ネットワークインフラストラクチャを計画する
Wi-Fiの最適化
学校のWi-Fiネットワークの多くは、当初から特定の教室が通信範囲内に入るように導入されていますが、学校全体で生徒全員がデバイスを同時に使用する状況は想定されていません。どのように導入する場合でも、すべての生徒と教師が授業前、授業中、授業後にAppleデバイスを使用する可能性があることを想定してください。そのため、任意の区域内の多数のデバイスに対応できるようにインフラストラクチャを計画します。
賢いWi-Fi設計は、ネットワークの使われ方の評価から始まります。まずは、教師、管理者、技術職員への聞き取りを行ってユーザのニーズを見極めます。このプロセスでは無線環境調査が重要です。実際に導入するクライアントデバイスを念頭に置いてネットワークを設計することもおすすめします。最終的に導入したあと無線環境調査の検証を行い、適切な通信範囲、容量、および帯域幅が確保できていることを確認してください。
ネットワークの命名
ネットワークの構成時には、ネットワークの命名方法についても検討する必要があります。組織によっては、契約社員用のネットワークやゲストネットワークといった用途別に、複数のサービスセット識別子(SSID)を作成することをお勧めします。SSIDによってネットワークの管理トラフィックが増加するため、必要以上に作成しないように注意してください。そうすれば、データ通信に十分なエアタイムを確保できます。推奨されているSSIDの数の目安は3つ以下です。
通信範囲
通信範囲に基づくネットワーク設計の目標は、共用スペース、体育館、食堂も含め、Wi-Fi信号を必要なすべての区域に確実に到達させることです。全体がWi-Fiの通信範囲になれば、共同作業を持続でき、教室の壁が広がります。
容量
Wi-Fiの通信範囲は重要ですが、ネットワークがデバイスの十分な密度をサポートすることも非常に重要です。環境内の同時ユーザ数に対応できるように、多数のアクセスポイント(AP)を用意してください。容量に基づく設計モデルでは、教室ごとに1つのアクセスポイントを用意できます。各アクセスポイントの出力を小さくすることで、1つのアクセスポイントのWi-Fi信号が複数の教室にまたがることを防止できます。
帯域幅
教育コンテンツや教室でのワークフローへのアクセスをサポートするには、十分なインターネット帯域幅が不可欠です。最初に、入念に計画してデバイスのテストグループを導入し、監視下に置くことを検討してください。これによって、完全な導入の要件に関する基本データが得られます。
組織での帯域幅の要件について詳しくは、ご利用のインターネット・サービス・プロバイダにお問い合わせください。
詳しくは、「Appleプラットフォーム導入」の「Wi-Fiネットワークの使用の最適化」を参照してください。
証明書と802.1X
組織のネットワークと通信をセキュリティ保護するために、デジタル証明書が使用される場合があります。802.1Xをサポートするには、ネットワークで使用中のAppleデバイスが対応している1つ以上の認証プロトコルに対応できるようにRADIUSサーバを構成してください。
802.1Xについて詳しくは、「Appleプラットフォーム導入」の「Appleデバイスを802.1Xネットワークに接続する」を参照してください。
AppleデバイスでAppleプッシュ通知サービス(APNs)を利用する方法
MDMソリューションは、Appleプッシュ通知サービス(APNs)により、公共ネットワークとプライベートネットワークの両方でAppleデバイスとの継続的な通信を維持します。Appleデバイスでは、APNsを使用してアップデート、MDMポリシー、受信メッセージを確認します。MDMソリューションには、デバイスと通信するためのAPNS証明書、安全に通信するためのSSL証明書、および構成プロファイルに署名するための証明書などの複数の証明書が必要です。
詳しくは、「Appleプラットフォーム導入」の「APNを利用できるようにデバイスを構成する」と、Appleのサポート記事「Appleプッシュ通知(APNs)を使用できない場合」および「エンタープライズネットワークでApple製品を使う」を参照してください。