Compressorでのシンプルなトランスコードの概要
Compressorにソースファイルを追加して出力命令を適用すると(すべて「現在」ビューで実行)、トランスコードジョブが作成されます。トランスコードは単一のジョブとして実行することも、さらにソースファイル(および出力命令)を追加してからトランスコードジョブのバッチとして実行することもできます。
Compressorバッチ内の各ジョブはいくつかの部分から構成されます:
ソースファイル: トランスコードしたいメディアファイル。
設定: ファイルの処理方法を指定するトランスコード命令。Compressorにはさまざまな内蔵の設定が用意されていて、これを使用して、ファイルを広く使用されているメディアフォーマットに変換することができます。さらに、Compressorには、いくつかの事前構成済み書き出し先(1つまたは複数の設定と、トランスコード後に実行される自動化ジョブアクションの組み合わせ)が用意されています。たとえば、「Vimeoに公開」書き出し先を使用してソースファイルをトランスコードすると、Compressorは高品質のQuickTimeムービーファイルを出力した後、書き出し先のジョブアクションを適用してトランスコード済みファイルをVimeoアカウントにアップロードします。
場所: コンピュータまたは接続されているデバイス上の、トランスコード済みファイルが保存される場所。内蔵の場所のいずれかを使用したり、新しい場所を指定したりできます。
ファイル名: トランスコード後ファイルのタイトル。デフォルトファイル名(ソースファイルの名前)を使用することも、カスタムファイル名を入力することもできます。
ジョブアクション: DVDの作成やVimeoまたはYouTubeへのアップロードなど、ジョブに追加できるトランスコード後のアクションです。すべての内蔵書き出し先に、あらかじめジョブアクションが含まれています。
キャプションファイル名: CEA-608フォーマットまたはiTTフォーマットの補足テキストのファイル。必要に応じて、同期したクローズドキャプションまたは字幕を作成するためにジョブに追加できます。Compressorでのキャプションのサポート方法を参照してください。
下の例では、2つのジョブがバッチを構成しています。
1つ目のCompressorジョブは、内蔵の「DVDを作成」書き出し先を使用して、Dolby DigitalオーディオファイルとMPEG-2ビデオファイルを出力します。CEA-608クローズドキャプションファイルがジョブに追加されているため、同期した台詞のキャプションがMPEG-2出力ファイルに埋め込まれます。トランスコードされたファイルはソースフォルダ(ソースメディアが保存されるフォルダ)に保存され、「DVDを作成」ジョブアクションを使用してトランスコード後にDVDに収められます。
2つ目のCompressorジョブは、2つの内蔵の設定(「小」と「HD 1080p」)を使用して、小さいQuickTimeファイルとHD(高精細度)のQuickTimeファイルを作成します。出力ファイルはデスクトップに保存されます。ジョブアクションはないため、ユーザは各ファイルを手動で移動または配信する必要があります。