watchOS 9.2 のセキュリティコンテンツについて

watchOS 9.2 のセキュリティコンテンツについて説明します。

Apple セキュリティアップデートについて

Apple では、ユーザ保護の観点から、調査が終了してパッチやリリースが公開されるまでは、セキュリティ上の問題を公開、説明、または是認いたしません。最近のリリースについては、「Apple セキュリティアップデート」ページに一覧形式でまとめています。

Apple のセキュリティ関連の文書では、可能な場合、脆弱性の CVE-ID に言及しています。

セキュリティについて詳しくは、Apple 製品のセキュリティに関するページを参照してください。

watchOS 9.2

2022 年 12 月 13 日リリース

Accessibility

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ロックされた Apple Watch に物理的にアクセスできるユーザが、アクセシビリティ機能を使ってユーザの写真を表示できる可能性がある。

説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46717:Zhuhai No.1 Middle School (珠海市第一中学) の Zitong Wu (吴梓桐) 氏

2023 年 6 月 6 日に追加

Accounts

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ユーザが、重要なユーザ情報を閲覧できる可能性がある。

説明:この問題は、データ保護を強化することで解決されました。

CVE-2022-42843:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

AppleAVD

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成されたビデオファイルを解析すると、カーネルコードが実行される可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外書き込みの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46694:Andrey Labunets 氏および Nikita Tarakanov 氏

AppleMobileFileIntegrity

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがプライバシーの環境設定を回避する可能性がある。

説明:Hardened Runtime を有効にして、この問題に対処しました。

CVE-2022-42865:SecuRing の Wojciech Reguła 氏 (@_r3ggi)

CoreServices

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがプライバシーの環境設定を回避する可能性がある。

説明:脆弱なコードを削除することで、複数の問題に対処しました。

CVE-2022-42859:Mickey Jin 氏 (@patch1t)、Offensive Security の Csaba Fitzl 氏 (@theevilbit)

ImageIO

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成されたファイルを処理すると、任意のコードが実行される可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外書き込みの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46693:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

IOHIDFamily

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:ステート処理を強化することで、競合状態の脆弱性に対処しました。

CVE-2022-42864:Tommy Muir 氏 (@Muirey03)

IOMobileFrameBuffer

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、領域外書き込みの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46690:John Aakerblom 氏 (@jaakerblom)

iTunes Store

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:リモートユーザによって、アプリが突然終了されたり、任意のコードが実行されたりする可能性がある。

説明: URL の解析に脆弱性が存在します。入力検証を強化し、この脆弱性に対処しました。

CVE-2022-42837:匿名の研究者

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリがカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:検証を追加することで、競合状態に対処しました。

CVE-2022-46689:Google Project Zero の Ian Beer 氏

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:リモートユーザによってカーネルコードが実行される可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2022-42842:Ant Security Light-Year Lab の pattern-f 氏 (@pattern_F_)

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ルート権限を持つアプリが、カーネル権限で任意のコードを実行できる可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2022-42845:ASU SEFCOM の Adam Doupé 氏

Kernel

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:任意の読み書き権限を持つ攻撃者が、ポインタ認証を回避できる可能性がある。Apple では、iOS 15.7.1 より前にリリースされたバージョンの iOS で、この脆弱性が悪用された可能性があるという報告を把握しています。

説明:チェックを強化することで、この問題に対処しました。

CVE-2022-48618:Apple

2024 年 1 月 9 日に追加

libxml2

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:リモートユーザによって、アプリが突然終了されたり、任意のコードが実行されたりする可能性がある。

説明:入力検証を強化することで、整数オーバーフローに対処しました。

CVE-2022-40303:Google Project Zero の Maddie Stone 氏

libxml2

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:リモートユーザによって、アプリが突然終了されたり、任意のコードが実行されたりする可能性がある。

説明:この問題は、チェックを強化することで解決されました。

CVE-2022-40304:Google Project Zero の Ned Williamson 氏および Nathan Wachholz 氏

Preferences

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリが任意のエンタイトルメントを使用できる可能性がある。

説明:ステート管理を改善し、ロジックの問題に対処しました。

CVE-2022-42855:Google Project Zero の Ivan Fratric 氏

2023 年 6 月 6 日に追加

Safari

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意のあるコンテンツが含まれる Web サイトを表示すると、UI が偽装される可能性があります。

説明:URL の処理に、偽装の脆弱性がありました。入力検証を強化し、この脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46695:KirtiKumar Anandrao Ramchandani 氏

Software Update

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:ユーザが権限を昇格できる場合がある。

説明:特権のある API コールにアクセス関連の脆弱性がありました。この問題は、制限を追加で設けることで解決されました。

CVE-2022-42849:Mickey Jin 氏 (@patch1t)

Weather

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリが重要な位置情報を読み取れる可能性がある。

説明:制限を強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46703:SecuRing の Wojciech Reguła 氏 (@_r3ggi)、匿名の研究者

2023 年 6 月 6 日に追加

Weather

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:アプリが機微な位置情報を読み取れる可能性がある。

説明:キャッシュの処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2022-42866:匿名の研究者

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意のある Web サイトにアクセスすると、アドレスバーを偽装される可能性がある。

説明:URL の処理に、偽装の脆弱性がありました。入力検証を強化し、この脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46705:Team ApplePIE の Hyeon Park 氏 (@tree_segment)

2023 年 6 月 6 日に追加

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:メモリ管理を強化し、解放済みメモリ使用 (use-after-free) の脆弱性に対処しました。

WebKit Bugzilla:245521
CVE-2022-42867:Google Project Zero の Maddie Stone 氏

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:メモリ処理を強化し、メモリ消費の脆弱性に対処しました。

WebKit Bugzilla:245466
CVE-2022-46691:匿名の研究者

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、同一生成元ポリシーを回避される可能性がある。

説明:ステート管理を改善し、ロジックの問題に対処しました。

WebKit Bugzilla:246783
CVE-2022-46692:KirtiKumar Anandrao Ramchandani 氏

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、プロセスメモリが漏洩する可能性がある。

説明:メモリ処理を改善することで、この問題に対処しました。

CVE-2022-42852:Trend Micro Zero Day Initiative に協力する hazbinhotel 氏

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:入力検証を強化し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

WebKit Bugzilla:246942
CVE-2022-46696:Google V8 Security の Samuel Groß 氏

WebKit Bugzilla:247562
CVE-2022-46700:Google V8 Security の Samuel Groß 氏

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、ユーザの機微情報が漏洩する可能性がある。

説明:チェックを強化し、ロジックの脆弱性に対処しました。

CVE-2022-46698:高麗大学校 (Korea Univ.) SSD Secure Disclosure Labs & DNSLab の Dohyun Lee 氏 (@l33d0hyun)

WebKit

対象:Apple Watch Series 4 以降

影響:悪意を持って作成された Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。

説明:ステート管理を改善し、メモリ破損の脆弱性に対処しました。

WebKit Bugzilla:247420
CVE-2022-46699:Google V8 Security の Samuel Groß 氏

WebKit Bugzilla:244622
CVE-2022-42863:匿名の研究者

ご協力いただいたその他の方々

Kernel

Kunlun Lab の Zweig 氏のご協力に感謝いたします。

Safari Extensions

1Password の Oliver Dunk 氏および Christian R. 氏のご協力に感謝いたします。

WebKit

匿名の研究者および scarlet 氏のご協力に感謝いたします。

 

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