macOS ServerでOpen Directoryサービスを提供する
Open Directoryを使用すると、組織内のユーザとリソースに関する情報を一元化したリポジトリを構築できます。ユーザとリソースの情報を一元化すると、システム管理者の負担が軽減し、各ユーザは、ネットワーク上の承認されたすべてのコンピュータに同じユーザアカウントでログインできるようになります。Serverアプリケーションの「Open Directory」パネルでは、Open Directoryドメインの作成、Open Directoryドメインへの接続、Open Directoryレプリカの追加と削除、ユーザとグループの追加と削除、パスワードポリシーの設定、ロケールの追加、削除、編集、およびOpen Directoryアーカイブの作成ができます。
Open Directoryを使用するには、ネットワーク上でDNSを利用可能にし、Open Directoryサーバの完全修飾DNS名をIPアドレスに正しく解決できるように構成する必要があります。また、IPアドレスをサーバの完全修飾DNS名に解決できるように構成する必要もあります。
注記:macOS Server 5.8にアップグレードする際にMacでOpen Directoryがオンになっている場合は、引き続き使用できます。macOS Server 5.8の新規インストールの場合は、「表示」メニューでOpen Directoryを有効にすることができます。
Open Directoryを設定する
Open Directoryサービスをはじめて開始するときには、アシスタントを使って、Open Directoryドメインにレプリカとして接続するようにOpen Directoryドメインを設定します。
Serverアプリケーション の「表示」メニューで「Open Directory」を選択します。
Open Directoryを有効にします。
アシスタントのダイアログで、新しいOpen Directoryドメインを作成するか、既存のドメインにレプリカとして接続することができます。
レプリカを追加する
Open Directoryドメインのレプリカを追加できます。レプリカは、Open Directoryサーバと同じディレクトリ情報および認証情報をほかのコンピュータに提供します。レプリカを追加することによって、フェイルオーバー環境を整え、Open Directoryクライアントからの要求の負荷を分散させることができます。
マスターのOpen Directoryドメインのレプリカは32個持つことができます。それぞれのレプリカは、自分自身のレプリカ(リレーとも呼ばれます)を32個持つことができます。
レプリカとして追加するサーバでは、あらかじめリモート管理アクセスを有効にしておく必要があります。macOS Serverへのリモートアクセスを許可するを参照してください。
レプリカを設定するには、マスターと同じメジャーバージョンのmacOSが動作している必要があります。
Serverアプリケーション のサイドバーで、「Open Directory」を選択します。
「サーバ」リストの下部にある をクリックします。
以下の情報を入力します:
サーバアドレス: レプリカサーバのIPアドレスまたはDNS名を入力します。
サーバ管理者名: レプリカのローカル管理者アカウントの名前を入力します。
パスワード: レプリカサーバのパスワードを入力します。
親サーバ: ポップアップメニューをクリックして、親サーバを選択します。
ディレクトリ管理者名: 親サーバのディレクトリドメイン管理者の名前を入力します。
パスワード: 親サーバのパスワードを入力します。
「次へ」をクリックします。
設定内容を確認して、「設定」をクリックします。
レプリカをOpen Directoryマスターに昇格させる
Open Directoryマスターで障害が発生したけれども、バックアップから回復できない場合は、レプリカをマスターに昇格できます。新しいマスター(昇格されたレプリカ)は、レプリカのディレクトリおよび認証データベースを使用します。
Serverアプリケーション のサイドバーで、「Open Directory」を選択します。
サーバのリストでレプリカを選択します。
をクリックし、「レプリカをマスターに昇格」を選択します。
ディレクトリ管理者の名前とパスワードを入力します。
認証局の鍵でOpen Directoryデータをアーカイブした場合は、Open Directoryアーカイブの場所を入力するか、「選択」をクリックしてアーカイブの場所を選択することで、それらを復元できます。
「次へ」をクリックします。
昇格させるレプリカのユーザ名とパスワードを入力し、「接続」をクリックします。