Mac用Final Cut Proユーザガイド
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Mac用Final Cut Proのブレンドモードの概要
Final Cut Proでは、ブレンドモードを使用して2つ以上の画像を結合(合成)することができます。画像を結合する方法は、ブレンドモードごとに異なります。ブレンドモードは、クリップのアルファチャンネルと「不透明度」コントロールにも影響します。
ブレンドモードの仕組み
「不透明度」コントロールは画像の均一的な透明度を定義するのに対して、ブレンドモードでは、より多くの創造的なオプションにより、各クリップのカラーを基に重ね合わせる画像の相互の関係を制御できます。デフォルトでは、各クリップのブレンドモードが「標準」に設定されているため、クリップの不透明度に対する変更は、画像のすべての部分に等しく適用されます。
ブレンドモードでは、「不透明度」の設定に関係なく、画像の透明な状態を作成できます。これは、画像のピクセルが、選択したブレンドモードで、タイムライン内のすぐ後ろにあるクリップのピクセルと結合されるためです。例えば、2つのクリップを重ね合わせて、前面のブレンドモードを「スクリーン」に設定した場合、「スクリーン」が設定された画像の暗い領域は透明になり、明るい領域は明瞭になります。結果として次の図のようになります:

前面のクリップのブレンドモードを「乗算」に設定した場合は、画像の暗い領域が明瞭になり、明るい領域が透明になるという「スクリーン」ブレンドモードとは反対の結果が得られます。

重要: たいていの使用可能なブレンドモードで作成した透明度は、クリップと重なった背後のクリップとの結合方法に影響します。これらのブレンドモードは、画像のアルファチャンネルには影響しません。画像のアルファチャンネルに影響するブレンドモードについては、アルファチャンネルのブレンドモードを参照してください。
ブレンドモードは、クリップとその背後のクリップとの結合だけに影響します。それらよりも前面で表示されているクリップが透明であったとしてもこの相互関係にまったく影響しません。
クリップをさまざまなブレンドモードで重ね合わせる場合、最も背後にある2つのクリップが最初に結合されます。次にそれらの結合が1つ手前のクリップと相互に作用し、順にすべての重なり合ったクリップが結合されて最終的な画像ができます。この場合、各クリップに特定のブレンドモードが指定されているため背面の画像とのみ作用します。背面の画像が単独のクリップか、ブレンドされた1組のクリップであるかは関係ありません。
Final Cut Proの各ブレンドモードは、「不透明度」コントロールと連携して機能し、前面と背面の画像の作用を変化させます。クリップの不透明度を調整すると、クリップに割り当てられているブレンドのエフェクト量が減少しますが、画像の可視度も低下する結果になります。これにより、任意のブレンドモードを必要に応じてカスタマイズできます。
ブレンドモードはビューアの背景カラーには作用しません。
ブレンドモードで重なり合った画像のカラーを混合させる方法
ブレンドモードでは、画像の各カラーチャンネル内にあるブライトネスの値を基に、重なり合った画像のカラーが混合されます。すべてのイメージは、赤、緑、青のチャンネルで構成されており、場合によってはこれらにアルファチャンネルも加わります。各チャンネルにはブライトネスの値の範囲が与えられており、そのチャンネルのカラーを使用するイメージ内の各ピクセルの強度を定義します。
重なり合ったクリップに対する各ブレンドモードのエフェクトは、各クリップのカラーの値の範囲によって変化します。重なり合ったピクセルの赤、緑、青チャンネルが数学的に組み合わせられて、最終的なイメージを生み出します。
これらの値の範囲は、黒、中間の値、または白のように表現できます。これらの領域を大まかに表すと以下のチャートのようになります。

たとえば、「乗算」ブレンドモードは、イメージ内の白のカラー値を透明になるようにレンダリングし、黒の値はそのまま残されます。すべての中間色の値は半透明になり、カラースケールの明るい方の色は、暗い部分の色よりも透明度が増します。
注記: 色処理設定を「標準」と「Wide Gamut HDR」の間で変更すると、ブレンドされた画像の外観に影響する場合があります。Mac用Final Cut ProでWide Gamut HDRカラー処理を使用するを参照してください。