
AppleデバイスでのWi-Fiプライバシー
Appleデバイスは、デバイスがプライベートなWi-Fi接続を維持できるようにするための機能を備えています。
プライベートWi-Fiアドレス
iOS 14以降、iPadOS 14以降、macOS 14以降、watchOS 7以降、またはvisionOS 1.0以降を搭載したデバイスでは、Wi-Fiネットワークへの接続時に、デバイスは一意のランダムなWi-Fi(MAC)アドレスを使用して自身の識別情報を示すことができます。これは、デバイスのトラッキングを抑制し、ユーザプライバシーを強化するために役立ちます。
注記: モバイルデバイス管理(MDM)ソリューションを使用して、この機能をオフにすることもできます(visionOS 1.1以降が必要)。この機能をオフにすると、ネットワークのプライバシー保護機能が低下した状態であることを示すプライバシー警告が「設定」に表示されます。
iOS 18以降、iPadOS 18以降、macOS 15以降、watchOS 11以降、またはvisionOS 2.0以降を搭載したデバイスでは、プライベートWi-Fiアドレス機能がアップデートされ、以下の3つの動作モードに対応するようになりました(ネットワークごとに選択可能):
オフ: デバイスのハードウェアWi-Fiアドレスを使用し、ネットワークと近くのWi-Fiデバイスからのトラッキングを許可します。
固定: プライベートアドレスを固定にすると、ネットワーク上で一意のWi-Fiアドレスを使用することによって、ネットワーク間でのトラッキングを削減できます。WPA2パーソナル、WPA2エンタープライズ、WPA3パーソナル、WPA3エンタープライズ、WPA3エンタープライズ192ビットセキュリティ、R3 WPA3パーソナルなど、安全なネットワーク接続の場合にデフォルトとして使用されます。
ローテーション: プライベートアドレスをローテーションすると、このデバイスのWi-Fiアドレスをネットワーク上で定期的に変更することによって、トラッキングを削減できます。WPA、OWE、WEP、キャプティブポータル、公開ネットワークなど、比較的弱い認証/暗号化方式を使用する接続の場合にデフォルトとして使用されます。
詳しくは、Appleサポートの記事「Apple製デバイスでプライベートWi-Fiアドレスを使う」を参照してください。
非公開ネットワーク
Wi-Fiネットワークはサービスセット識別名(SSID)と呼ばれるネットワーク名で識別されます。一部のWi-FiネットワークはSSIDを公開しないように構成されます。この場合、ワイヤレスアクセスポイントはネットワークの名前をブロードキャストしません。これらは非公開ネットワークと呼ばれます。Appleデバイスは、ネットワークが非公開になっている場合に自動で検出します。ネットワークが非公開の場合、デバイスはこの要求時にSSIDを含めたプローブを送信します。ネットワークが非公開でなければ送信しません。これによって、以前にユーザが接続していた非公開ネットワークの名前をデバイスがブロードキャストすることが防止されるため、より一層プライバシーが保護されます。
インターネット共有とピアツーピア接続のプライバシー
Appleは、AirDropおよびAirPlay用のピアツーピアWi-Fi接続のために、ランダム化されたMACアドレスを生成します。ランダム化されたアドレスは、iOSおよびiPadOS(SIMカード搭載)でのインターネット共有と、macOSでのインターネット共有でも使用されます。これらのネットワークインターフェイスが起動するたびに新しいランダムなアドレスが生成され、必要に応じてインターフェイスごとに一意のアドレスが個別に生成されます。
タイミング同期機能のオフセットのランダム化
ユーザプライバシーを強化してデバイスのフィンガープリント収集を抑制するために、すべてのピアツーピアモードとアクセスポイントモードで、Appleデバイスは初期のタイミング同期機能(TSF)オフセットをランダム化します。この56ビットのランダムオフセットにより、攻撃者がMACアドレスのランダム化を無効にするためにTSF値を使用できなくなります。インターフェイスのTSFオフセットは、インターフェイスのMACアドレスが変更されるたびにランダム化されます。TSFオフセットのランダム化に対応する機能は、iOS 15以降、iPadOS 15以降、macOS 12.0.1以降、tvOS 15以降、またはvisionOS 1.0以降を搭載した以下のデバイスで追加されています:
iPhone 8以降のすべてのiPhoneモデル
iPhone SE(第2世代)以降のすべてのiPhone SEモデル
iPad Air(第3世代)以降のすべてのiPadモデル
Late 2020以降のすべてのMacコンピュータ
Apple TV 4K(第1世代)以降のすべてのApple TVモデル
Apple Vision Pro
すべてのHomePodモデル