スクリーンタイムのセキュリティ
スクリーンタイムは、大人や子供がアプリやWebサイトなどにどれだけ時間を使っているかを確認して管理するために組み込まれている機能です。大人と(管理対象の)子供という2種類のユーザがいます。
スクリーンタイムはシステムセキュリティの新機能というわけではありませんが、デバイス間で収集および共有されているデータのプライバシーとセキュリティをスクリーンタイムが保護する仕組みを理解しておくことは重要です。スクリーンタイムはiOS 12以降、iPadOS 13.1以降、macOS 10.15以降で利用でき、watchOS 6以降の一部の機能でも利用できます。
以下は、スクリーンタイムの主な機能を示した表です。
機能 | 対応オペレーティングシステム |
---|---|
使用状況を表示する | iOS iPadOS macOS |
その他の制限を適用する | iOS iPadOS macOS watchOS |
Webの使用制限を設定する | iOS iPadOS macOS |
アプリの制限を設定する | iOS iPadOS macOS watchOS |
休止時間を設定する | iOS iPadOS macOS watchOS |
自身のデバイスの使用状況を管理する場合は、同じiCloudアカウントを使用するデバイス間でCloudKitのエンドツーエンドの暗号化を使用して、スクリーンタイムのコントロールと使用状況データを同期できます。そのためには、ユーザのアカウントで2ファクタ認証を有効にする必要があります(同期はデフォルトではオンです)。スクリーンタイムは、以前のバージョンのiOSとiPadOSにあった「機能制限」機能、および以前のバージョンのmacOSにあったペアレンタルコントロール機能に代わる機能です。
iOS 13以降、iPadOS 13.1以降、およびmacOS 10.15以降では、スクリーンタイムのユーザと管理対象の子供のiCloudアカウントで2ファクタ認証が有効になっている場合、各自のデバイス使用状況がデバイス間で自動的に共有されます。ユーザがSafariの履歴を消去したりアプリを削除したりすると、該当する使用状況データが、そのデバイスおよび同期するすべてのデバイスから削除されます。
保護者とスクリーンタイム
保護者はiOS、iPadOS、およびmacOSデバイスでスクリーンタイムを使用して、子供のデバイス使用状況を把握して管理することもできます。保護者がiCloudファミリー共有の管理者である場合は、子供の使用状況データを表示し、スクリーンタイム設定を管理することができます。保護者がスクリーンタイムをオンにすると、子供に通知され、子供も自身の使用状況を監視できるようになります。保護者は、子供のスクリーンタイムをオンにするときに、子供が設定を変更できないようにパスコードを設定することができます。子供は成年(年齢は国や地域によって異なります)に達するとこの監視をオフにできます。
保護者のデバイスと子供のデバイス間では、使用状況データと設定が、Apple Identity Service(IDS)プロトコルによるエンドツーエンドの暗号化を介して転送されます。暗号化されたデータは、受信側のデバイスで読み込まれるまでIDSサーバに一時保存される場合があります(iPhoneまたはiPadがオフであった場合はオンになるまでの間など)。このデータをAppleが読み取ることはできません。
スクリーンタイムの解析
ユーザが「iPhoneとWatch解析を共有」をオンにした場合は、Appleがスクリーンタイム機能の使用状況をより適切に理解できるように、次の匿名データのみが収集されます。
スクリーンタイムをどこでオンにしたか(設定アシスタント、または初期設定後の「設定」)
制限を設けたあとのカテゴリの使用状況の変化(90日以内)
スクリーンタイムがオンかどうか
休止時間が有効かどうか
「時間延長の許可を求める」リクエストの使用回数
アプリ制限数
スクリーンタイム設定でユーザが使用状況を閲覧した回数(ユーザの種類および閲覧の種類(ローカル、リモート、ウィジェット)ごと)
ユーザが制限を無視した回数(ユーザの種類ごと)
ユーザが制限を削除した回数(ユーザの種類ごと)
アプリやWebの具体的な使用状況データがAppleによって収集されることはありません。スクリーンタイムの使用状況画面に表示されるアプリリストのアイコンは、App Storeから直接取得されます。取得時の要求に関するデータも一切保持されません。