Logic Pro X: Alchemyでループを操作する

Alchemyでループを操作する

Logic Pro Xには、トラックでループやApple Loopsを操作するための優れたオプションが数多くあります。EXS24、Ultrabeat、およびAlchemyを使えば、ライブでループをトリガしたり、合成ツールでループを加工したりすることができます。AlchemyはApple Loopsのほか、.aif、.caf、および.wavオーディオファイルの再生をサポートしており、リアルタイムでテンポとピッチを操作できます。Alchemyの高度な合成エンジンでは、複数の再合成方式と豊富なフィルタ、モジュレーション、およびエフェクトオプションを使ってループを変形させることができます。

注記:チュートリアルに掲載されている画像は、タスクで使用するプリセット限定のものではありません。これらは、Alchemyのインターフェイス内で領域やパラメータを検索するときに使用するガイドとして含まれています。

リアルタイムでのタイムストレッチとピッチシフトの例

この例に使うループが見つからない場合は、追加コンテンツのパッケージのダウンロードが必要です。そのためには、メニューバーの「Logic」メニューから「追加コンテンツをダウンロード」を選択します。

  1. 詳細表示に切り替え、Alchemyの「File」メニューから「Initialize Preset」を選択します。

    これによってAlchemyの設定がリセットされ、サウンドをゼロから作成しやすくなります。

  2. プロジェクトのテンポを110 BPMに設定します。

  3. ソースAのソース選択フィールドをクリックして、ポップアップメニューから「Import Audio」を選択します。

    読み込みウインドウが開きます。

    図。読み込みブラウザウインドウ。
  4. Apple Loopsのブラウザを開き、検索フィールドに「Basic Vintage Break」と入力します。Apple Loopsのブラウザから「Vintage Funk Loop 03」ファイルをドラッグし、読み込みウインドウのドロップゾーン領域にドロップします。

    このファイルの元のテンポは100 BPMで、長さは8拍(2小節)分です。

  5. 左下にある分析モードの「Spectral」ボタンと「Formant」ボタンをクリックしてから、「Import」ボタンをクリックします。

    これによって、オーディオサンプルの再合成に使う合成エンジンが決まります。「Spectral」と「Formant」の組み合わせは用途が広く、ドラムループに適しています。これはAlchemyの新しいインスタンスでのデフォルト設定でもあります。分析が完了したら、キーボードのC3を弾くとループが元のピッチと速度のままトリガされます。ほかのピッチを弾くとループがトランスポーズされますが、テンポは変わりません。

  6. ソースのメインコントロールセクションで「Speed」ノブを0%に設定します(左に回し切ります)。

    これによって、ループがテンポ通りに先へ再生されなくなり、現在の位置で最初のいくつかのサンプルが繰り返されます。

    図。すべてのパラメータが表示されたソースサブページ。
  7. ノートを押さえて「Position」ノブを回し、このノブが再生にどのように影響するかを聴いてみましょう。

    「Position」ノブによって、ループ内の再生位置が前後に移動します。値を0%に設定します(左に回し切ります)。

LFOで位置をモジュレートする

  1. Controlキーを押したまま「Position」ノブをクリックして、ショートカットメニューから「Add Modulation」>「LFO」>「LFO1」と選択します。

    これによってLFO 1が「Position」ノブの制御に割り当てられ、中央のモジュレーションセクションが自動的にアップデートされてLFO 1のコントロールが表示されます。

  2. LFOの形状を「Sine」から「Ramp Up」に切り替え、「Rate」を2(小節)に設定してApple Loopの長さに合わせます。

    ヒント:LFOの形状を「Ramp Down」に変更し、「Position」を100%に設定しておいてから0%に戻していくと、ループが逆方向に再生されます。

    図。LFOコントロールパネル。
  3. 「Bipolar」ボタンをクリックしてオフにします。

    「Bipolar」を有効にすると、LFOは周期ごとに正と負の両方の値(-50%-50%)を出力します。オフにすると、正の値(0%-100%)のみが出力されます。キーボードのノートを押さえたままにすると、「Position」ノブの周囲に小さな点が表示され、値が0%から100%に変化していることを示します。「Bipolar」はパンなどのパラメータの制御に便利です。ノブの中央の位置が0に相当するので、値を中央付近で調整します。

  4. C3を弾いて、ループがピッチは元の通りでテンポはプロジェクト(110 BPM)に合わせて再生される様子を聴きます。

その他のループ操作オプション

同じループに以下の追加のオプションを試し、Alchemyのループ操作機能の感覚をつかんでください。

  • トリガモードをオフにして、ノートを弾いたときだけループの位置がファイル内を移動し続ける様子を聴きます。これにより、ノートをリズミカルにトリガできるので、ゲート効果や吃音のような効果を作成できます。このループで非常に短い8分音符の連なりを弾いて、雰囲気を変えてみましょう。

  • ピッチの異なるノートを弾いたりピッチベンドを使用したりすると、ループに小刻みの曲がりくねった効果を加えることができます。デフォルトのピッチベンドの範囲は半音2個分ですが、Alchemyは最大で半音36個分の双方向のピッチベンドをサポートしています。これを設定するには、「Global」表示ボタンをクリックし、マスターセクションで上下の各方向のピッチベンドの値を設定します。

    図。マスター・ボイス・パラメータ。

MSEGで位置をモジュレートする

MSEGエンベロープは、LFOの課題で使ったものと同じ種類の、ループする「Ramp Up」(上昇)パターンを複製できます。ただし、反復する単純なランプではなく、より長く複雑なパターンを複製できます。MSEGエンベロープは、時間の経過に伴うパラメータの変化のしかたについて具体的な考えがある場合に役立ちます。MSEGモジュレータは、単純な短いランプから、非常に長く複雑なシーケンスにいたるまで、幅広いパターンを作成できます。

  1. 「Position」ノブをクリックしてから、モジュレーション領域の隣にあるボタンをクリックしてLFOを無効にします。

    ノートを弾くと、ループが順方向に再生されなくなっていることが聴き取れます。

  2. Controlキーを押したまま「Position」ノブをクリックして、ショートカットメニューから「Add Modulation」>「MSEG Env」>「MSEG1」と選択します。

    これによって、「MSEG 1」が「Position」ノブの制御に割り当てられ、中央のモジュレーションセクションが自動的にアップデートされてMSEG 1のコントロールが表示されます。

    図。マルチ・セグメント・エンベロープ・ジェネレータのコントロールパネル。
  3. MSEGエディタの「File」ボタンをクリックして「Ramp Up」プリセットを読み込みます。

    0%から100%までの8拍(2小節)分のランプが作成されます。ノートを弾くと、結果は前の課題で使ったLFOモジュレーションと同じになります。

  4. MSEGエディタのグラフの線に沿ってクリックし、5、7、9小節目付近に3つのポイントを追加します。ポイントはダブルクリックすると削除されます。

    注記:テンポを一定に保つには、MSEGの各ポイントが正確に配置されていることが重要です。

  5. ポイントを水平方向にドラッグして移動します。テンポグリッドにポイントがスナップします。上下にドラッグして、各ポイントを以下の値に設定します。

    • 1小節目: ポイントの値0%

    • 5小節目: ポイントの値50%

    • 7小節目: ポイントの値25%

    • 9小節目: ポイントの値50%

  6. ノートを押さえたまま、ループがプロジェクトのテンポで、順方向、逆方向、再び順方向に再生される様子を聴きます。

    より複雑なMSEG設定では、ループ内の特定の位置に再生位置をジャンプさせ、元のループのバリエーションを作成できます。

公開日: 2019/09/13
役に立ちましたか?