macOS ServerのXsanストレージの構成
クライアントコンピュータにマウントされているXsanボリュームは1つのディスクのように見えますが、RAID技術を使用していくつかのレベルで組み合わせた複数の物理ディスクで構成されています。
以下の段落では、これらの要素と、これらの要素を組み合わせて共有Xsanボリュームを作成する方法について説明します。
LUN
Xsanで扱うストレージ要素の最小単位は、SCSI LUN(論理ユニット番号)と呼ばれます。LUNは、RAIDアレイにまとめられたドライブの集まりを表します。
RAIDストレージデバイスにRAIDアレイを作成するときにLUNを作成します。RAIDシステムでは、選択したRAID方式に基づいて物理ディスクが1つのアレイに結合されます。各アレイは、Fibre Channelネットワーク上ではLUNとして表示されます。
RAIDシステムの標準的なRAIDアレイがアプリケーションに適合しない場合は、RAIDシステム管理ソフトウェアを使用してRAID方式またはドライブモジュール数を変更することで、アレイを再作成することができます。
RAID LUNは、Serverアプリケーションの「Xsan」パネルを使用してボリュームを設定するときに、Xsanファイルシステムで使用できるようにラベルが設定されて初期化されます。
ストレージプール
複数のLUNを結合すると、ストレージプールが形成されます。小規模なボリュームのストレージプールは1つのRAIDアレイで構成されることがありますが、大規模なボリュームは複数のストレージプールで構成され、各ストレージプールに複数のアレイが含まれることがあります。
Xsanでは、RAID 0(ストライピング)方式でファイルデータがストレージプール内のLUN全体に同時並行的に分散されます。これにより、利用可能なストレージをストレージプール内の複数のLUNに分散させることで、クライアントのアクセス速度を向上させることができます。
LUNのRAIDレベルに基づいて、さまざまなパフォーマンスや復元可能性の特性を持つストレージプールを設定できます。そしてユーザは、速度や安全性の必要に応じて、ファイルを保存する場所を選択できます。
ストレージプールを作成または変更するときは、常に2の累乗個のLUNを割り当てる必要があります。
利用可能なLUNをストレージプールに追加するには、Serverアプリケーションの「Xsan」パネルを使用します。
ボリューム
ストレージプールを結合すると、ユーザに表示されるボリュームが作成されます。ユーザの視点から見ると、SANボリュームは1つの大きなローカルディスクのように表示され動作します。ローカルディスクとは以下の点が異なります:
基となるアレイやストレージプールを追加すると、ボリュームのサイズを拡張できる
SANの複数のユーザがボリューム上のファイルに同時にアクセスできる