「Final Cut Pro」のDirection Mixerの概要
Direction Mixerを使うと、MS録音のデコードをしたり、左/右録音におけるステレオベースを広げてそのパン位置を設定したりできます。
Direction Mixerは、マイキング技術を問わず、あらゆる種類のステレオ録音に使うことができます。XY、AB、およびMS録音の詳細については、ステレオマイキング技術と「Final Cut Pro」のDirection Mixerを参照してください。
「Spread」コントロールを使う
Direction Mixerの「Spread」パラメータの動作は、MS信号とLR信号のどちらを受信するかによって変わります。この違いは次の通りです。
LR信号を操作する場合は次のように機能します:
ニュートラル値の1にすると、信号の左/右サイドがそれぞれ正確に左右に配置されます。「Spread」値を小さくすると、両サイドがステレオイメージの中央に向かって移動します。
値を0にすると、モノラルに合成した信号が生成され、入力信号の両サイドが2つの出力に同じレベルで振り分けられます。1より大きい値では、ステレオベースがスピーカーの空間的な限界を超えたイメージ上のポイントまで広がります。
MS信号を操作する場合は次のように機能します:
1以上の値ではサイド信号のレベルが上がり、中央信号よりも高くなります。
値を2にすると、サイド信号しか聞こえません。
「Direction」コントロールを使う
「Direction」を値0に設定すると、ステレオ録音でステレオベースの中央ポイントがミックスのちょうど中央に配置されます。
LR信号を操作する場合は次のように機能します:
90°では、ステレオベースの中央が完全に左にパンされます。
- 90°では、ステレオベースの中央が完全に右にパンされます。
値が大きくなると、ステレオベースの中央がステレオミックスの中央に戻りますが、この場合、録音におけるステレオサイドが入れ替わる結果になります。たとえば、値を180°または- 180°にすると、ステレオベースの中央がミックス内でデッドセンターになりますが、録音の左/右サイドは入れ替わります。
MS信号を操作する場合は次のように機能します:
90°では、中央信号が完全に左にパンされます。
- 90°では、中央信号が完全に右にパンされます。
値が大きくなると、中央信号がステレオミックスの中央に戻りますが、この場合、録音におけるサイド信号が入れ替わる結果になります。たとえば、値を180°または- 180°にすると、中央信号がミックス内でデッドセンターになりますが、サイド信号の左/右サイドは入れ替わります。