Appleネットワーク応答性テストでWi-Fiをテストする
Appleネットワーク応答性テストは、ネットワークの応答性や、複数のデバイスやアプリが同時にネットワークを共有している場合のマルチタスク能力を測定します。
この記事の手順は上級者向けで、主にデベロッパを対象としています。
応答性をテストする方法
iOS、iPadOS、macOSでAppleネットワーク応答性テストを実行できます。
iOSまたはiPadOSデバイスの場合
デバイスがiOSまたはiPadOS 15以降を搭載していることを確認します。
テストしたいWi-Fiネットワークに接続します。
Apple Developer WebサイトのWi-Fiの「Profiles and Logs」ページにアクセスします。必要に応じて、Apple Developerアカウントでログインしてください。
「Profile」をタップし、Wi-Fiプロファイルをダウンロードします。設定アプリを開いて、「プロファイルがダウンロード済み」をタップします。「インストール」をタップします。「Wi-Fi Performance Diagnostics」プロファイルのインストールが始まります。画面の案内に従って、プロファイルのインストールを終わらせます。
プロファイルがインストールされたら、「設定」>「Wi-Fi」の順に選択します。
ネットワークの横にある
をタップし、「診断」をタップします。「応答性」の横の「テスト」をタップします。
または、Apple Developerに登録していて、デバイスをXcodeによる開発で使えるようにしている場合は、「設定」>「デベロッパ設定」の順に選択すると、「ネットワーク」セクションに「応答性」テストが見つかります。
Macの場合
コンピュータにmacOS Monterey以降が搭載されていることを確認します。
テストしたいWi-Fiネットワークに接続します。
ターミナルに「
networkQuality
」と入力します。このコマンドの詳細について調べるには、「
man networkQuality
」と入力してください。
独自のサーバや独自のネットワークに対してテストすることもできます。GitHubの「Network Quality Server」をお読みください。
結果を理解する
Appleネットワーク応答性テストは、RPM(1分あたりのラウンドトリップ数)という指標を用いて結果を報告します。RPMとは、ネットワークが通常稼働している状態で1分間に処理できる連続ラウンドトリップ数(トランザクション数)です。
ネットワークのRPMから何を読み取ればいいか判断できるよう、Appleネットワーク応答性テストでは、ネットワークの応答性を以下の3つのカテゴリに分類します。
低い:同じネットワーク上のデバイスが、たとえば、映画のダウンロードやiCloudへの写真のバックアップなどを行っていると、一部のデバイスやサービス(FaceTimeビデオ通話やゲームなど)で接続が不安定になる可能性があります。
中間:複数のデバイスやアプリがネットワークを共有している場合、FaceTimeの音声通話やビデオ通話の最中などに、一時的に停止またはフリーズする可能性があります。
高い:ネットワークを共有しているデバイスやアプリの数に関係なく、アプリやサービスは安定した接続を維持できます。
ネットワークの反応が悪い場合の対処法
Wi-Fi接続や有線のネットワーク接続をご利用の場合、SQM(Smart Queue Management)に対応した一部のルーターで応答性が高い状態を維持できますが、こうしたハイエンドのホームゲートウェイは一般に、専門的な手動構成がある程度必要になってきます。Appleネットワーク応答性テストは、こうしたホームゲートウェイの評価や比較のツールとして使いやすく、さまざまな構成設定を試したりその効果を比較したりする際の繰り返しテストとして特に有効です。