Liquid Retina XDR ディスプレイ、Apple Studio Display、または Apple Pro Display XDR を搭載した MacBook Pro のキャリブレーションを測定する

ディスプレイのキャリブレーションをテストする方法をご案内します。ワークフローのニーズに応じて、キャリブレーションを微調整したり、ディスプレイでインフィールドキャリブレーション (再補正) を実行したりすることもできます。

すべての MacBook Pro、Studio Display、Pro Display XDR について、工場の組み立てラインで最先端のディスプレイキャリブレーションプロセスにそって、P3 ワイドカラーパネルと LED の精度を徹底的にテストしています。

工場でこのディスプレイキャリブレーションプロセスを通過しているので、購入したそのままの状態で、圧倒的にきれいな映像を楽しめます。ワークフローでカスタムキャリブレーションが必要な場合は、ディスプレイのキャリブレーションを微調整するか、他社製の分光測光器で調整済みのワークフローに合わせて再補正することができます。

ディスプレイを測定する

Apple が提供している QuickTime ムービーのテストパターン一式を使って、ディスプレイのキャリブレーションを評価できます。これらは適切にカラータグが付けられたリファレンスで、所属組織内の分光測光器を使って、EOTF (電気光伝達関数) も含め、原色/二次色やルミナンスを測定し、検証できます。

互換性を確認する

テストパターンをダウンロードする

  1. Apple Developer の AVFoundation のページにアクセスします。

  2. 「Related Resources」セクションで、「Color Test Patterns」をクリックしてテストファイルをダウンロードします。

  3. 「QuickTime-Test-Pattern.zip」ファイルをダブルクリックして、アーカイブの圧縮を解除します。

ディスプレイを測定する

  1. 他社製の分光測光器をディスプレイの中央に位置合わせします。

  2. 迷光やまぶしい光が測定に影響しないように、室内を暗くしておきます。

  3. 「QuickTime Test Pattern Movies」フォルダを開いて、テストしたいパターン一式を選択します。各フォルダに、BT.709、BT.601 などの構成で色やルミナンスを測定するためのムービーファイル一式が入っています。

  4. QuickTime Player で各ファイルを開いて、フォルダ内のテストパターンの各ムービーファイルを測定します。使用中のリファレンスプリセットが、選択したテストパターンと一致しているか確認してください。たとえば、DCI SDR ベースのパターンを使う際には、「Digital Cinema (P3–DCI)」モードを使います。

  5. 測定した色 (彩色) とルミナンスの値を、テストパターンのフォルダ内にある「Reference Values.txt」ファイルの値と比較します。分光測光器の許容誤差やキャリブレーションによっては、リファレンス値と比べて測定値に誤差が生じることがあります。

測定値とリファレンス値との誤差が著しく大きい場合は、ディスプレイの測定のヒントを参照してください。

キャリブレーションをカスタマイズする

より高度なワークフローの場合には、以下のような調整が可能です。

* 以前のバージョンの macOS をお使いの場合は、Pro Display XDR Calibrator アプリをダウンロードして、macOS Catalina 10.15.6 以降を搭載した Mac で Pro Display XDR を再補正できます。

ディスプレイの測定とキャリブレーションのヒント

ディスプレイの測定やキャリブレーションで安定した結果が得られない場合は、以下の方法をお試しください。

環境を調べる

  • 周囲の環境を整備して、ディスプレイ上の絞りの対象エリアに迷光が極力反射しないようにします。

  • Apple では、周囲の温度が摂氏 25 度以下の環境で測定やキャリブレーションを実施することを推奨しています。測定の繰り返し精度を上げるには、キャリブレーション中や、通常利用時の周辺温度を同程度に保ってください。

分光測光器の設定を確認する

  • ディスプレイを 30 分以上動作させ、動作温度を安定させます。

  • 分光測光器の向きをディスプレイと垂直に、x 軸に並行になるようにして、偏光を極力抑えます。

  • 分光測光器の露光設定を確認します。分光測光器に自動露光モードがある場合は、有効にします。さまざまなルミナンスレベルで最適な読み取りが可能になります。自動露光モードがない場合は、機器のメーカーに問い合わせて、推奨設定を確認してください。測定距離や焦点距離、測定角 (アパーチャー)、帯域幅、露光、測定速度、ディスプレイ同期、機器が対応している自動/動的機能の構成オプションを見直してください。

  • 分光測光器に積分時間を設定できるか確かめます。積分時間をできるだけ長くすると、結果の精度が上がります。

  • 分光測光器に ND (Neutral-Density) フィルタの設定がある場合は、オフに切り替えてください。

分光測光器のキャリブレーションを確認する

メーカーの定める仕様を調べて、分光測光器の許容誤差を確認します。誤差が認められる場合は、以下のいずれかの状況が原因だと考えられます。

  • さまざまな器具のキャリブレーションでイルミナント A の入射角がそれぞれに異なる。

  • 各イルミナント A に固有の不確実性。

  • 器具ハードウェアのデザインや光路の違いが誤差につながる。

分光測光器をリセットする

機器が反応しなくなった場合は、メーカーにお問い合わせの上、分光測光器のリセット手順をご確認ください。

関連情報

ディスプレイに付属している macOS リファレンスプリセットについては、こちらの記事を参照してください。

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