iOS 11.2 のセキュリティコンテンツについて
iOS 11.2 のセキュリティコンテンツについて説明します。
Apple セキュリティアップデートについて
Apple では、ユーザ保護の観点から、調査が終了してパッチやリリースが公開されるまでは、セキュリティ上の問題を公開、説明、または是認いたしません。最近のリリースについては、「Apple セキュリティアップデート」ページに一覧形式でまとめています。
セキュリティについて詳しくは、Apple 製品のセキュリティに関するページを参照してください。Apple との通信は、Apple Product Security PGP キーで暗号化できます。
Apple のセキュリティ関連の文書では、可能な場合、脆弱性の CVE-ID に言及しています。
iOS 11.2
App Store
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:ネットワーク上の特権的な地位を悪用した攻撃者に、App Store のパスワードプロンプトを悪用される可能性がある。
説明:入力検証を強化し、入力検証における脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7164:Jerry Decime 氏
自動ロック解除
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションに、昇格した権限を取得される可能性がある。
説明:検証を追加することで、競合状態に対処しました。
CVE-2017-13905:Samuel Groß 氏 (@5aelo)
計算機
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:ネットワーク上で特権的な地位を悪用した攻撃者に、通貨換算レートを改ざんされる可能性がある。
説明:換算レートが HTTPS ではなく HTTP で取得されていました。この問題は、換算レートに対して HTTPS を有効にすることで解決されました。
CVE-2017-2411:Richard Shupak 氏 (linkedin.com/in/rshupak)、Google の Seth Vargo (@sethvargo) 氏、匿名の研究者
CFNetwork Session
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにシステム権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7172:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Richard Zhu 氏 (fluorescence)
CoreAnimation
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションに権限を昇格され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7171:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する 360 Security、Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Tencent Keen Security Lab (@keen_lab)
CoreFoundation
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションに、昇格した権限を取得される可能性がある。
説明:検証を追加することで、競合状態に対処しました。
CVE-2017-7151:Samuel Groß 氏 (@5aelo)
IOKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13847:Google Project Zero の Ian Beer 氏
IOKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7162:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Tencent Keen Security Lab (@keen_lab)
IOMobileFrameBuffer
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13879:Apple
IOSurface
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13861:Google Project Zero の Ian Beer 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13904:Semmle Ltd. の Kevin Backhouse 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネルメモリを読み取られる可能性がある (Meltdown)。
説明:投機的実行と間接分岐予測を利用するマイクロプロセッサを搭載したシステムで、ローカルユーザのアクセス権を持つ攻撃者が、データキャッシュのサイドチャネル解析を通じて情報を不正に入手できる可能性がありました。
CVE-2017-5754:Google Project Zero の Jann Horn 氏、グラーツ工科大学の Moritz Lipp 氏、グラーツ工科大学の Michael Schwarz 氏、グラーツ工科大学の Daniel Gruss 氏、Cyberus Technology GmbH の Thomas Prescher 氏、Cyberus Technology GmbH の Werner Haas 氏、グラーツ工科大学の Stefan Mangard 氏、Paul Kocher 氏、ペンシルベニア大学/メリーランド大学の Daniel Genkin 氏、アデレード大学/Data61 の Yuval Yarom 氏、Rambus (Cryptography Research Division) の Mike Hamburg 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13862:Apple
CVE-2017-13867:Google Project Zero の Ian Beer 氏
CVE-2017-13876:Google Project Zero の Ian Beer 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。
説明:配列境界チェック機能を改善することで、領域外読み込みの脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7173:Brandon Azad 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、型の取り違え (type confusion) の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13855:Google Project Zero の Jann Horn 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。
説明:入力のサニタイズ処理を改善することで、複数の検証不備の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13865:Google Project Zero の Ian Beer 氏
CVE-2017-13868:Brandon Azad 氏
CVE-2017-13869:Google Project Zero の Jann Horn 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:ローカルユーザにシステムを突然終了されたり、カーネルメモリを読み取られる可能性がある。
説明:カーネルに入力検証の脆弱性が存在します。この問題は、入力検証を強化することで解決されました。
CVE-2017-7154:Google Project Zero の Jann Horn 氏
カーネル
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:アプリケーションにカーネル権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13880:Apple
メール
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:暗号化に不正な証明書が使われている。
説明:暗号化されたメールの処理において、S/MIME の問題がありました。この問題は、暗号化の証明書の選択を改善することで解決されました。
CVE-2017-13874:Nicolas Devillard 氏
メールの下書き
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:ネットワーク上で特権的な地位を悪用した攻撃者が、メールを傍受できる可能性がある。
説明:S/MIME の資格情報に暗号化の問題がありました。この問題は、チェックやユーザ制御を追加で設けることで解決されました。
CVE-2017-13860:INNEO Solutions GmbH の Michael Weishaar 氏
メールメッセージフレームワーク
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意のある Web サイトにアクセスすると、アドレスバーを偽装される可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、ユーザインターフェイス不一致の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7152:Thinking Objects GmbH (to.com) の Oliver Paukstadt 氏
ReplayKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:ユーザがスクリーンブロードキャストを制御できない場合がある。
説明:メモリ処理を強化し、型の取り違え (type confusion) の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13888:Microsoft の Dan Niemeyer 氏、Peter Pau 氏 (ArcanaArt.com)
SafariViewController
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意のある Web サイトにアクセスすると、アドレスバーを偽装される可能性がある。
説明:ステート管理を改善し、ユーザインターフェイス不一致の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13891:Janne Raiskila 氏 (@raiskila)
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13885:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する 360 Security
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7165:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する 360 Security
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-13884:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する 360 Security
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意のある Web サイトにアクセスすると、ユーザインターフェイスを偽装される可能性がある。
説明:401 Unauthorized へのリダイレクト応答を悪意のある Web サイトに悪用され、混在コンテンツでロック画面が間違って表示される場合がある。この問題は、URL の表示ロジックを改善することで解決されました。
CVE-2017-7153:Jerry Decime 氏
WebKit
対象となるデバイス:iPhone 5s 以降、iPad Air 以降、iPod touch (第 6 世代)
影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。
説明:メモリ処理を強化し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。
CVE-2017-7156:Ant-financial Light-Year Security Lab の Yuan Deng 氏
CVE-2017-7157:匿名の研究者
CVE-2017-13856:Jeonghoon Shin 氏
CVE-2017-13870:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Tencent Keen Security Lab (@keen_lab)
CVE-2017-7160:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Richard Zhu 氏 (fluorescence)
CVE-2017-13866:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Tencent Keen Security Lab (@keen_lab)
Wi-Fi
対象となるデバイス:iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone SE、iPhone 5s、iPad Pro 12.9-inch (第 1 世代)、iPad Air 2、iPad Air、iPad (第 5 世代)、iPad mini 4、iPad mini 3、iPad mini 2、iPod touch (第 6 世代)
影響:Wi-Fi 通信範囲内にいる攻撃者が、WPA マルチキャスト/GTK クライアントでノンス (nonce) の再利用を強制する場合がある (Key Reinstallation Attacks - KRACK)。
説明:ステート遷移の処理において、ロジックに脆弱性がありました。この問題は、ステート管理を改善することで解決されました。
CVE-2017-13080:KU Leuven の imec-DistriNet グループの Mathy Vanhoef 氏
ご協力いただいたその他の方々
WebKit
Yiğit Can YILMAZ 氏 (@yilmazcanyigit) および Abhinash Jain 氏 (@abhinashjain) のご協力に感謝いたします。
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