watchOS 5.2.1 のセキュリティコンテンツについて

watchOS 5.2.1 のセキュリティコンテンツについて説明します。

Apple セキュリティアップデートについて

Apple では、ユーザ保護の観点から、調査が終了してパッチやリリースが公開されるまでは、セキュリティ上の問題を公開、説明、または是認いたしません。最近のリリースについては、「Apple セキュリティアップデート」ページに一覧形式でまとめています。

Apple のセキュリティ関連の文書では、可能な場合、脆弱性の CVE-ID に言及しています。

セキュリティについて詳しくは、Apple 製品のセキュリティに関するページを参照してください。

watchOS 5.2.1

2019 年 5 月 13 日リリース

AppleFileConduit

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:アプリケーションにシステム権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:メモリ処理を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8593:Dany Lisiansky 氏 (@DanyL931)

CoreAudio

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成されたムービーファイルを処理すると、任意のコードが実行される可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外読み込みに対処しました。

CVE-2019-8585:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する VulWar Corp の riusksk 氏

CoreAudio

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成されたオーディオファイルを処理すると、任意のコードが実行される可能性がある。

説明:エラー処理を改善し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8592:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する VulWar Corp の riusksk 氏

2019 年 8 月 1 日に追加

ディスクイメージ

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:アプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。

説明:入力のサニタイズ処理を強化し、検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8560:バウマン・モスクワ州立工科大学の Nikita Pupyshev 氏

2019 年 5 月 30 日に更新

カーネル

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意のあるアプリケーションにシステム権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8605:Google Project Zero に協力する Ned Williamson 氏

カーネル

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:ローカルユーザにシステムを突然終了されたり、カーネルメモリを読み取られる可能性がある。

説明:配列境界チェック機能を改善することで、領域外読み込みの脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8576:Google Project Zero の Brandon Azad 氏、LINE Security Team の Junho Jang 氏および Hanul Choi 氏

2019 年 5 月 30 日に更新

カーネル

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:アプリケーションにシステムを突然終了されたり、カーネルメモリに書き込まれる可能性がある。

説明:メモリ処理を強化し、型の取り違え (type confusion) の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8591:Google Project Zero に協力する Ned Williamson 氏

メール

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成されたメッセージを処理すると、サービス運用妨害を受ける可能性がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8626:Google Project Zero の natashenka 氏

メールメッセージフレームワーク

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:リモートの攻撃者によって任意のコードが実行される可能性がある。

説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8613:Google Project Zero の natashenka 氏

メッセージ

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成されたメッセージを処理すると、サービス運用妨害を受ける可能性がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8664:Google Project Zero の natashenka 氏

2019 年 8 月 1 日に追加

メッセージ

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:リモートの攻撃者から、システムのサービス運用妨害を受ける可能性がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8573:Google Project Zero の natashenka 氏

2019 年 7 月 3 日に追加

メッセージ

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成されたメッセージを処理すると、サービス運用妨害を受ける可能性がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8664:Google Project Zero の natashenka 氏

2019 年 7 月 3 日に追加

MobileInstallation

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:ローカルユーザが、ファイルシステムの保護された部分を変更できる可能性がある。

説明:symlinks の処理に、検証不備の脆弱性がありました。この問題は、シンボリックリンクの検証を強化することで解決されました。

CVE-2019-8568:Dany Lisiansky 氏 (@DanyL931)

MobileLockdown

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意のあるアプリケーションがルート権限を取得できる場合がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8637:Dany Lisiansky 氏 (@DanyL931)

SQLite

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:アプリケーションに、昇格した権限を取得される可能性がある。

説明:メモリ処理を改善し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8577:Checkpoint Research の Omer Gull 氏

SQLite

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成された SQL クエリによって、任意のコードが実行される可能性がある。

説明:入力検証を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8600:Checkpoint Research の Omer Gull 氏

SQLite

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意のあるアプリケーションが、制限されたメモリを読み取れる可能性がある。

説明:入力検証を強化し、入力検証の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8598:Checkpoint Research の Omer Gull 氏

SQLite

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意のあるアプリケーションに権限を昇格される可能性がある。

説明:脆弱なコードを削除することで、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8602:Checkpoint Research の Omer Gull 氏

sysdiagnose

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:アプリケーションにシステム権限を取得され、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:アクセス権のロジックを改善することで、この問題を解決しました。

CVE-2019-8574:Seekintoo (@seekintoo) の Dayton Pidhirney 氏 (@_watbulb)

2020 年 2 月 3 日に更新

WebKit

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外読み込みに対処しました。

CVE-2019-8607:LINE Security Team の Junho Jang 氏および Hanul Choi 氏

WebKit

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:メモリ処理を強化し、複数のメモリ破損の脆弱性に対処しました。

CVE-2019-8583:Tencent Xuanwu Lab の sakura 氏、Tencent Keen Lab の jessica 氏 (@babyjess1ca_)、Venustech の ADLab の dwfault 氏

CVE-2019-8601:Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する Fluoroacetate 氏

CVE-2019-8622:Google Project Zero の Samuel Groß 氏

CVE-2019-8623:Google Project Zero の Samuel Groß 氏

Wi-Fi

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:ネットワーク上の特権的な地位を悪用した攻撃者がドライバの状態を改ざんできる。

説明:ステート管理を改善し、ロジックの問題に対処しました。

CVE-2019-8612:ダルムシュタット工科大学 Secure Mobile Networking Lab の Milan Stute 氏

2019 年 5 月 30 日に追加

Wi-Fi

対象となるデバイス:Apple Watch Series 1 以降

影響:デバイスが Wi-Fi MAC アドレスでパッシブに追跡される可能性がある。

説明:ブロードキャスト MAC アドレスを削除し、ユーザのプライバシーにかかわる問題に対処しました。

CVE-2019-8620:ダルムシュタット工科大学 Secure Mobile Networking Lab の David Kreitschmann 氏および Milan Stute 氏

ご協力いただいたその他の方々

Clang

Google Project Zero の Brandon Azad 氏のご協力に感謝いたします。

CoreAudio

Trend Micro の Zero Day Initiative に協力する VulWar Corp の riusksk 氏のご協力に感謝いたします。

2019 年 7 月 25 日に追加

CoreFoundation

Vozzie 氏および Rami 氏、Tencent の Xuanwu Lab の m4bln 氏、Xiangqian Zhang 氏、Huiming Liu 氏のご協力に感謝いたします。

カーネル

Google Project Zero の Brandon Azad 氏、および匿名の研究者のご協力に感謝いたします。

MediaLibrary

Angel Ramirez 氏および Min (Spark) Zheng 氏、Alibaba Inc. の Xiaolong Bai 氏のご協力に感謝いたします。

MobileInstallation

Yiğit Can YILMAZ 氏 (@yilmazcanyigit) のご協力に感謝いたします。

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