
Compressorで360°ビデオのプロパティを表示する/変更する
360°ビデオ(全方位ビデオと呼ばれることもあります)は、レンズをあらゆる方向に向けてパノラマ球のビデオを作成する特殊なカメラで取り込まれた映像です。
Compressorは、360°ビデオを適切なフォーマット(モノスコピックまたはステレオスコピック表示を含む)で表示するためにVRヘッドセットやその他の表示装置で使用される360°ビデオメタデータを追加または変更し、完成したビデオを配布用のメディアファイルとして書き出すことができる仕上げ用ツールです。
注記: Compressorは360°ビデオ用の編集ツールではありません。個別のカメラ表示を「縫い合わせる」には、360°カメラメーカーのソフトウェアを使用する必要があります。シーケンスを組み立てるには、Final Cut Proなどの360°ビデオ対応アプリケーションを使用する必要があります。Mac用Final Cut Proの360°ビデオの概要を参照してください。

Compressorで360°ビデオのプロパティを調整できる場所は以下の2つです:
「ジョブ」インスペクタ: 360°ビデオソースファイルを読み込むと、ファイル内に存在するすべての360°メタデータが自動的に検出され、その情報が「ジョブ」インスペクタに表示されます。ソースビデオに360°メタデータがないか、メタデータが不正な場合は、「ジョブ」インスペクタでメタデータを追加できます。
「ビデオ」インスペクタ: 360°ビデオのジョブにプリセットを適用すると、それに応じてトランスコードされたファイルの360°プロパティが構成されます。必要に応じて、「ビデオ」インスペクタでこれらのプロパティを変更できます。
ソースメディアの360°プロパティを調整する
360°ビデオソースファイルを読み込むと、関連する360°プロパティの自動的な判別が試みられます。これらのプロパティは、「ジョブ」インスペクタで設定または上書きできます。
Compressorのバッチ領域で360°ビデオジョブを選択します。
「ジョブ」インスペクタの「プロジェクションのプロパティ」領域で、「プロジェクション」が「360°」に設定されていることを確認します。
必要に応じて、以下の360°プロパティを追加または変更します:
ソースソフトウェア: ソースファイルへのメタデータの追加に使用されたソフトウェアツールが識別されます。ソースファイルにメタデータがなく、Compressorを使ってメタデータを追加した場合は、このフィールドに「Apple CompressorKit」と表示されます。
方向: ソースビデオの視野原点の座標(VRヘッドセットで視聴者が頭を動かす前に見る初期角度)、つまりチルト(X)、パン(Y)、ロール(Z)が度単位で表示されます。初期方向を変更するには、新しい座標を入力します。
プロジェクションモード: 360°ビデオを保存するために使用する空間マッピングの種類を設定します。次の2つのオプションがあります:
エクイレクタングラー: 360°ビデオで最も一般的な空間マッピングの形式であるエクイレクタングラープロジェクションでは、球体の地球の表面を平面の世界地図で表すときのように、球面のデータを圧縮したり歪めたりします。
立方体: あまり一般的ではない空間マッピングの形式である立方体プロジェクションでは、全方位のデータを折り畳まれていない6面の立方体として表します。
ピクセル範囲: 「プロジェクションモード」を「エクイレクタングラー」に設定するとこのプロパティを使用でき、必要に応じてエクイレクタングラーフレームの境界を変更できます。イメージの左端と上端から一定のピクセル数をクロップするには、「左」フィールドと「上」フィールドに値を入力します。エクイレクタングラーフレームのサイズを変更するには、「幅」フィールドと「高さ」フィールドに新しい値を入力します。
レイアウト、パディング: 「プロジェクションモード」を「立方体」に設定するとこれらのフィールドが使用可能になり、折り畳まれていない立方体の6面を調整できるようになります。「レイアウト」フィールドの整数値によって、折り畳まれていない立方体の6面の順番が決まります(デフォルト値0では、「全方位ビデオV2」メタデータ規格で使用されている面の順番(右、左、上、下、前、後)が使用されます)。「パディング」フィールドの値によって、立方体の各面の辺の境界の幅(ピクセル)が決まります。
注記: 360°プロパティを変更しても、Compressorのプレビュー領域のイメージは変更されません。プレビュー領域には、360°ソースファイルのビデオがネイティブのプロパティで表示されます。
カスタムおよび適用済みのプリセットの360°プロパティを変更する
トランスコードされた出力の360°プロパティを構成するには、「ビデオ」インスペクタで適用済みまたはカスタムのプリセットの設定を変更できます。
Compressorで、「プリセット」パネルでカスタムプリセットを選択するか、バッチ領域で適用済みのプリセットを選択します。
「ビデオ」インスペクタの「ビデオのプロパティ」セクションで、「360°メタデータ」ポップアップメニューをクリックしてオプションを選択します:
自動: メタデータのフォーマットが、「ジョブ」インスペクタでのプロパティと、プリセットのその他の設定に基づいて自動的に選択されます。選択されたフォーマットはポップアップメニューの右に表示されます。
なし: 出力ファイルに360°メタデータが添付されません。
全方位ビデオV1: ビデオ共有サイトで最もよく使用されている360°メタデータフォーマットです。
全方位ビデオV2: 新しい360°メタデータフォーマットです。