Pagesでブック作成用の詳細オプションを使う
Pagesで詳細オプションを使って、EPUBブック形式のデジタルブックを調整しながら作成する方法をご紹介します。
EPUB形式は、W3C によるオープンなデジタルブック(電子書籍)用の標準規格です。Pagesでは、書類をEPUB形式で書き出すことができます。書き出した書類は、iPhone、iPad、Macのブックアプリや、他社製のEPUBリーダーで読むことができます。この記事では、Pagesでブックを作成する手順を詳しく解説します。
Pagesでデザインがあらかじめ決まっているブックテンプレートを使って、特別な書式設定をせずにブックをすばやく作成することもできます。
フォーマットを選択する
Pagesのどのテンプレートを使ってもブックを作成できます。また、ブック作成用に特別に作られたテンプレートも使えます。縦方向のブックテンプレートは文書作成書類を基準にしていて、リフロー型または固定レイアウト型のEPUBとして書き出せます。横方向のブックテンプレートはページレイアウト書類を基準にしていて、固定レイアウト型のEPUBとして書き出せます。
コンテンツをブックにどのように表示したいかに応じて、リフロー型または固定レイアウト型を選択してください。
リフロー型:各種のデバイスや方向に合わせてコンテンツを自動調整するには、リフロー型を選択します。リフロー型のEPUBは、リーダーに合わせてテキストのサイズが調整され、コンテンツのページの割り付けがやり直されます。主にテキストが含まれる書類なら、リフロー型が最適です。
固定レイアウト型:デバイスや方向に関係なく、書類の各ページのレイアウトを同じまま固定しておきたい場合は、固定レイアウト型を選択します。固定レイアウト型のEPUBは、読み手が拡大縮小することはできますが、テキストやコンテンツの配置は固定され、流し込みがやり直されることもありません。画像が多用された書類や段組みの書類なら、固定レイアウト型が最適です。
EPUB形式で書き出すとサポート対象外になる機能/変更される機能
Pages書類で使われている以下の機能は、選択したレイアウトに関係なく、EPUB形式で書き出すと削除されるか、変更されます。
スマートフィールドは削除されます。
脚注は巻末注に変換されます。*
コメントは削除されます。
イメージエフェクトの一部は削除されます。
4メガピクセルを上回る画像のサイズは4メガピクセルに変更されます。
3Dオブジェクト(USDA、USDC、USDZファイル)は画像ファイルに変換されます。
* 固定レイアウト型の書類をEPUBに書き出す場合、脚注は維持されません。
固定レイアウト型でのみ使える機能
Pages書類で使われている以下の機能は、固定レイアウト型のEPUBにのみ書き出されます。これらの機能を使った書類をリフロー型レイアウトで書き出すことはできますが、書き出したEPUBにはそれらの機能が表示されません。
ヘッダとフッタ
段組み
ページのサイズ
ページの方向
ページ番号とページ数のフィールド
行間隔
ハイフネーション
図形の中の選択可能なテキスト
重なり合うテキストとオブジェクト(たとえば、テキストと画像や図形が重なっている場合)
セクションレイアウトオブジェクト
オブジェクトを回り込むテキスト
フローティングオブジェクトはフローティングとして書き出し(インラインに変換されるリフロー型のEPUBとは異なる)
タブストップ
影/反射
リンクしたテキストボックス
グラデーションやイメージでのテキストの塗りつぶしや、実線ではないテキストアウトラインは、イメージに変換
書類を準備する
ページレイアウト書類は固定レイアウト型のEPUBとして、文書作成書類は固定レイアウト型またはリフロー型のEPUBとして書き出せます。リフロー型のEPUBとして書き出す場合は、画像をインラインで埋め込んだ文書作成書類を使うときれいに仕上がります。
リフロー型EPUBのテキスト
ブックをリフロー型で書き出す場合、ブックアプリやその他のリーダーで表示した場合に、テキストの見た目が変わることがあります。
読む人が、ブックアプリでブックを読む際に好みのテキストサイズを選択できます。
Pages書類で指定したテキストサイズは、ブックでは「小」「中」「大」に変換されます。Pagesの中ではサイズが少し違うテキストが、EPUBではまったく同じサイズで表示される場合があります。
ブックに表示される色は、Pages書類に表示される色と異なる場合があります。
縦書きのブック内のページは、右から左に送ります。
グラデーションやイメージでのテキストの塗りつぶしや、実線ではないテキストアウトラインは、単色に変換されます。
目次を作成する
EPUB形式で書き出すと、Pagesの目次ビューに表示される項目に基づいて目次が自動的に作成されます。目次ビューに項目がないPages書類を書き出した場合は、目次のないEPUBになります。
ブックアプリでEPUBブックのこの目次を表示するには、以下のように操作します。
Macでは「表示」>「目次」の順に選択します。
iPadまたはiPhoneでは
をタップします。
EPUBのチャプタについて
リフロー型のEPUBブックや、段落スタイルを使った固定レイアウト型の書類では、Pages書類の目次で使われているスタイルの階層に基づいて、チャプタ区切りが自動的に作成されます。EPUBブックのチャプタのタイトルの前にチャプタ区切りが挿入されるように、目次を設定しておくことができます。
Pagesで、ブック内のチャプタの名前を選択します。
「タイトル」「見出し」「見出し2」「見出し3」「見出し(レッド)」など、タイトルまたは見出しの段落スタイルを適用します。
目次ビューを開いて、使っているスタイルを選択し、「編集」をクリックまたはタップして、インデントされている場合は解除します。
このスタイルを使うたびに、そのスタイルを適用したコンテンツがEPUBの新しいチャプタになり、リフロー型EPUBのチャプタの間にページ区切りが挿入されます。
リフロー型のEPUBでオブジェクトを使う
リフロー型のEPUBできれいに仕上げるために、書類内の画像、図形、その他のオブジェクトをフォーマットし直して、インラインオブジェクトにしてください。
オブジェクトを選択または挿入します。
をクリックまたはタップします。
「配置」をクリックまたはタップします。
「テキストと移動」を選択します。
「テキスト折り返し」メニューから「インライン(テキストあり)」を選択します。
表紙を追加する
ブックを書き出す際に、ブックに付ける表紙の種類を選択できます。表紙は、ブックアプリのライブラリに表示されたり、コンピュータ上のアイコンとして表示されたりします。
「イメージを選択」を選択すると、iPhone、iPad、Mac、Windowsパソコンから表紙の画像を追加できます。表紙には、PDF、EPS、JPG、PSD、PNG、TIFF、GIF形式の画像を使えますが、4メガピクセル以下で用意する必要があります。
「表紙なし」を選択した場合、ブックアプリのライブラリでそのブックには汎用アイコンが表示されます。
EPUBブックを書き出す
Mac用Pages、iPhoneまたはiPadのPages、iCloud.com からオンラインで、書類をEPUB形式で書き出せます。書き出し対象の書類で変更をトラッキングしている場合は、書き出す前に、すべての変更箇所を承諾するか拒否し、変更のトラッキングを中止してください。何も対処しなかった場合、トラッキングした変更が自動的に承諾されます。
Mac用Pagesで書き出す
Mac用Pagesで書類を開きます。
「ファイル」>「書き出す」>「EPUB」の順に選択します。
「タイトル」と「作成者」に入力します。
EPUBブックの表紙を選択します。
使いたいレイアウトスタイルを選択します。プロジェクトに適したレイアウトの選び方についてはこちらを参照してください。
(オプション)「詳細オプション」で、ブックの「カテゴリ」と「言語」を選択します。固定レイアウト型のブックの場合は、ブックの表示形式を1ページにするか、2ページ見開きにするかを選択します。
書類に対して選択してあるフォントがEPUBで確実に表示されるようにする場合は、「フォントを埋め込む」を選択しておきます。「フォントを埋め込む」の選択を解除した場合、選択しておいたフォントの代わりに、読み手のアプリケーションの優先フォントが使われます。Pagesでは、OpenType(OTF)フォントとTrueType(TTF)フォントを埋め込めます。
「次へ」をクリックします。
EPUBファイルの名前を入力してから「書き出す」をクリックします。ページレイアウト書類を書き出すと、自動的に固定レイアウト型で書き出されます。
iPhoneまたはiPadのPagesで書き出す
Pagesで書類を開きます。
iPhoneでは、
をタップします。iPadでは、ツールバーに何が表示されているかに応じて、ツールバーで書類名をタップするか、詳細ボタンをタップします。「書き出し」をタップします。
「EPUB」を選択します。
「タイトル」と「作成者」に入力します。
EPUBブックの表紙を選択します。
使いたいレイアウトスタイルをタップします。プロジェクトに適したレイアウトの選び方についてはこちらを参照してください。
(オプション)「詳細設定」をタップし、ブックの「カテゴリ」と「言語」を選択します。固定レイアウト型のブックの場合は、ブックの表示形式を1ページにするか、2ページ見開きにするかを選択します。
書類に対して選択してあるフォントがEPUBで確実に表示されるようにする場合は、「フォントを埋め込む」を選択しておきます。「フォントを埋め込む」の選択を解除した場合、選択しておいたフォントの代わりに、読み手のアプリケーションの優先フォントが使われます。Pagesでは、OpenType(OTF)フォントとTrueType(TTF)フォントを埋め込めます。
書類にムービーが含まれていて、Apple Booksでそのブックを公開する予定の場合は、「Apple Booksの互換性」をオンにして、対応していないムービーを画像に変換しておきます。互換性のないオーディオファイルも削除されます。
「戻る」をタップします。
「書き出し」をタップします。
iCloud用Pagesで書き出す
iCloud用Pagesで書類を開きます。
をクリックして、「コピーをダウンロード」を選択します。
表示されるダウンロードウインドウで「EPUB」をクリックします。
「タイトル」と「作成者」に入力します。
EPUBの表紙のスタイルを選択します。
レイアウトスタイルを選択します。プロジェクトに適したレイアウトの選び方についてはこちらを参照してください。
(オプション)「詳細設定」で、ブックの「カテゴリ」と「言語」を選択します。固定レイアウト型のブックの場合は、ブックの表示形式を1ページにするか、2ページ見開きにするかを選択します。
「ダウンロード」をクリックします。
ブックを共有する
iPhone、iPad、MacでブックをすばやくEPUB形式で書き出し、共有できます。
ツールバーの
をタップまたはクリックします。共有ウインドウで「書き出して送信」をタップまたはクリックします。
「EPUB」を選択し、EPUB情報を入力して、ブックのオプションを選択します。
ブックを共有または保存します。
iPhoneまたはiPadでは、「書き出し」をタップし、ブックの共有方法(「メール」「メッセージ」など)を選択します。または、「"ファイル" に保存」をタップして、ブックをデバイス本体やiCloud Driveに保存します。
Macでは、「コピーを送信」を選択して、ブックを共有します。または、「保存」をクリックして、ブックをMac本体やiCloud Driveに保存します。
ブックアプリでブックを表示する
書類をEPUBファイルとして書き出す場合は、必ずブックをデバイス本体またはiCloud Driveに保存してください。
EPUBファイルを見つけてタップ(iPhoneまたはiPad)またはダブルクリック(Mac)すると、ブックアプリで開くことができます。
Apple Booksに公開する
ブックの準備ができたら、MacまたはiPadでApple Accountを使ってiTunes Connectにサインインし、EPUBファイルをApple Booksパブリッシングポータルにアップロードします。
Pages書類をeBookとしてApple Booksに公開する方法についてさらに詳しく
関連情報
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