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残留効果

「残留効果」は、音響心理学的な現象です。人間は、基音成分がまったく失われてしまっても、音のピッチを感じ取ることができます。同じ理由で、基音成分である16’を除いてすべてのレジスタを引き出したとしても、同じピッチに聞こえるはずです。響きは細くなり、低音成分や温かみが減少しますが、ピッチは変わりません。

この能力がなかったとしたら、小さなトランジスタラジオで音楽を聴くことはできないでしょう。小さなラジオの小口径スピーカーからは、その再生可能な周波数域より下にある、最低音部の基音成分は聞こえてこないからです。

ドローバーを設定する際にも、この残留効果を考慮に入れる必要があります。低音域では、8’および5 1/3’のサイン波のドローバーだけで、(それより下の周波数成分は不足しているものの)16’の音が鳴っていると錯覚させることができます。

古いパイプオルガンもこの残留効果を利用していました。本来ならば、長さも重さもある高価な管が必要なところで、小さい管を2つ組み合わせることにより求める音を実現していたのです。現在でもオルガンにはこの効果が利用されています。5 1/3’のドローバーが8’のドローバーよりも左側にあるのはこのためです。つまり、5 1/3’のドローバーは8’より1オクターブ低い音が鳴っていると錯覚させるためによく使われます。

公開日: 2019/09/06
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