Apple Watch Ultra 3で衛星経由の緊急SOSを使う
Apple Watch Ultra 3では、緊急SOSを衛星通信経由で利用し、モバイルデータ通信やWi-Fiの電波が届かないところでも緊急通報サービスにテキストを送信できます。
衛星経由の緊急SOSの仕組み
衛星経由の緊急SOSなら、緊急通報サービスに連絡する手立てがほかに何もない不測の事態に陥っても、緊急通報サービスにつないでくれます。緊急通報サービスに電話をかけたりテキストを発信したりした際に、モバイルデータ通信やWi-Fiの電波が届かないところにいるためつながらない場合、Apple Watch Ultra 3は衛星経由で接続を試みます。
衛星通信に接続するには、空への視界が開けて、地平線がはっきりと見通せる屋外にいる必要があります。Apple Watch Ultra 3が乾いている必要もあります。濡れていると、衛星通信への接続機能に影響を及ぼす可能性があります。衛星通信で接続する場合、モバイルデータ通信でメッセージを送受信する場合とは勝手が違います。Apple Watch Ultra 3を使った衛星通信への接続についてさらに詳しくご確認ください。
衛星経由の緊急SOSは、Apple Watch Ultra 3のアクティベーション後2年間無料です。この衛星通信機能は、有効な通信事業者の契約プランがなくても使用できます。機能の要件と提供状況についてさらに詳しくご確認ください。
Apple Watchが自動車事故や激しい転倒を検知し、反応がない場合、Apple Watch Ultra 3によって衝突事故検出または転倒検出の通知が自動的に衛星経由の緊急SOSを使って緊急通報サービスに送信されます。この機能を利用するには、モバイルデータ通信とWi-Fi通信の圏外であることと、Apple Watch Ultra 3と衛星の間に遮るものがない状態である必要があります。
電波が届かない場所に出かける前に
モバイルデータ通信やWi-Fiの通信範囲外の場所に行く場合に、衛星経由の緊急SOSを使用する準備を整えておく方法をいくつか紹介します。
衛星通信機能に簡単に接続できるようにするために、コントロールセンターに衛星通信コントロールを追加し、文字盤に衛星通信コンプリケーションを追加します。
メディカルIDを設定し、ヘルスケアアプリに緊急連絡先を追加しましょう。実際に衛星経由の緊急SOSを利用する際には、メディカルIDを共有し、緊急連絡先に通知できます。モバイルデータ通信やWi-Fiの電波が届かない場所に行く前に、iPhoneのヘルスケアアプリでこの情報を設定する必要があります。この情報は、iPhoneで設定すると、Apple Watchにも表示されるようになります。
Apple Watch Ultra 3にメッセージアプリが搭載されていることを確認します。メッセージアプリを削除した場合は、メッセージアプリを再ダウンロードできます。
衛星経由で緊急通報サービスにテキストを送信する
まず、地域の緊急通報番号に電話してみてください。1普段利用しているモバイルデータ通信事業者のネットワークが圏外の場合でも、電話をかけられる可能性があります。通話がつながらない場合は、「衛星経由の緊急テキスト」をタップして、衛星通信経由で緊急通報サービスにテキストを送信できます。メッセージアプリを開いて、現地の緊急通報番号2にテキストを送信し、「緊急通報サービス」をタップする方法も使えます。圏外の状態でiPhoneが近くにあり、機内モードになっている場合は、Apple Watch Ultra 3では衛星通信機能は利用できません。
「緊急通報の報告」をタップします。
何度かタップして、緊急事態に関する質問に答え、できるだけ状況を伝えます。
緊急通報サービスに連絡した事実と併せて、自分の位置情報と緊急事態の種類を緊急連絡先に伝えるオプションを選択します。
衛星通信に接続するには、画面の案内に従います。
接続後は、引き続き画面の案内に従って接続を維持し、その間にメッセージを緊急通報サービスに送信します。
衛星通信に接続すると、Apple Watch Ultra 3は緊急通報サービスの担当者とのテキスト通信を開始し、メディカルIDや緊急連絡先情報(事前に設定してある場合)などの重要情報、緊急事態に関する質問への回答内容、通報者の位置情報(高度も含む)、Apple Watchのバッテリー残量を伝えます。
その他のメッセージへの回答を求められる場合もあります。このサービスは、英語、スペイン語、フランス語(カナダ)、オランダ語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、ポルトガル語に対応しています。
緊急連絡先と情報を共有する
ヘルスケアアプリで緊急連絡先を設定している場合は、衛星経由の緊急SOSで緊急通報サービスにテキスト発信する際に、緊急連絡先に知らせ、情報を共有するかを選択できます。この情報を共有する選択肢を選んだ場合、緊急連絡先には以下のメッセージが自動送信されます。
緊急連絡先がiOS 16.1以降でiMessageを使っている場合は、緊急通報サービスとの会話の内容をリアルタイムで文字で起こして緊急連絡先と共有できます。文字で起こした内容には、以下の情報が含まれます。
緊急事態に関する質問への回答内容。
通報者の位置情報を示した地図。
緊急通報サービスとやり取りしたメッセージ。
緊急連絡先がApple製以外のデバイスを使っている場合や、iOS 16.1以降を使っていない場合は、緊急事態について知らせるテキストメッセージが届きます。米国およびカナダでは、このメッセージの発信元番号は767911です。ヨーロッパでは、発信元番号は767112です。日本では、発信元番号は0005990037です。
メッセージの文面は、「You're receiving this message because someone you know chose you as an emergency contact and used Emergency SOS via satellite」(知り合いの人があなたを緊急連絡先に登録していて衛星経由の緊急SOSを使用したため、この通知があなたに送信されています)です。
追加のテキストメッセージを受信するには、緊急連絡先は最初のメッセージに48時間以内に「YES」と返信する必要があります。「NO」や「STOP」と返信した場合、衛星経由の緊急SOSに関するメッセージは(今回と将来いずれの緊急事態についても)その後届かなくなります。
緊急連絡先が「NO」または「STOP」と返信した場合でも、同じ番号に「RESTART」とテキスト発信すれば、衛星経由の緊急SOSに関するメッセージの受信を再開できます。
その他のメッセージには、通報者の名前、緊急通報サービスに連絡した時刻、通報者の位置情報、緊急事態について知らせた情報などが含まれます。
緊急連絡先は、必要時に「YES」または「NO」と返信する以外は、メッセージに返信できません。緊急通報サービスには緊急事態についてすでに通報済みなので、緊急連絡先が通報する必要はありません。
間違えて利用した衛星経由の緊急SOSを終了する
衛星経由の緊急SOSを利用したものの、緊急通報サービスが必要ない場合は、セッションを終了しないでください。代わりに、担当者が応対してくれるまで待ち、サービスが不要な旨を説明してください。
ほかの衛星通信機能にアクセスする
モバイルデータ通信とWi-Fiの通信の電波が届かない場所にいる場合は、文字盤またはコントロールセンターで
をタップすると、利用可能な衛星通信機能がすべて表示されます。Apple Watch Ultra 3で設定アプリを開いて、「衛星通信」をタップすることもできます。圏外でない限り、衛星通信は設定アプリには表示されません。
衛星経由の緊急SOSの要件と提供状況
Apple Watch Ultra 3が必要です。
モバイルデータ通信やWi-Fiの電波が届かない場所にいる必要があります。
衛星経由の緊急SOSは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スイス、英国、米国で利用できます。4
ほかの地域で利用できるかどうかは、政府機関による規制や必要な承認、その他の市場固有の必要条件によって左右されます。Appleは、より多くの地域で、できるだけ早くこれらの機能を提供できるよう努めています。
衛星経由の緊急SOSに対応している国や地域を訪れている旅行者も衛星経由の緊急SOSを利用できますが、iPhoneを特定の国または地域で購入した場合は除きます。5
米国およびカナダでは、911に電話するかテキストを送信してください。オーストラリアでは、000に電話するかテキストを送信してください。オーストリアでは、112、133、144に電話するかテキストを送信してください。ベルギーでは、100および101に電話するかテキストを送信してください。フランスでは、112、15、17、18、114、119、191、196に電話するかテキストを送信してください。ドイツでは、112および110に電話するかテキストを送信してください。アイルランドおよび英国では、999または112に電話するかテキストを送信してください。イタリアでは、112、113、115、118、1530に電話するかテキストを送信してください。日本では、110、118、119に電話するかテキストを送信してください。ルクセンブルクでは、112、113、12112、12113に電話するかテキストを送信してください。ニュージーランドでは、111に電話するかテキストを送信してください。スペインでは、112に電話してください。スイスでは、112に電話してください。
新しいメッセージのアドレスフィールドに、「emergency」「emergencies」「SOS」「help」「send help」と入力して、衛星通信経由で緊急サービスにテキストを送信することもできます。
Appleの衛星通信ネットワーク機能は、Globalstar, Inc.とその関連会社、またはサードパーティのネットワークプロバイダが提供しています。
マデイラ諸島、アシュモア・カルティエ諸島、アゾレス、バレアリス諸島(イビサ島、フォルメンテラ島、マヨルカ島、メノルカ島)、カナリア諸島(エル・イエロ島、フエルテベントゥラ島、グラン・カナリア島、ラ・ゴメラ島、ラ・パルマ島、ランサローテ島、テネリフェ島)、サンマルタン、サンピエール・ミクロン、コルシカ、コーラルシー、グアドループ、シチリア島とサルディーニャ島、マン島、ワイト島、マルティニーク、オークニー諸島、プエルトリコ、サン・バルテルミ、スコットランドヘブリディーズ諸島、シェトランド諸島、サンマリノ共和国とバチカン市国、トレス海峡諸島、米領バージン諸島を含みます。
アルメニア、ベラルーシ、中国本土、香港、マカオ、カザフスタン、キルギスタン、ロシアで購入したiPhoneモデルは、衛星通信接続の提供対象外です。