
Compressorのプリセットのビデオプロパティ
プリセットの一般プロパティは「一般」インスペクタにあります(プリセットが選択されている場合)。
重要: 利用できるプロパティやオプションはトランスコードジョブによって異なります。表示されるオプションは、トランスコードするソースメディアのタイプ、プリセットのフォーマット、その他のプロパティの構成、および使用しているハードウェアとソフトウェアによって異なります。
ビデオプロパティ | プリセットフォーマット | 説明 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ビデオパススルーを有効にする | MXF、QuickTimeムービー | このチェックボックスを選択すると、ソースビデオが変更なしで書き出し先ファイルにコピーされます。このチェックボックスを選択すると、ビデオのプロパティ領域にあるほかのすべてのプリセットが無効になります。 | |||||||||
フレームサイズ | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、出力ファイルのフレームサイズ(解像度)を設定します。ポップアップメニューの横にあるフィールドにカスタムの値を入力するか(使用可能な場合)、ポップアップメニューのいずれかの項目を選択できます。以下の4種類のオプションがあります:
| |||||||||
出力アスペクト比に合わせてセンタークロップ | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このチェックボックスを選択すると、「フレームサイズ」ポップアップメニューでアスペクト比を変更したときに、ビデオが新しいアスペクト比で中央に配置されるようになります。 | |||||||||
ピクセルのアスペクト比 | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、ピクセルアスペクト比(エンコードされた幅と表示幅の比)を設定します。 | |||||||||
フレームレート | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って出力ファイルの再生レート(1秒当たりに表示されるフレーム数)を設定するか、ポップアップメニューの横にあるフィールドにカスタムフレームレートを入力します(使用可能な場合)。Compressorでタイミングとフレームレートを変更するを参照してください。 | |||||||||
フィールドの順番 | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、出力のスキャン方式を設定します(フィールドの優先順位を指定するか、プログレッシブスキャンに変換できます)。以下の4つのオプションがあります:
H.264、HEVC、またはMV-HEVCコーデックを使用するプリセットでは、フィールドの順番は自動的に「プログレッシブ」に設定されます。 | |||||||||
色空間 | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、ソースメディアを新しい色空間に変換します。「自動」を選択すると、選択したプリセットに基づいて最適な色空間が自動的に選択されます。「ソースと同じ」を選択すると、ソースファイルの色空間が使用されます(使用可能な場合)。手動プリセットを選択して、デフォルトを無効化することもできます。Compressorでビデオの色空間を変更するを参照してください。 | |||||||||
RAWからlog | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、ProRes RAWの変換方法を選択します。「自動」を選択すると、変換方法が自動的に選択されます。手動プリセットを選択して、デフォルトを無効化することもできます。このオプションを選択できるのは、ソースがProRes RAWの場合だけです。 | |||||||||
カメラのLUT | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューを使って、ソースに適用するカメラのルックアップテーブル(LUT)を選択します。ビデオを別の色空間に変換するには、カスタムLUTを選択してください。このプリセットは、ソースがProRes RAWで「RAWからログ」が「なし」以外の値に設定されている場合に有効になります。また、「ジョブ」インスペクタのビデオのプロパティで「カメラログ」が「なし」以外の値に設定されている場合にも有効になります。 | |||||||||
シネマティック | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューは、iPhoneのカメラアプリを使って「シネマティック」モードで録画されたビデオで使用でき、シネマティックメタデータの処理方法を指定します(macOS 12以降が必要です)。以下の2つのオプションがあります:
注記: このメニューは、読み込んだビデオファイルに「シネマティック」モードのメタデータがある場合にのみ表示されます。ファイルの読み込み時にメタデータが保持されるようにするには、特定の設定を調整する必要がある場合があります。詳しくは、「Motionユーザガイド」を参照してください。 | |||||||||
ステレオスコピック | ビデオ対応のすべてのプリセットフォーマット | このポップアップメニューは、ステレオスコピックファイルや、新しいステレオスコピックプリセットを作成するときに使用でき、ステレオスコピックビデオで左右の目のビューがどのように使用されるかを選択します:
| |||||||||
360°メタデータ | Appleデバイス、MPEG-4、QuickTimeムービー | このポップアップメニューを使って、出力ファイルに360°メタデータを含める場合にその種類を選択します:
詳しくは、Compressorを使って360°ビデオメタデータを表示するを参照してください。 | |||||||||
コーデック | Appleデバイス、MPEG-4、MXF、QuickTimeムービー | 利用可能なトランスコード方法のいずれかを選択します。 注記: CompressorでHEVCエンコードを実行するにはmacOS 10.13以降が必要です。 | |||||||||
空間ビデオ | Appleデバイス | このポップアップメニューは、「コーデック」が「MV-HEVC」に設定されている場合に使用でき、ファイルをApple Vision Proで再生できる空間ビデオとして出力するかどうかを指定します: | |||||||||
エンコーダのタイプ | Appleデバイス、MPEG-4、QuickTimeムービー | このポップアップメニューを使って、エンコーダのタイプを設定します。「コーデック」を「HEVC」に設定すると、このポップアップメニューが有効になります。以下の2つのオプションから選択します:
| |||||||||
プロファイル | Appleデバイス、MPEG-4、QuickTimeムービー | このポップアップメニューを使って、トランスコードに含まれる複雑さのレベルを設定します。「MPEG-4」プリセットおよび「QuickTimeムービー」プリセットの「コーデック」を「H.264」に設定すると、このポップアップメニューに3つのオプションが表示されます:
「コーデック」を「HEVC」または「MV-HEVC」に設定すると、出力ファイルの色深度(赤、緑、青の各カラーチャンネルのカラーを表現するために使用されるビットの数)が「プロファイル」ポップアップメニューで設定されます。以下の2つのオプションがあります:
| |||||||||
エントロピーモード | MPEG-4、QuickTimeムービー | 「コーデック」を「H.264」に設定したときは、このポップアップメニューを使って、エントロピーモードをCABAC(高品質の出力)またはCAVLC(処理が高速で、古いデバイスで再生する場合の互換性が高い)に設定します。 | |||||||||
平均ビットレート | MPEG-4、QuickTimeムービー | このポップアップメニューを使って、ビデオのビットレートを選択します:
| |||||||||
キーフレームの間隔 | MPEG-4、QuickTimeムービー | 「毎」を選択した場合は、テキストフィールドに値を入力して、出力ファイルにキーフレームを作成するキーフレーム間隔(フレーム数)を設定します。「自動」を選択するとフレームレートが自動的に計算され、「すべて」を選択するとすべてのフレームのキーフレームが作成されます。 | |||||||||
品質 | QuickTimeムービー | 「コーデック」を「アニメーション」、「フォト-JPEG」、または「HEVC」(「アルファを保持」チェックボックスを選択している場合)に設定した場合、このスライダで以下のオプションのいずれかを調整します:
| |||||||||
アナモフィック | MPEG-2 | このプロパティは、標準精細度ビデオにのみ適用されます。ソースビデオの保存アスペクト比と画面アスペクト比が一致しない場合、出力表示が押しつぶされたり引き伸ばされたりしないようにイメージを補正できます。ポップアップメニューから「自動」を選択すると、フレームサイズに基づいてイメージのサイズが自動的に調整されます。16:9または4:3を選択すると、イメージが特定のアスペクト比にサイズ調整されます。 | |||||||||
エンコーディングモード | MPEG-2 | このポップアップメニューを使って、出力ファイルのエンコードで速度と品質のどちらを優先するかを設定します。以下のオプションがあります:
| |||||||||
動き予測 | MPEG-2 | このポップアップメニューを使って、ファイルに対して実行されるモーション処理の量を設定します。以下の3つのオプションがあります:
| |||||||||
GOP構造 | MPEG-2 | このプロパティは、「フレームレート」プロパティを手動で設定した場合(「自動」を使用しない場合)にのみ利用可能です。 Compressorでは、エンコードするビデオのフレーム(ピクチャ)をグループ化する方法を選択できます。フレームには、I(Intra)フレーム、P(Predictive)フレーム、B(Bidirectional predictive)フレームの3種類があります。これらをまとめてGOP(Group of Pictures)と呼びます。「GOP構造」ポップアップメニューでは、以下のフレーム配置方法を選択できます:
注記: 用途がDVDである通常のMPEG-2エンコーディングでは、GOP構造のプリセットとしてIBBPを選択します。GOPサイズは、NTSCでは15、PALでは12を選択します。 | |||||||||
GOPサイズ | MPEG-2 | このプロパティは、「フレームレート」プロパティを手動で設定した場合(「自動」を使用しない場合)に利用可能です。 このスライダを使って、GOP(Group Of Pictures)内に含めるフレームの数を指定します。スライダで設定できる値は、「GOP構造」プロパティ(前述)によって異なります。Compressorで選択できる最大のGOPサイズは、15フレーム(NTSC)または12フレーム(PALおよび720p)です。すべてのビデオフォーマットにおける最小のGOPサイズは、6フレーム(クローズドGOP)または7フレーム(オープンGOP)です。 | |||||||||
ビットレートを自動的に選択 | H.264、MPEG-2 | このチェックボックスを選択すると、ソースファイルの継続時間に基づいて、出力ファイルに最適なビットレートが自動的に計算されます。ビットレートを手動で調整する場合は、チェックボックスの選択を解除して、「平均ビットレート」と「最大ビットレート」のスライダをドラッグするかフィールドに値を入力します。 | |||||||||
マルチパス | Appleデバイス、H.264、MPEG-4、QuickTimeムービー | このチェックボックスを選択すると、マルチパスエンコーディングが有効になります。マルチパスエンコーディングでは、ビデオフレームが複数回かけて解析されるため、出力ファイルの品質が高くなります。トランスコードを短時間(1パス)で行うためには、チェックボックスの選択を解除します。 | |||||||||
Dolby Vision 8.4メタデータを含める | Appleデバイス、MPEG-4、QuickTimeムービー | このチェックボックスを選択すると、出力ファイルにDolby Vision 8.4メタデータが含まれます。Dolby Vision 8.4は、HDRコンテンツをAppleデバイス用に最適化するために設計されたフォーマットです。このチェックボックスが選択されている場合、「色空間」は「Rec.2020 HLG」、「プロファイル」は「10ビットカラー」に設定されます。「コーデック」を「HEVC」または「MV-HEVC」に設定したときにのみ、このオプションを使用できます。 | |||||||||
ビットレート | Appleデバイス | 「自動」チェックボックスを選択すると、ソースファイルのフレームサイズとデバイス互換性に基づいて、出力ファイルに適切なビットレートが計算されます。チェックボックスを選択しない場合は、スライダをドラッグするかテキストフィールドに値を入力することによって、ビットレートを手動で設定できます。 | |||||||||
フレーム同期 | Appleデバイス | 「自動」チェックボックスを選択すると、フレームレートが計算されます。 注記: これを有効にすると秒数フィールドにデフォルトで0(.0)と表示されますが、実際の値はエンコードプロセスで決定されます。 チェックボックスを選択しない場合は、スライダをドラッグするかテキストフィールドに値を入力して、出力ファイルにキーフレームを作成するキーフレーム間隔(フレーム数)を手動で設定できます。 | |||||||||
フレームの並べ替えを許可 | MPEG-4、QuickTimeムービー | トランスコード処理時にビデオフレームの並べ替えを許可することで出力ファイルの品質が上がる可能性がある場合には、このチェックボックスを選択します。「コーデック」を「H.264」または「HEVC」に設定したときにのみ、このオプションを使用できます。 重要: 「フレームの並べ替えを許可」を選択すると、出力ファイルをより効率的に圧縮できることがありますが、古いハードウェアでは出力ファイルとデコーダの互換性が失われる場合があります。 | |||||||||
アルファを保持 | QuickTimeムービー | ソースのアルファチャンネル情報を保持して、アルファを出力に渡す場合は、このチェックボックスを選択します。「コーデック」を「ProRes 4444」または「アニメーション」に設定すると、このチェックボックスが有効になります。macOS 10.15以降がインストールされている場合は、「コーデック」を「HEVC」に設定したときにも、このチェックボックスが有効になります。「アルファを保持」をオンにすると、「品質」スライダが有効になります。 | |||||||||
クリーンアパーチュア情報を追加 | QuickTimeムービー | このチェックボックスを選択すると、出力ファイルで画像のクリーンなエッジが定義されます。このプロパティでは、エッジにアーティファクトが生じないようにするには何ピクセルを隠せばよいかを定義する情報が出力ファイルに追加されます。出力ファイルをQuickTime Playerで再生すると、ピクセルアスペクト比がわずかに変わります。この処理によって出力ファイルの実際のピクセル数が変わることはありません。プレーヤーでピクチャのエッジを隠すために使用できる情報がファイルに追加されるだけです。 | |||||||||
アスペクト比を保持してイメージを調整 | イメージシーケンス | このチェックボックスを選択すると、元のアスペクト比を維持したまま、スクエアピクセルを使用して出力ファイルが調整されます(横および縦のピクセル数が増加または減少します)。 | |||||||||
圧縮 | イメージシーケンス | このポップアップメニューを使って、画像圧縮方法を選択します。 | |||||||||
色深度 | イメージシーケンス | このポップアップメニューを使って、各カラーチャンネル(赤、緑、青)のカラーを表現するために使用されるビットの数を設定します。「自動」、「8」、または「16」(高品質)を選択します。 | |||||||||
YUV 4:2:2カラーエンコード | MPEG-2 | このチェックボックスを選択すると、YUV 422色空間を使ってエンコードが行われます。これによって、クロマの品質が高くなります。 | |||||||||
タイムコード開始 | MXF | このポップアップメニューを使って、出力ファイルの強制的なタイムコードの開始点を設定します。「自動」オプションを選択すると、ソースファイルのデフォルトのタイムコード(通常は00:00:00:00)が使用されます。その他のオプションを選択すると、タイムコードの開始が1時間または10時間に設定されます。 | |||||||||
ドロップフレーム | MXF | 「フレームレート」が29.97 fpsまたは59.94 fpsに設定され、かつ「タイムコード開始」が00:00:00:00、01:00:00:00、または10:00:00:00に設定されている場合に選択できます。タイムコードを再生時のリアルタイムの継続時間に強制的に同期させるには、このチェックボックスを選択します。 |
「ビデオ」インスペクタには、クロップ、パディング、および回転、リタイミングとサイズ変更の品質のパラメータの設定、およびビデオエフェクトの追加のためのオプションも表示されます。
このガイドをダウンロードする: PDF