iPad Air 11インチ(M3)ディスプレイ

始める前に

null 警告

null 注意

デバイスの電源を切ります。修理を始める前に、iPadの電源を切っておく必要があります。電源が入ったままだと、ディスプレイやその他の部品が損傷するおそれがあります。

ツール

  • 11インチ加熱式ディスプレイポケット

  • 11インチ修理トレイ

  • アクセスカード(2)

  • 接着剤活性化ローラー

  • 接着シートカッター

  • 静電気放電防止ピンセット

  • エタノールワイプまたはイソプロピルアルコール(IPA)ワイプ

  • ディスプレイ取り外し用加熱式固定具

  • 耐熱グローブ

  • iPad Air 11インチ用ディスプレイ接着シートの位置合わせトレイ

  • プラスネジ用JCISビット

  • ナイロン製プローブ(ブラックスティック)

  • マスキングテープ

  • トルクドライバー(ブラック、0.35 kgf cm)

すべての修理に必要なツールの一覧を参照してください。

重要

  • 初めて固定具を設定する場合は、「ディスプレイ取り外し用加熱式固定具」を参照してください。

  • この部品を交換する場合は、修理アシスタントを実行して修理を完了することをおすすめします。すべての取り付け手順を完了すると、修理アシスタントがデバイスで利用可能になります。

この手順には別のモデルの画像が使用されている場合がありますが、手順は同じです。ただし必ず、修理するモデルに適したツールを使用してください。

取り外し

注:取り外しの手順がすでに完了している場合は、「取りつけ」に進んでください

null 警告

この手順は、耐熱グローブを着用して実施することをお勧めします。

  1. ディスプレイ取り外し用加熱式固定具を使って、ディスプレイの接着シートを加熱します。手順については「ディスプレイ取り外し用加熱式固定具の操作マニュアル」を参照してください。手順2に進みます。

    • null 注意

      • ディスプレイ取り外し用加熱式固定具の上部にある銀色のノブは回さないでください。

      • ディスプレイ取り外し用加熱式固定具に加熱式ディスプレイポケットを差し込む前に、iPadのフロントカメラの位置を確認します。次に、図のように、カメラのレンズの部分とほかの部分に青色のマスキングテープを貼り付けます。損傷を防ぐため、テープを貼ってある場所の付近は浅い角度でカットしてください。

  2. ディスプレイと筐体の間に図のような隙間ができたら、接着シートカッターの先端を隙間に差し込みます。

    • null 注意:ディスプレイフレックスケーブルやその他の部品の損傷を防ぐため、ディスプレイの端から3.5mmを超える深さまで切らないよう注意してください。カッター表面にある円形の突起の外縁は、この最大深さを示しています。

    • ディスプレイの右側にそって、接着シートカッターをゆっくりと前後に動かします。抵抗を感じたら動かすのをやめてください。

      • null 注意:カッターを使ってディスプレイを持ち上げないでください。

    • 吸着カップとフロントカメラの間を、ディスプレイの上部にそって接着シートカッターをゆっくりと動かします。抵抗を感じたら動かすのをやめてください。

    • ディスプレイの右側にそって、接着シートカッターを動かします。次に、右下の角をゆっくり回りながら接着シートをカットします。

    • 吸着カップとフロントカメラの間を、ディスプレイの上部にそって接着シートカッターを前後に動かします。抵抗を感じたら動かすのをやめてください。

    • フロントカメラの左に向かって、ディスプレイの上部にそって接着シートカッターを前後に動かします。

    • フロントカメラの左に向かって、ディスプレイの上部にそって接着シートカッターを動かします。次に、左上の角をゆっくり回りながら接着シートを切ります。

    • ディスプレイ左側面にそって、接着シートカッターを前後に動かします。

  3. ディスプレイが再び密閉されないよう、図のように左上の角にアクセスカードを差し込んでおきます。

    • 重要:ディスプレイの黒い境界を越えてアクセスカードを差し込まないでください。

  4. ディスプレイの下部にそって接着シートカッターを動かします。左下の角をゆっくり回りながら接着シートを切ります。次に、左下の角にそって接着シートカッターを前後に動かします。

  5. ディスプレイが再び密閉されないよう、図のように右下の角にアクセスカッターを差し込んでおきます。

    • 重要:ディスプレイの黒い境界を越えてアクセスカードを差し込まないでください。

    • ディスプレイ取り外し用加熱式固定具に取り付けた吸着カップのハンドルを上げます。次に、ブラックスティックの平らな方の先端を吸着カップの端の下にそっとスライドさせ、ディスプレイから離します。

      • null 注意:ノブを回して吸着カップを外さないでください。ノブを回すとフレックスケーブルが破損するおそれがあります。

    • 吸着カップが外れていることを確認します。次に、ディスプレイ取り外し用加熱式固定具の上部にある黒いノブを反時計回りに回して、吸着カップをディスプレイから外します。

    • ディスプレイ取り外し用加熱式固定具の側面にある取り出しボタン(1)を押して、加熱式ディスプレイポケットを取り外し、ポケットをスライドさせて固定具から取り出します(2)。

    • 加熱式ディスプレイポケット側面のクランプを上げて、iPadを取り外します。次に、ポケットの左側下部にあるボタンを押して、iPadを取り外します。

  6. 図のように、USB-Cコネクタが右側の切り欠きの方に向くようにして、iPadを修理トレイに入れます。修理トレイの左側にあるタブを引いて、iPadを固定します。

  7. 図のように、修理トレイのスロットに吸着カップを取り付けます。

  8. マスキングテープとアクセスカードを取り外します。次に、ディスプレイをそっと上に傾け、ディスプレイの両側面を押して吸着カップに吸着させます。

    • null 注意

      • ディスプレイを上に傾ける際は、フレックスケーブルを損傷しないよう注意してください。

      • ディスプレイを吸着カップに固定する際は、ディスプレイの背面を押さないでください。背面を押すと、機能に悪影響を与える可能性があります。

    • null 警告:バッテリーにへこみ、穴、その他の損傷が見られる場合は、修理を中止してください。修理サービスオプションはsupport.apple.com/ja-jp/repairで確認できます。

  9. トルクドライバーとJCISビットを使って、マイクコネクタカウリング、Multi-Touchコネクタカウリング、ディスプレイコネクタカウリングから5本のプラスネジを取り外します。取り外したネジは横に置いておきます。

  10. Multi-Touchコネクタカウリングを取り外します。カウリングは再度取り付けるまで保管しておきます。

  11. マイクコネクタカウリングを45度の角度に傾けます(1)。筐体からカウリングを持ち上げます(2)。カウリングは再度取り付けるまで保管しておきます。

  12. 静電気放電防止ピンセットを使って、ディスプレイコネクタカウリングから、ポリエステルフィルムのタブをはがします。

  13. ディスプレイコネクタカウリングの右側を上に傾け(1)、カウリングをディスプレイの方にスライドさせて取り外します(2)。カウリングは再度取り付けるまで保管しておきます。

  14. Multi-Touchフレックスケーブル(1)とマイクフレックスケーブル(2)の端を持ち上げてコネクタから外します。次に、ディスプレイフレックスケーブル(3、4)の2つの端を持ち上げてコネクタから外します。

  15. ディスプレイの端の部分を持ち、吸着カップのタブを引いて、ディスプレイから外します。吸着カップを修理トレイから取り外します。次に、ディスプレイを清潔で平らな面の上に下向きに置きます。

取り付け

重要

新しい接着シートを取り付ける前に、ディスプレイと筐体からすべての接着シートが除去されていることを確認してください。

  1. 筐体を修理トレイに置きます。静電気放電防止ピンセットまたはブラックスティックを使って、ディスプレイ接着シートをつまみます。接着シートを45度以下の角度で引っ張ってはがします。この手順を繰り返して、筐体の周囲からすべての接着シートを取り除きます。エタノールワイプまたはIPAワイプを使って、筐体の外周を完全にきれいにします。

    • null注意:フロントカメラと環境光センサーには触れないでください。

  2. 交換用ディスプレイを取り付ける場合は、ディスプレイの上部と下部の保護用の裏紙をはがし、ディスプレイを下向きにして、ディスプレイ接着シートの位置合わせトレイに置きます。次に、手順4に進みます。元のディスプレイを再度取り付ける場合は、手順3に進みます。

  3. 図のように、ディスプレイを下向きにしてディスプレイ接着シートの位置合わせトレイに置きます。静電気放電防止ピンセットまたはブラックスティックを使って、ディスプレイの縁からディスプレイ接着シートをつまみ上げます。次に、接着シートを45度以下の角度で引っ張ってはがします。この手順を繰り返して、すべての接着シートを取り除きます。

    • null 注意

      • エタノールワイプまたはIPAワイプを使って、ディスプレイの外周のみをきれいにします。アルコールでディスプレイガラスのほかの部分に触れないでください。エタノールとイソプロピルアルコールはディスプレイに損傷を与え、画質に悪影響を与える可能性があります。

      • 塗装されたベゼルの損傷を防ぐため、ディスプレイから接着シートをこすり取らないでください。

  4. 交換用ディスプレイの接着シートと、位置合わせトレイのガイドピンの位置を合わせます。裏側の剥離フィルムのタブをつまみます。次に、接着シート下部の裏紙をゆっくりはがしながら、ガイドピンを使用して接着シートをディスプレイに配置します。

    • 注:交換用ディスプレイ接着シートには、上部、中央部、下部に裏紙があります。

    • 重要:上面の裏紙は、まだはがさないでください。

    • null 注意:手順4が完了したら、ディスプレイに接着シートが正しく配置されていることを確認します。位置がずれていた場合は、手順3を繰り返して接着シートをはがします。次に、手順4を繰り返して、新しいディスプレイ接着シートを取り付けます。接着シートの位置が正しく合っていないと、ディスプレイが適切に密閉されず、機能に影響を与える可能性があります。

  5. ブラックスティックを使って、ディスプレイ接着シートをディスプレイに接着させます。ブラックスティックの平らな端でディスプレイの端を3周以上なぞり、接着シートが均等に貼り付けられていることを確かめます。

    • null 注意:ディスプレイ接着シートを接着させる際、フロントカメラアセンブリに触れないでください。

  6. 上部の裏紙をはがします。

    • 重要:ディスプレイの端の中央の裏紙ははがさないでください。

  7. ディスプレイ接着シートをチェックし、位置が正しいこと、また損傷やしわがないことを確認します。接着シートが損傷している場合は、手順3を繰り返して接着シートをはがします。手順4~7を繰り返して、新しい接着シートを取り付けます。

  8. ディスプレイ接着シートの中央の裏紙から、接地テープの開口部を取り除きます。

  9. Wi-Fiモデルのみ:

    • 透明な裏紙をはがします。次に、接地テープの青色の裏紙2枚(1、2)をそっとはがします。3枚目の青色の裏紙(3)はそのままの位置に残します。

    • 図のように、位置合わせトレイのガイドピンを使ってテープの位置を合わせます。

    • 図に示されている部分をブラックスティックの平らな方の先端で押さえつけて、接地テープをディスプレイに接着させます。

    • ディスプレイ接地テープの透明な裏紙をはがし、接地テープから残りの青色の裏紙をそっとはがします。

    • ブラックスティックの平らな方の先端で接地テープをディスプレイの縦方向の縁に押さえつけます。

    • ブラックスティックの平らな方の先端で残りの接地テープをディスプレイ背面に押さえつけます。

      • 重要:接地テープは非常に繊細です。

    • ブラックスティックの平らな方の先端で接地テープをディスプレイの横方向の縁に押さえつけます。残りの接地テープをディスプレイ背面に押さえつけます。

  10. Wi-Fi + Cellularモデルのみ:

    • ディスプレイ接着シートの中央の裏紙から、接地テープの開口部を取り除きます。

    • 赤色の裏紙(1)はそのままの位置に残します。次に、接地テープから青色の裏紙(2)をはがします。

      • 重要:接地テープは非常に繊細です。

    • 図のように、位置合わせトレイのガイドピンを使って、フロントカメラの開口部右側にディスプレイ接地テープの位置を合わせます。

    • 図に示されている部分をブラックスティックの平らな方の先端で押さえつけて、接地テープをディスプレイに接着させます。

    • 接地テープから透明な裏紙をそっとはがします。

    • ブラックスティックの平らな方の先端で接地テープをディスプレイに押さえつけます。

    • ブラックスティックの平らな方の先端で残りの接地テープをディスプレイ背面に押さえつけます。

    • 図のように、接地テープの青色の裏紙をそっとはがします。

      • 重要:接地テープは非常に繊細です。

  11. 修理トレイに吸着カップを取り付けます。

  12. ディスプレイを吸着カップに固定します。

    • null注意:ディスプレイを吸着カップに固定する際は、ディスプレイの背面を押さないでください。

  13. マイクフレックスケーブルの端を押してコネクタに接続します(1)。Multi-Touchフレックスケーブルの端を押してコネクタに接続します(2)。次に、ディスプレイフレックスケーブルの端を押してコネクタに接続します(3、4)。

  14. ディスプレイコネクタカウリングをディスプレイフレックスケーブルの端にかぶせます。マイクコネクタカウリングをマイクフレックスケーブルの端にかぶせます。次に、Multi-TouchコネクタカウリングをMulti-Touchフレックスケーブルの端にかぶせます。

  15. ブラックのトルクドライバーとJCISビットを使って、下の図のように、カウリングに5本の新しいプラスネジを取り付けます。

    • ネジ(452-08784)1本(Multi-Touchコネクタカウリング、左上)

    • ネジ(452-06580)2本(Multi-Touchコネクタカウリング、左下、右下)

    • ネジ(452-06582)1本(マイクコネクタカウリング)

    • ネジ(452-08784)1本(ディスプレイコネクタカウリング)

  16. ポリエステルフィルムのタブをディスプレイコネクタカウリングに押し付けて接着させます。

  17. ディスプレイから中央の裏紙をはがします。

    • 1枚目の中央の裏紙をディスプレイの左上の角から時計回りにはがします(図を参照)。

    • 2枚目の中央の裏紙をディスプレイの右上から時計回りにはがします(図を参照)。

    • 3枚目の中央の裏紙をディスプレイの左下から時計回りにはがします(図を参照)。

  18. 接着シートに触れないようにディスプレイの下部を持ち、吸着カップのタブを引いてディスプレイから外します。吸着カップを修理トレイから取り外します。

  19. ディスプレイを保持したまま、最後の中央の裏紙を右下の角から時計回りにはがします。図のように、裏紙をディスプレイからはがします。

    • null 注意:フロントカメラや周辺の部品に触れないよう注意してください。

  20. ディスプレイを筐体の上に下ろします。

    • null 警告

      • バッテリーにへこみ、穴、その他の損傷が見られる場合は、修理を中止してください。修理サービスオプションはsupport.apple.com/ja-jp/repairで確認できます。

      • 緩んでいるネジや余分なネジ、小さな部品がないか、筐体を調べてください。これらは安全性に関わる問題を引き起こす可能性があります。

  21. ディスプレイフレックスケーブルがディスプレイと筐体の間に挟まっていないことを確認してください。ディスプレイの四隅を押します。次に、ディスプレイが筐体にしっかり収まるまで、縁にそって押します。

    • 重要:ディスプレイの縁を触って、でこぼこや隙間がないか確かめます。ディスプレイが平らに収まっていない場合は、すべての取り外し手順を繰り返し、フレックスケーブルに損傷がないか確認します。そのあと、取り付け手順1~21を実施します。

  22. 接着剤活性化ローラーを使って、ディスプレイを筐体に接着させます。

    • ローラーを両手で持ってディスプレイの縁に置き、図のようにローラーの一部が筐体の外側に少しはみ出すようにします。

    • ローラーをぐっと押さえて、銀色のピンのラインが白いバンドの中央に合うようにします。

      • null 注意:白いバンドに合わせようとして圧力をかけ過ぎないようにしてください。

    • ディスプレイの縁にそって一定の圧力で、前後に10回ローラーを転がします。次に、修理トレイの向きを変えて、残りの3辺でこの手順を繰り返します。

  23. 診断モードを開始します。

    • iPadの電源がオフになっていることを確認します。

    • 音量調節ボタンを両方とも押したままにします。

    • 両方のボタンを押したまま、iPadを20W以上の電源アダプタに接続するか、電源が入っておりコンセントに接続されているコンピュータに直接接続します。

    • :ハブ、ディスプレイ、そのほかの間接接続には対応していません。

    • Appleロゴが表示されたらボタンを放します。

重要

交換した部品によっては、修理を完了するために修理アシスタントがデバイスで利用可能になる場合があります。修理アシスタントの起動方法について詳しくはこちらを確認してください

注:修理アシスタントを実行していない場合、デバイスの「部品と修理の履歴」で部品のステータスが「修理完了」と表示され、セルフサービス修理のためのApple Diagnosticsで部品のステータスが「不明」と表示される可能性があります。

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