アクセス鍵のタイプ
Appleウォレットのアクセスには、宿泊施設、社員証、学生証、家の鍵、車の鍵など、さまざまなタイプがあります。
宿泊施設
Appleウォレット内のホテルルームの鍵では、チェックインからチェックアウトまで簡単に非接触で行うことができ、従来のプラスチック製のホテルキーカードを上回るプライバシーおよびセキュリティ上の利点をゲストに提供できます。対応しているホテルのゲストは、互換性のあるiPhoneおよびApple Watch Series 4以降のAppleウォレット内にある部屋の鍵を使って、タップしてドアを解錠できます。
Appleウォレットの機能は、お客様の手間を減らすように特別に設計されています:
ホテルのアプリから到着前にプロビジョニングする。滞在前にパスをAppleウォレットに追加する
チェックインパスのタイル。Appleウォレットからチェックインと部屋割りを開始する
プロビジョニング後の鍵アップデート。現在の滞在を延長または修正する
Appleウォレット内の1つのパスで、複数のルーム鍵に対応
Appleウォレット内で期限切れの鍵を自動アーカイブ
Disney MagicMobile Pass
ユーザはiPhoneまたはApple WatchのAppleウォレットにDisney MagicMobile Passを追加して、加入しているディズニーテーマパークに入園することができます。MagicMobile Passはパークへの入園に使用でき、パーク内の対応するその他の読み取り機でも使用できます。
Disney MagicMobile Passを追加するには、iCloudアカウントで2ファクタ認証が有効になっていることに加えて、ユーザが有効なMy Disney Experienceアカウントに関連付けられた加入しているテーマパークのチケットまたは予約を持っている必要があります。ユーザは、iPhoneのMy Disney Experienceアプリから、1つまたは複数のパスを選択してAppleウォレットに追加することができます。Apple Watchがペアリングしてあれば、選択したパスがユーザのiPhoneとペアリングされたApple Watchの両方に自動的にプロビジョニングされます。iPhoneおよびApple Watchデバイスの両方に追加されたパスには、エクスプレスモードがデフォルトでオンになります。簡単に使用できるように、エクスプレスモードがオンになっている場合は、現時点でデバイス上のすべてのMagicMobileパスでオンになります。
1台のデバイスに複数のパスを追加して、ユーザが自分のグループのすべてのメンバーのパスを管理できるようにすることができます。また、ユーザは、My Disney Experienceアプリを使用してほかのユーザとパスを共有することも選択できます。この方法で、受信者が共有パスを自分のデバイスのAppleウォレットに追加することができます。
社員証
対応するパートナーの社員証をiPhoneおよびApple WatchのAppleウォレットに追加することで、世界中の従業員が職場に非接触で入ることができます。社員証を追加するには、雇用主から提供されたアプリにサインインするのに使用するアカウントで、従業員が多要素認証を有効にする必要があります。
社員証では、Appleのアクセス機能を利用して次のことができます:
パートナーのアプリをインストールする必要がないプッシュプロビジョニングによって、ペアリングされたApple Watchに社員証を自動的に追加する
エクスプレスモードを利用してシームレスにオフィス設備にアクセスする
iPhoneのバッテリーが切れたあとでも職場にアクセスする
学生証
iOS 12以降では、対応している学校の学生や教職員が、対応するiPhoneおよびApple WatchのAppleウォレットに学生証を追加して、カードに対応した施設への出入りや支払いに利用できます。
ユーザは、学生証の発行会社または学校が提供するアプリを使用してAppleウォレットにカードを追加します。その際に行われる技術的なプロセスは、カード発行会社のアプリからクレジットカードまたはデビットカードを追加するで説明している内容と同じです。また、発行に使用するアプリは、学生証情報へのアクセスを保護するアカウントで2ファクタ認証をサポートする必要があります。1枚のカードは、ユーザのiPhoneとペアリングされたApple Watchで同時に設定できます。
集合住宅
対応するパートナー施設のテナントとスタッフは、Appleウォレットのホームキーを使って建物、ユニット、共用部分にアクセスできます。ホームキーはパートナーが提供するアプリからプロビジョニングできます。手間のかからないプロビジョニングに対応したパートナーでは、建物の管理者がテナントの希望に合わせた連絡方法(メールやSMSなど)でプロビジョニング開始用のリンクをテナントに送信し、リンクをクリックすればキーを使えるようにできます。App Clipでも安全でシームレスな体験が提供されます。パートナーのアプリをインストールせずにキーをプロビジョニングできます。詳しくは、Appleサポートの記事「iPhoneでApp Clipを使用する」を参照してください。
集合住宅のホームキーはエクスプレスモードで使用することもでき、友達や家族と安全に共有することができます。詳しくは、キーの共有を参照してください。
ホームキー
Appleウォレットのホームキーを使用すると、iPhoneまたはApple Watchをタップするだけで、対応しているNFCドアロックを解錠できます。ホームキーの設定と使用について詳しくは、Appleサポートの記事「iPhoneのホームキーでドアを解錠する」を参照してください。
1人がホームキーを設定すると、その世帯の居住者全員も自動的にホームキーを受け取ります。ホームキーをさらに共有したり、共有ホームのメンバーを削除したりする場合は、ホームの所有者がホームアプリを使って参加依頼とメンバーを管理できます。ホームキーのあるホームへの参加依頼をユーザが承諾すると、そのユーザのデバイスのAppleウォレットにホームキーのプロビジョニングが開始されます。ユーザがホームへの参加をやめるか、ホームの所有者がアクセスを取り消すと、Appleウォレットからもホームキーが削除されます。
車のキー
Appleウォレットにデジタルに車のキーを保存する機能は、対応したiPhoneデバイスおよびペアリングされたApple Watchデバイスでネイティブに利用できます。車のキーは(Appleが自動車メーカーの代理として作成した)Appleウォレット内のパスとして表現され、Apple Payカードのライフサイクル全体(iCloud紛失モード、リモートワイプ、ローカルパス削除、すべてのコンテンツと設定を消去)に対応しています。標準的なApple Payカードと同様、共有の車のキーは、所有者のiPhone、Apple Watch、車両のヒューマンマシンインターフェイス(HMI)から削除できます。
車のキーは例えば、車両をロック解除/ロックする、トランクを開閉する、アラームをオン/オフする、エンジンをかける、車両をドライブモードに設定するといったことに使えます。「標準トランザクション」は相互認証を提供し、エンジン始動には必須です。解錠/施錠のトランザクションでは、パフォーマンス上の理由で必要な場合は「高速トランザクション」を使用する場合があります。
キーの作成は、所有している対応する車両にiPhoneを接続(またはペアリング)することで行います。すべてのキーはSecure Element内で楕円曲線(NIST P-256)オンボード鍵生成(ECC-OBKG)に基づいて作成され、秘密鍵がSecure Elementを離れることはありません。デバイスと車両の間の通信にはNFCまたはBluetooth® LEと超広帯域無線(UWB)の組み合わせが使用されます。キーの管理にはAppleから自動車製造元サーバへのAPIと相互認証済みTLSが使用されます。キーがiPhoneとペアリングされると、そのiPhoneとペアリングされたApple Watchでもキーを受け取ることができます。車両またはデバイスのいずれかでキーが削除されると、キーは復元できなくなります。紛失したデバイスや盗まれたデバイスのキーは一時停止してから再開できますが、新しいデバイスに再度プロビジョニングするには、新しくペアリングしたり共有したりする必要があります。
車のキーはエクスプレスモードで使用することもでき、友達や家族と安全に共有することができます。詳しくは、キーの共有を参照してください。車のデジタルキーのセキュリティとプライバシーについて詳しくは、iOSでの車のキーのセキュリティを参照してください。
スクーターのキー
iOS 17以降、および特定の国または地域と対応するパートナーでは、ユーザは以下の目的のために、スクーターのキーをパートナーアプリから対応するiPhoneとペアリングされたApple WatchのAppleウォレットに直接プロビジョニングすることができます:
タップしてスクーターをロックする/ロック解除する
タップしてスクーターのトランクをロックする/ロック解除する(使用可能な場合)
Secure Elementの専用アプレットは、スクーターのキーに関連付けられた暗号化資格情報を安全に処理し、スクーターとの安全なトランザクションを許可します。
パスの裏側では、ユーザは、車両識別番号(VIN)の最後の4桁とその免許証やナンバープレートなど、スクーターに関するその他の情報にアクセスできます。そのような情報は個人情報と見なされる場合があり、生体認証やデバイスパスコードを使用する場合のみアクセスできます。
スクーターのキーはエクスプレスモードで使用することもでき、友達や家族と安全に共有することができます。詳しくは、キーの共有を参照してください。