Impulse Response Utilityの録音の代案構成
1回で録音するために十分な数のスピーカーやマイクを用意できない場合でも、マルチトラックのインパルスレスポンスを作成することは可能です。この場合は、用意できるすべてのスピーカーを使って一度サインスイープを録音してから、スピーカーの位置を変えて再度サインスイープを録音します。例えば、4チャンネルのインパルスレスポンスを作成するには、4つのスピーカー位置から4つのトラックに録音する必要があります。このとき、用意できるのが1組のステレオスピーカーだけの場合は、その2台を2つのスピーカー位置に置いて2つのトラックに出力を録音してから、残りの2つのスピーカー位置に移動して別の2つのトラックに出力を録音します。
この方法でインパルスレスポンスを作成するのは時間がかかるうえ、本来フォーマットで必要なスピーカー数が不足しているために、スピーカーを複数回に分けて最適な位置に設置するのに手間がかかります。しかし、時間をかけて注意深く計画を立てれば、理想的な構成と同等レベルの結果を得ることは可能です。
また、Impulse Response Utilityでは、モノラル音源/全方向フォーマットを使ってマルチ・チャンネルのインパルスレスポンスを作成することもできます。この場合は、目的のフォーマットに必要な数の「channel」位置にマイクを順に設置して1台のスピーカーで録音します。この方法で作成したインパルスレスポンスは、CPUへの負荷が軽くなります。Impulse Response Utilityでオーディオを録音するを参照してください。
十分な数のスピーカーはあるがマイクの数が足りない場合は、各位置に必要なスピーカーを配置し、マイクの位置を変えて出力を録音していきます。この方法は、マイクを複数回に分けて最適な位置に設置するのに手間がかかりますが、スピーカーははじめから最適な位置に配置できます。
使用するマイクとスピーカーに対してオーディオインターフェイスの入出力数が足りない場合でも録音は可能です。まず、すべてのマイクとスピーカーを適切な位置に設置します。そのあと、接続するスピーカーとマイクを変えながら、Impulse Response Utilityで複数回に分けて各トラックに出力を録音していきます。
Impulse Response Utilityのスピーカーとマイクの配置の概要を参照してください。
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Impulse Response Utilityユーザガイド: Apple Books