Compressorの「Dolby Digital」設定
Compressorに内蔵の「Dolby Digital」設定(「Blu-rayを作成」と「DVDを作成」書き出し先内)、および内蔵のAC-3とEC-3オーディオ設定では、「Dolby Digital」トランスコードフォーマットが使われています。このフォーマットでは、5.1サラウンドサウンドなど、マルチチャンネルのオーディオを含むDolby Digital(AC-3)ファイルやDolby Digital Plus(EC-3)ファイルにエンコードされます。
注記:「Dolby Digital」トランスコードフォーマットを使用するカスタム設定を作成することもできます。ただし、「設定」パネルにある内蔵の「Dolby Digital」設定では、トランスコードの結果が最高の出来に仕上がるよう、ソースメディアの解析に基づいて最適なプロパティが割り当てられます。
このトランスコードフォーマットを使用する内蔵およびカスタム設定のプロパティは、「一般」インスペクタと「オーディオ」インスペクタ(後述)にあります。
設定の概要
設定名、トランスコードフォーマット、出力ファイルの予想サイズが表示されます。ジョブに設定を追加するか、設定のプロパティを変更すると、この概要は自動的にアップデートされます。
一般のプロパティ
名前: 設定の名前が表示されます。
説明: 設定の説明が表示されます。
拡張子: 出力ファイルの拡張子(.ac3または.ec3)が表示されます。
ジョブのセグメント化を許可: オーディオファイルのみを出力する設定では、ジョブのセグメント化はできません。
デフォルトの場所: ポップアップメニューから、トランスコードしたファイルのデフォルトの保存先を選択します。
ファイルタイプ: ポップアップメニューからファイルタイプ(Dolby DigitalまたはDolby Digital Plus)を選択します。Dolby Digital Plusは、Dolby Digitalを拡張したオーディオ圧縮技術です。
リタイミング
この領域には1つのプロパティがあります:
継続時間の設定: トランスコード処理時にフレームレートの調整に使用する処理アルゴリズムを設定します。以下のオプションのいずれかを選択します:
[パーセント値](ソースに対する割合): 出力クリップの速度をソースクリップの速度のパーセント値で変更します。パーセント値フィールドに値を入力するか、横のポップアップメニュー(下向き矢印)からプリセット値を選択します。
[合計継続時間]: クリップの継続時間を設定します。フィールドに継続時間をタイムコードで入力するか、矢印をクリックして時間を増減します。
詳しくは、Compressorを使ってビデオおよびオーディオをリタイミングするを参照してください。
オーディオのプロパティ
チャンネルレイアウト: このポップアップメニューを使って、オーディオ・チャンネル・レイアウトのタイプを手動で設定します。サラウンド・サウンド・チャンネル・レイアウトを含むオーディオ・チャンネル・レイアウトについて詳しくは、Compressorのオーディオ・チャンネル・レイアウトを参照してください。
サンプルレート: このポップアップメニューを使って、音楽の波形(サンプル)をデジタルデータとして取り込む1秒当たりの回数を設定します。サンプルレートが大きいとオーディオ品質は高くなりますが、ファイルサイズは大きくなります。
注記:ビデオおよびオーディオDVDオーサリング用のファイルはすべて、DVD仕様で要求される48 kHzサンプルレートが指定されている必要があります。
ターゲットシステム: このポップアップメニューを使って、出力ファイルを再生するシステムを指定します。関連するほかのプロパティのオプションは、ターゲットシステムに適切なオプションのみに制限されます。
DVDビデオ: DVDビデオ・オーサリング・アプリケーションで使用できるようにエンコードする場合は、このオプションを選択します。
DVDオーディオ: DVDオーディオ・オーサリング・アプリケーションで使用できるようにエンコードする場合は、このオプションを選択します。
標準AC-3: ターゲットシステムによる制限を取り除きたい場合は、このオプションを選択します(最も汎用的なオプションです)。
データレート: このポップアップメニューを使って、オーディオファイルの配信に必要な1秒当たりのキロビット数(kbps)を設定します。レートを高くするほど、オーディオファイルの品質が高くなります。
ヒント:ステレオエンコードの場合、192 kbpsおよび224 kbpsのレートが一般的であり、標準品質の結果が得られます。Dolby Digital 5.1エンコードの場合は、384 kbpsのレートをお勧めします。Dolby Digital Plusエンコードの場合は、192 kbpsのレートをお勧めします。
ビットストリームモード: このポップアップメニューを使って、Dolby DigitalまたはDolby Digital Plusビットストリームに含まれるオーディオサービスのタイプを指定します。
サラウンドモード: モノラルまたはステレオ(L R)のチャンネルレイアウトを使用する場合は、このプロパティを使って、2チャンネル・エンコード・ビットストリームがDolby Pro Logicデコードに必要なDolbyサラウンド(Lt/Rt)でエンコードされているかどうかを指定します。ポップアップメニューからオプションを選択します:
指定なし: ビットストリームがDolbyサラウンドでエンコードされているかどうかについての情報を再生デバイスに送信しません。
エンコードなし: ビットストリームに含まれる情報がDolbyサラウンドでエンコードされていないことを再生デバイスに伝えます。
サラウンドエンコーディング: ビットストリームに含まれる情報がDolbyサラウンドでエンコードされていることを再生デバイスに伝えます。
サラウンドEXモード: 5.1(L R C LFE Ls Rs)、5.0(L R C Ls Rs)、4.1(L R LFE Ls Rs)、または4.0(L R Ls Rs)のレイアウトを使用する場合は、このプロパティを使って、オーディオがDolby DigitalサラウンドEXでエンコードされているかどうかを指定します。ポップアップメニューからオプションを選択します:
指定なし: ビットストリームがDolby DigitalサラウンドEXでエンコードされているかどうかについての情報を再生デバイスに送信しません。
エンコードなし: ビットストリームがDolby DigitalサラウンドEXでエンコードされていないことを再生デバイスに伝えます。
サラウンドエンコーディング: ビットストリームがDolby DigitalサラウンドEXでエンコードされていることを再生デバイスに伝えます。
ステレオダウンミックス: このポップアップメニューを使って、サラウンド信号をステレオ信号にダウンミックスする方法を設定します。Compressorのオーディオ・チャンネル・レイアウトを参照してください。
重要:Dolby Digitalのダウンミックス処理では、LFE信号が切り捨てられることがあります。
Lo/Ro中央、Lo/Roサラウンド、Lt/Rt中央、Lt/Rtサラウンド(サラウンドサウンド出力の場合): これらのポップアップメニューを使って、サラウンドチャンネルと中央チャンネルをダウンミックスするデシベルレベルを設定します。これらのプロパティを使用できるかどうかは、選択したチャンネルレイアウトによって決まります。
DRCラインモード: このポップアップメニューを使って、ダイナミックレンジの圧縮処理モードを設定します。デフォルト設定は「フィルム標準圧縮」です。この設定はあらゆる用途にお勧めです。
DRC RFモード: このポップアップメニューを使って、RFデバイス(RF接続が可能なテレビセット、ケーブルテレビ用セット・トップ・ボックス、その他のデバイス)向けのダイナミックレンジの圧縮処理モードを設定します。
LFEローパスフィルタ: このチェックボックスを選択すると、出力時に低域効果音(LFE)チャンネルに120 Hzローパスフィルタが適用されます。
DCフィルタ: このチェックボックスを選択すると、すべての入力チャンネルにDC(直流)ハイパスフィルタが適用されます。このフィルタを使用するとDCオフセットを簡単に取り除くことができますが、ミックスされたオーディオ素材のほとんどはDCオフセットがすでに取り除かれていることに注意してください。
サラウンドチャンネル: 90度フェーズシフトこのチェックボックスはデフォルトで選択されていて、サラウンドチャンネルに90度フェーズシフトが適用されます。フェーズシフトによって、デコード後の信号にサラウンド互換のダウンミックスが適用された場合に、フロントチャンネルと背面のチャンネルの位相をずらし、L信号とLs信号が互いに打ち消さないようにすることができます。
サラウンドチャンネル: 3 dB減衰: このチェックボックスを選択すると、出力時にサラウンドチャンネルに3 dBカットが適用されます。このオプションは、後で消費者向けホーム・シアター・フォーマットに変換されるマルチチャンネル出力(映画のサウンドトラックなど)を対象としています。映画館のサラウンドチャンネルは、映画館独特のアンプゲインとして、フロントチャンネルに比べて3 dB「ホットに」(高く)ミックスされています。
ダイアログ正規化: フィールドに値を入力して、最大変調レベルに対するサウンドファイル内のプログラムのラウドネスを設定します。再生デバイスは、この情報を使って、さまざまなAC-3ストリーム間で同一のラウドネスを保持します。この目的は、ソースファイルに関係なく、AC-3フォーマットでエンコードしたオーディオファイルの視聴レベルを同じにすることです。
オーディオエフェクト
使用できるオーディオエフェクト、およびオーディオエフェクトを設定に追加する方法については、Compressorでエフェクトを追加する/削除するを参照してください。