watchOS 9.4 のセキュリティコンテンツについて

watchOS 9.4 のセキュリティコンテンツについて説明します。

Apple セキュリティアップデートについて

Apple では、ユーザ保護の観点から、調査が終了してパッチやリリースが公開されるまでは、セキュリティ上の問題を公開、説明、または是認いたしません。最近のリリースについては、「Apple セキュリティアップデート」ページに一覧形式でまとめています。

Apple のセキュリティ関連の文書では、可能な場合、脆弱性の CVE-ID に言及しています。

セキュリティについて詳しくは、Apple 製品のセキュリティに関するページを参照してください。

watchOS 9.4

2023 年 3 月 27 日リリース

AppleMobileFileIntegrity

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ユーザがファイルシステムの保護された部分へのアクセス権を取得できる可能性がある。

説明:チェックを強化することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-23527:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

Calendar

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成されたカレンダーの出席依頼を読み込むと、ユーザ情報を密かに抽出される可能性がある。

説明:入力のサニタイズ処理を改善することで、複数の検証不備の脆弱性に対処しました。

CVE-2023-27961:Rıza Sabuncu 氏 (@rizasabuncu)

Camera

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:サンドボックス化されたアプリが、カメラを使用中のアプリを判断できる可能性がある。

説明:アプリの状態のオブザーバビリティ (可観測性) について追加で制限を設けて、この問題に対処しました。

CVE-2023-23543:Yiğit Can YILMAZ 氏 (@yilmazcanyigit)

2023 年 6 月 8 日に追加

CoreCapture

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-28181:清華大学 (Tsinghua University) の Tingting Yin 氏

Find My

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリが機微な位置情報を読み取れる可能性がある。

説明:ログエントリに対するプライバシーデータの墨消しを改善することで、プライバシーの問題に対処しました。

CVE-2023-23537:Adam M. 氏

CVE-2023-28195:Adam M. 氏

2023 年 12 月 21 日に更新

FontParser

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された画像を処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-27956:Baidu Security の Ye Zhang 氏

Foundation

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された plist を解析すると、アプリが予期せず終了したり、任意のコードが実行されたりする可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、整数オーバーフローに対処しました。

CVE-2023-27937:匿名の研究者

Identity Services

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがユーザの連絡先に関する情報にアクセスできる可能性がある。

説明:ログエントリに対するプライバシーデータの墨消しを改善することで、プライバシーの問題に対処しました。

CVE-2023-27928:Offensive Security の Csaba Fitzl 氏 (@theevilbit)

ImageIO

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された画像を処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-23535:ryuzaki 氏

ImageIO

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された画像を処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外読み込みに対処しました。

CVE-2023-27929:Mbition Mercedes-Benz Innovation Lab の Meysam Firouzi 氏 (@R00tkitSMM) および Trend Micro Zero Day Initiative に協力する jzhu 氏

ImageIO

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:画像を処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外読み込みに対処しました。

CVE-2023-42862:Meysam Firouzi 氏 (@R00tkitSMM)

CVE-2023-42865:Trend Micro Zero Day Initiative に協力する jzhu 氏、Mbition Mercedes-Benz Innovation Lab の Meysam Firouzi 氏 (@R00tkitSMM)

2023 年 12 月 21 日に追加

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:配列境界チェック機能を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-23536:Félix Poulin-Bélanger 氏、David Pan Ogea 氏

2023 年 6 月 8 日に追加、2023 年 12 月 21 日に更新

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。

CVE-2023-27969:ASU SEFCOM の Adam Doupé 氏

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ルート権限を持つアプリが、カーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-27933:sqrtpwn 氏

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリからサービス運用妨害を受ける可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、整数オーバーフローに対処しました。

CVE-2023-28185:STAR Labs SG Pte. Ltd. の Pan ZhenPeng 氏

2023 年 12 月 21 日に追加

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:カーネルコードの実行をやり遂げた攻撃者が、カーネルメモリの緩和策を回避できる可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-32424:浙江大学の Zechao Cai 氏 (@Zech4o)

2023 年 12 月 21 日に追加

Podcasts

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがユーザの機微データにアクセスできる可能性がある。

説明:チェックを強化することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-27942:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

Sandbox

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがプライバシーの環境設定を回避する可能性がある。

説明:検証を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。

CVE-2023-28178:Yiğit Can YILMAZ 氏 (@yilmazcanyigit)

2023 年 6 月 8 日に追加

Shortcuts

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ショートカットが特定のアクションで、ユーザに確認することなく機微なユーザデータを使用できる可能性がある。

説明:アクセス権のチェックを追加で設けることで、この問題に対処しました。

CVE-2023-27963:TRS Group Of Companies の Jubaer Alnazi Jabin 氏、Alibaba Group の Wenchao Li 氏および Xiaolong Bai 氏

TCC

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがユーザの機微データにアクセスできる可能性がある。

説明:この問題は、脆弱なコードを削除することで解決されました。

CVE-2023-27931:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、同一生成元ポリシーを回避される可能性がある。

説明:ステート管理を改善し、この問題に対処しました。

WebKit Bugzilla:248615
CVE-2023-27932:匿名の研究者

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:Web サイトに重要なユーザ情報を追跡される可能性がある。

説明:この問題は、オリジン情報を削除することで解決されました。

WebKit Bugzilla:250837
CVE-2023-27954:匿名の研究者

ご協力いただいたその他の方々

Activation Lock

Christian Mina 氏のご協力に感謝いたします。

CFNetwork

匿名の研究者のご協力に感謝いたします。

CoreServices

Mickey Jin 氏 (@patch1t) のご協力に感謝いたします。

ImageIO

Meysam Firouzi 氏 (@R00tkitSMM) のご協力に感謝いたします。

Mail

Chen Zhang 氏、FH Münster University of Applied Sciences (ミュンスター応用科学大学) の Fabian Ising 氏、FH Münster University of Applied Sciences の Damian Poddebniak 氏、Münster University of Applied Sciences の Tobias Kappert 氏、Münster University of Applied Sciences の Christoph Saatjohann 氏、Sebast 氏、CISPA Helmholtz Center for Information Security の Merlin Chlosta 氏のご協力に感謝いたします。

Safari Downloads

Andrew Gonzalez 氏のご協力に感謝いたします。

WebKit

匿名の研究者のご協力に感謝いたします。

 

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