Final Cut Proユーザガイド
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Mac用Final Cut Proでのオブジェクトトラッキングの動作
クリップ(タイトル、ジェネレータ、静止画像など)またはエフェクトをビューアにドラッグすると、背景クリップ内のオブジェクトまたはピクセルの領域(「参照パターン」と呼ばれます)が提案されます。参照パターンに「ロックオン」すると、ビューア内のオブジェクトの動きに合わせてクリップやエフェクトが移動するようになります。
参照パターンは、終始一貫し、細部がハイコントラストで簡単に識別可能であることが理想的です。そうすれば、パターンのトラッキングが容易になります。提案されたオブジェクトにクリップまたはエフェクトをドラッグすると、コントロール付きのオンスクリーントラッカーが表示されます。コントロールを使って、トラッキングしたい領域を調整できます。
Final Cut Proは、トラッキングの2つ目のステップで、指定された参照パターンの動きを解析します。Final Cut Proでは、オブジェクト・トラッキングの計算を行うために2つの解析方法(アルゴリズム)が使用されます:
ポイントクラウド: 「ポイントクラウド」の方法では、トラッカーの中心点の周りの検索領域内で多数のポイントがサンプリングされます。サンプリングされた位置のいくつかは、ほかの位置よりも指定された参照パターンと厳密に一致します。トラックは、検索領域と参照パターンが(サブピクセルの精度で)最も厳密に一致する位置を探し出します。トラックは、解析されたフレームごとに、最も一致する距離を測定して、相関値を割り当てます。
トラッカーは、参照パターンの位置を検索するだけでなく、フレーム間でのパターンの変形(調整、回転、または歪み)も識別します。カメラのそばを通り過ぎる人物が着ている、シャツのそでに付いているロゴをトラッキングするとします。その人物がカメラの前を通り過ぎるときに少しだけ向きを変えると、参照パターンも回転します。トラックは、参照パターンと、パターンの調整や回転におけるあらゆる変更を探し出します。
機械学習: Final Cut Proでは、ビデオ内の指定された領域にあるオブジェクトに追従するようにデータセットでトレーニングされた機械学習モデルが使用されます。Apple Neural Engineを搭載したシステムでは、アルゴリズのこの部分が高速化されます。
機械学習モデルによって、識別されたオブジェクトの周囲に境界ボックスが描かれます。この方法では、人物、動物や多くの一般的なオブジェクトを認識できます。
Final Cut Proはプロジェクト内の動きを解析する際にデータを記録します。その後、このデータをプロジェクト内のほかの任意の項目(クリップ、タイトル、イメージ、エフェクトのシェイプマスクなど)に適用して、実質的にモーショントラックを作成することができます。
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