プライベート Wi-Fi アドレスについて
Wi-Fi ネットワークと通信するため、デバイスは MAC (Media Access Control) アドレスと呼ばれる一意のネットワークアドレスを使って、ネットワーク上で自身を識別する必要があります。デバイスがすべてのネットワークで常に同じ Wi-Fi MAC アドレスを使っていると、時間の経過に伴い、ネットワークの事業者やその他のネットワーク観測者がそのアドレスをデバイスのネットワーク活動や位置情報に紐付けることがたやすくなります。そのため、ある種のユーザ追跡やプロファイリングが可能になるわけですが、これはすべての Wi-Fi ネットワーク上のすべてのデバイスに当てはまります。
iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7 以降では、プライバシー対策を強化するため、Wi-Fi ネットワークごとに違う MAC アドレスを使い分けます。この一意の MAC アドレスは、デバイスがそのネットワークに限って使うプライベートな Wi-Fi アドレスとなります。
場合によっては、デバイスがプライベート Wi-Fi アドレスを変更することがあります。
- すべてのコンテンツと設定が消去された場合や、ネットワーク設定がリセットされた場合、デバイスは次回そのネットワークに接続する際に別のプライベートアドレスを使います。
- iOS 15、iPadOS 15、watchOS 8 以降では、デバイスがネットワークに 6 週間接続しなかった場合、そのネットワークに次回接続するときは別のプライベートアドレスが使われます。デバイスでネットワークの設定を削除した場合、ネットワークの設定が最後に削除されてから 2 週間経っていない場合以外は、そのネットワークで使われていたプライベートアドレスも削除されます。
プライベート Wi-Fi アドレスで Wi-Fi ネットワークに接続する
通常通りに Wi-Fi に接続してください。プライベート Wi-Fi アドレスを使っても、多くの Wi-Fi ネットワークへの接続方法や利用方法に変化はありません。
ネットワーク側でデバイスからの接続が許可されていない場合や、接続できても、それ以上のネットワークアクセスやインターネットアクセスが認められていない場合は、以下の手順にそって、そのネットワークについてはプライベート Wi-Fi アドレスの使用を停止できます。
この機能のオン/オフをネットワークごとに切り替える
デバイスはデフォルトでプライベート Wi-Fi アドレスを使うようになっています。プライバシー対策強化のため、プライベートアドレスに対応したネットワークでは、この機能をオンのままにしておきましょう。
iPhone、iPad、iPod touch
- 設定 App を開いて「Wi-Fi」をタップします。
- ネットワークの横にある詳細情報ボタン
をタップします。
- 「プライベート Wi-Fi アドレス」をタップして、オン/オフを切り替えます。プライベートアドレスを使わずにネットワークに接続している場合は、プライバシーに関する警告に理由が表示されます。
Apple Watch
- 設定 App を開いて「Wi-Fi」をタップします。
- 接続しているネットワークの名前をタップします。ネットワークにまだ接続していない場合は、その名前を左にスワイプして詳細ボタン
をタップします。
- 「プライベートアドレス」をタップして、オン/オフを切り替えます。
ネットワーク管理者の方へ
管理している Wi-Fi ルーターが、新しいデバイスがネットワークに接続するつど管理者に通知する設定になっている場合は、デバイスがプライベートアドレスではじめて接続したときに通知が届きます。
企業やその他の組織では、Wi-Fi ネットワークのセキュリティを変更しないと、プライベートアドレスが機能しない場合があります。または、MDM で定義されたネットワークプロファイルを使って、社内の Wi-Fi ネットワークに接続する登録済みデバイスに対し、プライベートアドレスを無効にしておくという選択肢もあります。プライベート Wi-Fi アドレスとエンタープライズについて詳しくは、こちらの記事を参照してください。