Lion Server v10.7.3 アップデートについて
このソフトウェアは、Lion Server v10.7、v10.7.1、v10.7.2 をバージョン 10.7.3 にアップデートします。Lion Server をお使いの場合は、このアップデートを適用することをお勧めします。
インストール前にお読みください
インストール処理を中断しないでください。停電などの理由でインストールが中断された場合は、サポートダウンロードページから単体インストーラ (下記参照) をダウンロードし、アップデートをインストールしてください。
インストール
Lion Server v10.7.3 へのアップデート方法として、以下の 3 通りの方法があります。
ソフトウェア・アップデートの利用
単体インストーラからインストールする
「サーバ管理」または「softwareupdate」コマンドラインユーティリティからリモートサーバにインストールする
ソフトウェア・アップデートでのインストール
Apple () メニューから「ソフトウェア・アップデート」を選択します。ほかのアップデートの前提条件となっているアップデートもあるため、場合によっては「ソフトウェア・アップデート」を何度か使用しないと、用意されているすべてのアップデートを入手できないことがあります。ソフトウェア・アップデートで「お使いのソフトウェアは最新です」というメッセージが表示された場合は、入手可能なアップデートがすべてインストール済みです。
単体インストーラ
アップデートをダウンロードし、手動でインストールする場合は、Apple サポートダウンロードからインストーラを入手できます。複数のコンピュータをアップデートする必要があるときに、アップデートのダウンロードを 1 回で済ませたい場合は、この方法が便利です。手動でダウンロードした Apple のソフトウェア・アップデートの信頼性の検証方法については、こちらの記事を参照してください。
リモートインストール
リモートサーバにアップデートをインストールする必要がある場合は、「サーバ管理」アプリケーション、または下記のコマンドラインツールを使うことができます。
アップデートの内容
Lion Server v10.7.3 アップデートでは、Server App のインターフェイスの機能がいくつか強化されています。
「ファイル共有」パネル
AFP または SMB 経由で接続しているユーザの数が表示され、新しい「接続中のユーザ」タブに接続の詳細が表示されます。AFP 接続と SMB 接続についてはクライアント IP アドレスと接続タイプ、AFP 接続についてはユーザ名と待機時間が表示されます。
新しい「接続中のユーザ」タブには、AFP 経由で接続している特定のユーザを接続解除できる機能があり、その際にメッセージを送るオプションもあります。また、接続解除せずに AFP 接続のユーザにメッセージを送る機能もあります。
AFP 経由でサーバに接続しているユーザに表示するログインメッセージの作成オプションが追加されています。
「VPN」パネル
PPTP で VPN を有効にし、クライアントに配布する PPTP 構成プロファイルを保存するオプションがあります。PPTP が有効になると、PPTP クライアントは L2TP クライアントと同じアドレス範囲を共有します。PPTP VPN の設定について詳しくは、こちらの記事を参照してください。
VPN クライアントに提供する DNS サーバアドレスと検索ドメイン名を設定できます。
「Web」パネル
新しい構成オプションがいくつか追加されています。以下のような機能があります。
サイトのドメイン名を作成後に編集する
サイトごとに異なる SSL 証明書を選択する
複数のドメイン名を 1 つのサイトにマップする
リダイレクトとエイリアスを構成する
カスタムのインデックスファイルを指定する
「すべての無効化を許可」チェックボックスを選択して .htaccess ファイルを使用する
その他の Server App の改善機能
servermgrd プロセスの信頼性が向上し、Server App または「サーバ管理」からサーバへの接続を妨げる問題が解決されています。
サーバのホスト名変更に対して、Web、Wiki、プロファイルマネージャ、プッシュ通知、SMB のサービスの反応が向上しています。
ログの検索とフィルタリングの機能が向上しています。
メールサービスで IMAP/POP と SMTP で異なる証明書を使えるよう、サポートが強化されています。
ほかの Lion Server コンポーネントについても、このアップデートにより以下の内容が改善されます。
ファイルサービス
Windows ユーザが Lion Server の SMB 共有上のファイルにアクセスし、以下の作業を行う際に問題が起きていましたが、これらの問題が解決されました。
特定の拡張属性付きのファイルをコピーする
Windows 7 でファイルを保存する
Microsoft Office 2003 でファイルを開く
Windows Vista で新規フォルダを作成する
iCal サービス
ユーザの自動承認を管理者が有効にできるようになりました。詳しくは、こちらの記事を参照してください。
メールサービス
新しい Web メールアカウントのデフォルトアドレスは、user@server.domain.com ではなく user@domain.com の形式になります。
Web メールユーザ用のデフォルトのフォルダ (「送信済みアイテム」「下書き」「迷惑メール」「ごみ箱」) を確実に作成できます。詳しくは、こちらの記事を参照してください。
Open Directory
ディレクトリユーティリティで Open Directory サーバへの認証済みバインドが強化されました (OS X Lion v10.7.3 アップデート (クライアント) にも含まれています)。
Open Directory の複製の設定について信頼性が向上しています。
Podcast サービス
Podcast Publisher で、Active Directory にバインドされた Lion Server に Podcast を公開できるようになりました。注:引き続きローカルまたは Open Directory のアカウントを使ってサーバに接続する必要があります。
プロファイルマネージャ
100 台以上のデバイスを登録するときの Web 管理者のインターフェイスの反応が向上しています。
Mac OS X 802.1X のペイロードの作成機能が向上しています。
iOS メールと Exchange のペイロードの新しい設定が 2 つ追加されています。アカウントからメッセージが移動されないように防ぐ機能と、メール以外の App がアカウントを使用しないように防ぐ機能です。
Mac OS X モバイル環境のペイロードに、ユーザが外部ホームフォルダを作成できるオプションが追加されています。
iOS App の読み込み機能が向上しています。
ペイロードで %email% 変数を使うときに起きる問題が解決されています。
手動ダウンロードのプロファイルを作成するときに、CardDAV または CalDAV ペイロードにユーザ名が必要なくなりました。
Mac OS X Dock の画面の拡大表示についてペイロードで設定できるようになりました。
Web パスワードのリセット
Internet Explorer 9 に対応しました。
Wiki サービス
iOS 5 以降を搭載した iPad から編集できるようになりました。
Wiki アクセス権リストに Active Directory グループを追加できるようになりました。
管理者指定のカスタムタグ、プロトコル、インラインスタイルのホワイトリストに対応しています。ホワイトリストは手動で作成でき、「/etc/collabd/filter_whitelist.plist」として保存できます。
サーバが分単位の時間帯 (UCT との時間差が 30 分または 45 分の時間帯) に設定されているときに、Wiki のログインができない問題が解決されています。
Lion Server v10.7.2 で、ゲストが Wiki カレンダーにアクセスできない問題が解決されています。
Xsan
(これらの修正は OS X Lion v10.7.3 アップデートにも含まれています。)
StorNext FS バージョン 4.2 のコントローラでホストされているファイルシステム上で、ファイル名の大文字と小文字を変えただけでデータが紛失してしまう問題が解決されています。
Xsan ボリュームの信頼性と安定性が向上しています。
Final Cut Pro などのアプリケーションで、キャッシュされていないデータへのアクセスの信頼性が向上しています。
サーバ管理
(これらの修正は Lion Server v10.7.3 アップデートに含まれています。サーバ管理ツール v10.7.3 アップデートでは、さらにさまざまな修正がなされています。)
1 つ以上の DNS ゾーンで「ゾーン転送を許可」を有効にできるようになります。
2 番目の逆引き DNS ゾーンを作成できるようになります。
「postfix main.cf」ファイルで、smtpd_helo_restrictions 設定への変更内容がオーバーライドされることがなくなります。
関連情報
その他の改善内容については、以下の記事を参照してください。
Lion Server v10.7.3 は、Lion Server v10.7.2 および OS X Lion v10.7.3 (クライアント) のアップデートで改善された内容をすべて網羅しています。
Lion Server v10.7.3 のセキュリティコンテンツについては、こちらの記事を参照してください。
Apple が製造していない製品に関する情報や、Apple が管理または検証していない個々の Web サイトについては、推奨や承認なしで提供されています。Apple は他社の Web サイトや製品の選択、性能、使用に関しては一切責任を負いません。Apple は他社の Web サイトの正確性や信頼性についてはいかなる表明もいたしません。詳しくは各メーカーや開発元にお問い合わせください。