iCloud の高度なデータ保護を有効にする方法

iCloud の高度なデータ保護は、クラウドデータのセキュリティを最高水準に引き上げ、iCloud のほとんどのデータをエンドツーエンドで暗号化して保護します。

iCloud の高度なデータ保護について

iCloud の高度なデータ保護は、任意で設定できる機能です。この機能を使えば、クラウドデータのセキュリティを Apple 史上最高の水準に引き上げることができます。高度なデータ保護を有効にした場合、iCloud のほとんどのデータ (iCloud バックアップ、写真、メモなど) がエンドツーエンドの暗号化で保護されます。ほかの誰も、たとえ Apple でも、エンドツーエンドで暗号化されたデータにはアクセスできません。また、万一クラウドでデータ侵害が起きたとしても、このデータは安全なままです。高度なデータ保護を有効にする前に、標準のデータ保護を使った場合と高度なデータ保護を有効にした場合のそれぞれで、データがどのように保護されるのか詳しく知りたい場合は、こちらの記事 を参照してください。

高度なデータ保護を有効にする前に、少なくとも 1 つは代替の復旧方法 (復旧用連絡先または復旧キー) を設定しておくように案内されます。高度なデータ保護が有効になっている場合、Apple では暗号化キーを管理しません。エンドツーエンドで暗号化されたデータの復旧を Apple でお手伝いする際には、このキーが必要です。そのため、アカウントにアクセスできなくなってしまった場合は、設定しておいたアカウント復旧方法 (デバイスのパスコードやパスワード、復旧用連絡先、または復旧キー) を使って iCloud のデータをご自身で復元していただく必要があります。

デバイスのパスコードまたはパスワードは、デバイスを保護するために設定し、2 ファクタ認証を有効にしてある iPhone や iPad のパスコード、または Mac のログインパスワードです。Apple ID のパスワードをリセットする際や、アカウントにアクセスできなくなった場合にエンドツーエンドで暗号化されたデータを復旧する際にも使われます。

復旧用連絡先は、信頼できる友達や家族です。その人の Apple 製デバイスを使って、アカウントやデータへのアクセスの復旧を手伝ってもらえます。復旧用連絡先になっている人が、あなたのアカウントにアクセスできるようになるわけではありません。あなたにコードを送って、アカウントの復旧を手伝ってくれるだけです。復旧用連絡先について詳しくは、こちらの記事を参照してください。

復旧キーは、28 文字の秘密のコードです。このコードを、信頼できる電話番号や Apple 製デバイスと組み合わせて使い、アカウントとデータを復旧できます。復旧キーについて詳しくは、こちらの記事を参照してください。

注:お客様が設定したアカウント復旧方法を Apple は決して共有しません。また知り得ることもありません。

条件

iCloud の高度なデータ保護を有効にするには、以下の準備が必要です。

  • 2 ファクタ認証が有効になっている Apple ID。

  • デバイスにパスコードまたはパスワードが設定されていること。

  • 少なくとも 1 つのアカウント復旧用連絡先または復旧キー。まだ 1 つも用意していない場合は、高度なデータ保護を有効にする際に、1 つ設定しておくように案内されます。

  • Apple ID でサインインしているすべてのデバイスでソフトウェアをアップデートしておくこと。

    • iOS 16.2 以降を搭載した iPhone

    • iPadOS 16.2 以降を搭載した iPad

    • macOS 13.1 以降を搭載した Mac

    • watchOS 9.2 以降を搭載した Apple Watch

    • tvOS 16.2 以降を搭載した Apple TV

    • ソフトウェアバージョン 16.0 を搭載した HomePod

    • Windows 用 iCloud 14.1 以降をインストールした Windows コンピュータ

管理対象 Apple ID とお子様用アカウントは、高度なデータ保護の対象外です。

iCloud の高度なデータ保護を有効にする方法

高度なデータ保護は、iOS 16.2 を搭載した iPhone、iPad OS 16.2 を搭載した iPad、または macOS 13.1 を搭載した Mac で有効にすることができます。1 台のデバイスで高度なデータ保護を有効にすると、アカウント全体で有効になり、対応モデルのすべてのデバイスに適用されます。

iPhone や iPad の場合

  1. 設定 App を開きます。

  2. ユーザ名をタップし、「iCloud」をタップします。

  3. 下にスクロールして「高度なデータ保護」をタップし、「高度なデータ保護をオンにする」をタップします。

  4. 画面の案内に従って、復旧方法を確認し、高度なデータ保護を有効にします。

Mac の場合

  1. Apple メニュー  >「システム設定」の順に選択します。

  2. ユーザ名をクリックし、「iCloud」をクリックします。

  3. 「高度なデータ保護」をクリックし、「オンにする」をクリックします。

  4. 画面の案内に従って、復旧方法を確認し、高度なデータ保護を有効にします。

高度なデータ保護を一定期間有効にすることができない場合は、詳しい説明が適宜表示されます。

お使いのいずれかのデバイスが原因で高度なデータ保護を有効にできない場合は、Apple ID のデバイスリストからそのデバイスを削除して、再び有効にしてみるという選択肢もあります。アカウントで高度なデータ保護が有効になっている場合は、上記のソフトウェア条件を満たしているデバイスでのみ Apple ID でサインインできます。

iCloud.com でのデータへの Web アクセス

高度なデータ保護を有効にすると、信頼できるデバイスからしかデータを利用できないように徹底するため、Web 上で iCloud.com から iCloud のデータにアクセスすることはできなくなります。Web アクセスをあらためて有効にする場合は、信頼できるデバイスのいずれか 1 台を使い、Web 上でのデータへのアクセスを一時的に承認できます。Web 上で iCloud データにアクセスする方法については、こちらの記事を参照してください。

共有と共同制作

高度なデータ保護は、共有しているコンテンツについてもエンドツーエンドの暗号化を維持する仕様になっていますが、参加者全員が高度なデータ保護を有効にしていることが前提です。このレベルのデータ保護には、iCloud 共有写真ライブラリ、iCloud Drive の共有フォルダ、共有のメモなど、iCloud の大半の共有機能が対応しています。

iWork の共同制作、写真 App の共有アルバム機能、「リンクを知っている人はだれでも」を使ったコンテンツ共有は、高度なデータ保護には対応していません。つまり、高度なデータ保護が有効になっていても、共有のコンテンツはエンドツーエンドで暗号化されません。これらのサービスは、標準のデータ保護で守られます。

iCloud の高度なデータ保護を無効にする方法

高度なデータ保護はいつでも無効に切り替えることができます。その際には、必要な暗号化キーがデバイスから安全に Apple のサーバにアップロードされ、アカウントは再び標準のデータ保護を利用するようになります。

  • iPhone または iPad:「設定」で自分のユーザ名をタップし、「iCloud」をタップします。下にスクロールして、「高度なデータ保護」をオフにします。

  • Mac:システム設定で自分のユーザ名をタップし、「iCloud」をクリックします。「高度なデータ保護」をクリックし、「オフにする」をクリックします。

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