iOS 13.4 および iPadOS 13.4 のセキュリティコンテンツについて
iOS 13.4 および iPadOS 13.4 のセキュリティコンテンツについて説明します。
Apple セキュリティアップデートについて
Apple では、ユーザ保護の観点から、調査が終了してパッチやリリースが公開されるまでは、セキュリティ上の問題を公開、説明、または是認いたしません。最近のリリースについては、「Apple セキュリティアップデート」ページに一覧形式でまとめています。
Apple のセキュリティ関連の文書では、可能な場合、脆弱性の CVE-ID に言及しています。
セキュリティについて詳しくは、Apple 製品のセキュリティに関するページを参照してください。
iOS 13.4 および iPadOS 13.4
アカウント
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:サンドボックス化されたプロセスが、サンドボックスの制約を回避できる可能性がある。
説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。
CVE-2020-9772:カリフォルニア大学バークレー校の Allison Husain 氏
ActionKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:アプリケーションが、プライベートフレームワークから提供された SSH クライアントを使用できる可能性がある。
説明:この問題は、新しいエンタイトルメントによって解決されました。
CVE-2020-3917:Steven Troughton-Smith 氏 (@stroughtonsmith)
AppleMobileFileIntegrity
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:アプリケーションが任意のエンタイトルメントを使用できる可能性がある。
説明:この問題は、チェックを強化することで解決されました。
CVE-2020-3883:Linus Henze 氏 (pinauten.de)
Bluetooth
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ネットワーク上で特権的な地位を悪用した攻撃者が、Bluetooth トラフィックを傍受できる可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、ロジックの問題に対処しました。
CVE-2020-9770:パデュー大学 PurSec Lab の Jianliang Wu 氏、セントラルフロリダ大学の Xinwen Fu 氏および Yue Zhang 氏
CoreFoundation
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意のあるアプリケーションに権限を昇格される可能性がある。
説明:アクセス権の問題がありました。この問題は、アクセス権の検証を強化することで解決されました。
CVE-2020-3913:Avira Operations GmbH & Co. KG の Timo Christ 氏
アイコン
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:代替の App アイコンを設定すると、写真へのアクセス許可を必要とすることなく写真が開示される可能性がある。
説明:サンドボックスの制限を追加で設けて、アクセス関連の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3916:Vitaliy Alekseev 氏 (@villy21)
画像処理
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:アプリケーションにシステム権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-9768:Mohamed Ghannam 氏 (@_simo36)
IOHIDFamily
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意のあるアプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ初期化の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3919:F-Secure Consulting の Alex Plaskett 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ初期化の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3914:WaCai の pattern-f 氏 (@pattern_F_)
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意のあるアプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-9785:Qihoo 360 Nirvan Team の Proteas 氏
libxml2
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:libxml2 に複数の脆弱性がある。
説明:サイズ検証を強化し、バッファオーバーフローに対処しました。
CVE-2020-3910:LGTM.com
libxml2
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:libxml2 に複数の脆弱性がある。
説明:配列境界チェック機能を改善することで、バッファオーバーフローに対処しました。
CVE-2020-3909:LGTM.com
CVE-2020-3911:OSS-Fuzz により検出
メール
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ローカルユーザが、削除済みのコンテンツを App スイッチャーで表示できる可能性がある。
説明:コンテンツの削除時にアプリケーションのプレビューを消去することで、この問題に対処しました。
CVE-2020-9780:匿名の研究者、Dimitris Chaintinis 氏
メールの添付ファイル
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:トリミングしたビデオが、メールで適切に共有されない場合がある。
説明:メール App で選択されたビデオファイルに問題がありました。この問題は、ビデオの最新バージョンを選択することで解決されました。
CVE-2020-9777
メッセージ
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ロックされた iOS デバイスに物理的にアクセスできる人が、返信が無効になっていてもメッセージに返信できる可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、ロジックの問題に対処しました。
CVE-2020-3891:Peter Scott 氏
メッセージの作成
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:削除したメッセージグループが、自動補完の候補として引き続き表示される場合がある。
説明:削除処理を改善することで、この問題に対処しました。
CVE-2020-3890:匿名の研究者
Safari
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ユーザのプライベートブラウズの履歴が、スクリーンタイムに予期せず保存される場合がある。
説明:ピクチャ・イン・ピクチャのビデオを表示するタブの処理に脆弱性がありました。この問題は、ステート処理を改善することで解決されました。
CVE-2020-9775:STO64 School Krakow Poland の Andrian 氏 (@retroplasma)、Marat Turaev 氏、Marek Wawro 氏 (futurefinance.com) および Sambor Wawro 氏
Safari
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ユーザが、意図しなかったサイトに Web サイトのアクセス許可を与えてしまう可能性がある。
説明:閲覧後に Web サイトのアクセス許可のプロンプトを消去することで、この問題に対処しました。
CVE-2020-9781:Payatu Labs (payatu.com) の Nikhil Mittal 氏 (@c0d3G33k)
サンドボックス
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ローカルユーザが、重要なユーザ情報を閲覧できる可能性がある。
説明:サンドボックスの制限を追加で設けて、アクセス関連の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3918:匿名の研究者、Outcourse Limited の Augusto Alvarez 氏
Web App
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意を持って作成されたページが、ほかの Web コンテキストに干渉する可能性がある。
説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3888:Dappological Ltd. の Darren Jones 氏
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:一部の Web サイトが Safari の環境設定に表示されない場合がある。
説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。
CVE-2020-9787:Ryan Pickren 氏 (ryanpickren.com)
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。
説明:検証を追加することで、競合状態に対処しました。
CVE-2020-3894:Google Project Zero の Sergei Glazunov 氏
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:リモートの攻撃者によって任意のコードが実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ消費の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3899:OSS-Fuzz により検出
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、クロスサイトスクリプティング攻撃につながるおそれがある。
説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3902:Yiğit Can YILMAZ 氏 (@yilmazcanyigit)
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3895:grigoritchy 氏
CVE-2020-3900:Venustech の ADLab に協力する Dongzhuo Zhao 氏
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、型の取り違え (type confusion) の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3901:Benjamin Randazzo 氏 (@____benjamin)
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ダウンロードのオリジンが間違って関連付けられる可能性がある。
説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3887:Ryan Pickren 氏 (ryanpickren.com)
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、コードが実行される可能性がある。
説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-9783:Apple
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:リモートの攻撃者によって任意のコードが実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、型の取り違え (type confusion) の脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3897:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Brendan Draper 氏 (@6r3nd4n)
WebKit ページの読み込み
対象となるデバイス:iPhone 6s 以降、iPad Air 2 以降、iPad mini 4 以降、iPod touch (第 7 世代)
影響:ファイルの URL が間違って処理される可能性がある。
説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。
CVE-2020-3885:Ryan Pickren 氏 (ryanpickren.com)
ご協力いただいたその他の方々
4FontParser
Google Chrome の Matthew Denton 氏のご協力に感謝いたします。
カーネル
Siguza 氏のご協力に感謝いたします。
LinkPresentation
Travis 氏のご協力に感謝いたします。
注意
Mike DiLoreto 氏のご協力に感謝いたします。
rapportd
ダルムシュタット工科大学の Alexander Heinrich 氏 (@Sn0wfreeze) のご協力に感謝いたします。
Safari リーダー
Payatu Labs (payatu.com) の Nikhil Mittal 氏 (@c0d3G33k) のご協力に感謝いたします。
Sidecar
Rick Backley 氏 (@rback_sec) のご協力に感謝いたします。
SiriKit
Ioan Florescu 氏および Ki Ha Nam 氏のご協力に感謝いたします。
WebKit
Mozilla の Emilio Cobos Álvarez 氏、Google Project Zero の Samuel Groß 氏、hearmen 氏のご協力に感謝いたします。
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