったり曲がったりしていないことを確認します。デバイスがオンになることを確認します。
画面: 教師は、タッチスクリーンとホームボタンが正常に機能することを確認し、適切な布でiPadを清掃します。詳しくは、Appleのサポート記事「Apple製品のお手入れ方法」を参照してください。
オーディオ: 教師は、ヘッドフォンジャックが塞がっていないことを確認し、音量コントロールとオーディオが機能することを確認します。
バッテリー: 教師は、各デバイスの電源をオフにして保管する前に、充電レベルが40~70%であることを確認します。
カート: 機器をカートに保管する場合は、教師は、各カートとすべての機器を棚卸しし、損傷がないか点検し、すべての機器、コード、リモコンの在庫があるかどうか判断します。カートの充電ポートがすべて作動することを確認します。
ラベル: 教師は、適切な教師や教室に戻すためにカートにラベルを貼ります。教室機器の回収日を決定します。
場所:教師は、機器を保管するための安全な場所を決定します。
保管
デバイスを長期間保管する場合、バッテリーの全般的な状態に影響する要素が2つあります。環境温度と、保管のためにデバイスの電源を切った時点でのバッテリー残量です。バッテリー寿命を最大限に延ばすデバイスの保管方法については、「バッテリーの駆動時間と耐用年数を最大限に延ばす」を参照してください。教師または教師が指名した人に以下のタスクを実行してもらいます:
カートをコンセントから取り外します。
各iPadがオフになっていることを確認します。
すべてのiPadデバイスをカートに配置します。カートを電源に接続し直さないでください。
すべてのカートをロックし、年度末休暇中の保管用にロックを新しい組み合わせにリセットします。
ロックコードを書面にし、すべての資料を保管します。
カートを安全な場所、できれば窓のない場所に置きます。
破損したり壊れたりしたiPadデバイスの処置を決定します。修理費用はどこから出しますか?修理の責任担当者はだれにしますか?AppleCareとやりとりする担当者はだれですか?
App戦略とオペレーティングシステムのアップデート
将来のApp戦略やオペレーティングシステムのアップデートを管理するときは、他のチームメンバーに相談してください。例を示します:
カリキュラムチームと協力して、現在のAppのマスターリストを作成し、すべてのAppが必要かどうかを判断します。
現在のソフトウェアライセンスについて話し合い、更新すべきかどうか、または他の指導用Appを代わりに使用できるかどうかを判断します。
指導目標を決定し、目標と指導Appを揃えます。
次年度のAppの提案について教師にアンケートを実施します。(フィードバックを記録するためにiCloud上のNumbersスプレッドシートを使用することを検討してください。)
次年度にiPadデバイスにインストールするAppの最終的なリストを決定します。
すべてのデバイスについて、再導入時にデバイスをアップデートしなくてもすむように、オペレーティングシステムとすべてのAppが最新バージョンにアップデートされていることを回収前に確認します。MDMで、各デバイスにオペレーティングシステムのバージョンを照会し、アップデートの必要なデバイスを特定することができます。それらのデバイスをワイヤレスでアップデートできる場合もあります。1つの場所で多数のデバイスをアップデートするときは、テザーキャッシュの方がソリューションとして適切な可能性があります。詳しくは、「Appleプラットフォーム導入」の「コンテンツキャッシュを計画する/設定する」を参照してください。
スクールワーク
学校が作品を割り当て、生徒の進捗状況を確認するために「スクールワーク」Appを導入している場合は、教師と協力して以下の手順を完了し、生徒が保存しておきたい作品に引き続きアクセスできるようにします。
生徒は自分の作品のコピーを保存することができます: 生徒は1年を通じて貴重な作品を作成し、それを「スクールワーク」で教師と共有します。教師がiCloud Driveのファイルを削除すると、生徒はもうアクセスできなくなります。生徒は、提出した作品を含めて、保存しておきたいすべてのファイルのコピーを作成することができます。また、iCloud Driveの「スクールワーク」フォルダ内にあるクラスフォルダ全体のコピーを保存することもできます。生徒は、「ファイル」の「共有」オプションを使って、保存しておきたいファイルやフォルダを複製することができます。
教師は、クラスが削除される前に、配布物を下書きとして保存することができます: 教師は、来年度もまた使用したいスクールワーク配布物を複製して下書きとして保存しておくことで、配布物を保持できます。前の授業が削除された場合でも、新しいクラス用に下書きから配布物を再利用することができます。
Apple School Managerでクラスを保持します: Apple School Managerでクラスを削除すると、そのクラスと関連する配布物も、生徒と教師の「スクールワーク」で削除されることに注意してください。教師と協力して、教師がまだアクセスする必要のあるクラスをApple School Managerから削除しないようにします。こうすれば配布物を保持して、来年度もまた使用できます。iCloud Drive内の関連するクラスフォルダとファイルは、クラスが削除された場合でも、生徒と教師には影響しません。
モバイルデバイス管理(MDM)のメンテナンス
年度末休暇中と次年度のMDMメンテナンスおよび導入のDRIはだれになるか決定します。
MDMの証明書とトークンの有効期限を確認します。
オペレーティングシステムのアップデートを展開する時期を決定します。iPadデバイスは、MDMコマンドを使用してリモートでアップデートできます。
各iPadを最新のオペレーティング・システム・バージョンにアップデートします。
利用可能なAppアップデートをすべてインストールします。
構成プロファイルを確認し、改訂します。
必要な制限および削除すべき制限について、教師からフィードバックを集めます。
在庫を確認し、登録されているすべてのデバイスが監視対象であることを確認します。