Logic Pro X でテンポを自動的に合わせる

Logic Pro 10.4 のスマートテンポ機能を使えば、メトロノームを鳴らさずに演奏を録音し、録音のテンポに合わせてプロジェクトのテンポを調整したり、プロジェクトのテンポはそのまま維持して、Flex 機能で録音のテンポをプロジェクトに合わせたりできます。

1 つまたは複数のオーディオトラック、ソフトウェア音源トラック、MIDI トラックの録音時に、スマートテンポを使えます。スマートテンポには、「保持 (KEEP)」「調整 (ADAPT)」「自動 (AUTO)」の 3 つのモードがあります。

  • プロジェクトのテンポ設定を使い、テンポに関連するすべての素材を同期する場合は、「保持」モードを使います。
  • 録音した演奏やオーディオファイルのテンポを解析し、そのテンポに合わせる場合は、「調整」モードを使います。
  • プロジェクトにテンポ基準 (メトロノームや別のリージョンなど) があるかどうかに基づいてモードを自動選択する場合は、「自動」モードを使います。テンポ基準がある場合は、プロジェクトのテンポがそのまま使われます。音楽的なテンポ基準が不在の場合は、録音した/読み込んだオーディオファイルのテンポに合わせてプロジェクトのテンポが調整されます。

スマートテンポのモードを選択するには、LCD の「スマートテンポ」ポップアップメニューをクリックします。

録音中にプロジェクトのテンポを合わせる

録音中にプロジェクトのテンポを演奏に合わせるには、「調整 (ADAPT)」モードを使います。新しいプロジェクトで最初のトラックを録音する際は、「調整 (ADAPT)」モードを一時的に使ってください。後続のトラックを「調整 (ADAPT)」モードをオンにしたまま録音すると、前回の録音を基準にしてテンポマップが変化します。 

  1. 新しいプロジェクトを作成し、オーディオトラックを追加します。
  2. LCD テンポディスプレイから「ADAPT」(調整) を選択します。テンポトラックが開いて、オーディオリージョンの録音中、追加中、または移動中にプロジェクトのテンポがどう変化するかを確認できます。
  3. 録音を始める前に、トラックの録音が終わった直後に自動実行されるアクションもいくつか設定しておけます。たとえば、トラックの開始位置を最初のダウンビートまで自動的にトリミングできます。「ファイル」>「プロジェクト設定」>「スマートテンポ」の順に選択し、「新規録音の設定」ポップアップメニューの横で「新規リージョンの先頭までトリム」を選択してください。
  4. 録音を開始します。録音中、プロジェクトのテンポが録音に合わせて調整されます。リージョンの赤い線は、検出されたテンポチェンジを表します。テンポマップがテンポトラックに表示されます。
  5. 録音が終わったら、スペースバーを押してトランスポートを停止します。
  6. 表示されるダイアログで、ファイル・テンポ・エディタを適宜開くことができます。スマート・テンポ・エディタでは、録音内容をプレビューし、ダウンビート、テンポ、その他のテンポパラメータを調整できます。

リージョンを移動または編集した場合、テンポの変化もリージョンに追随して移動後/編集後の位置に適用されます。Drummer トラック、その他のリズミックな音源、Apple Loops をトラックに追加すると、それらが元のトラックのテンポに合わせて自動的に調整されます。マルチトラック録音を行い、トラックを後から追加する場合は、スマートテンポで使われているトラックセットにトラックを追加し、テンポマップを作成して、テンポを再解析できます。

オーディオファイルを読み込んだ場合、読み込んだオーディオファイルに合わせてプロジェクトのテンポが変化します。

 

スマートテンポで DJ ミックスを作成する

スマートテンポ機能を使えば、DJ スタイルのミックスを簡単に作り、ミックスの曲をすべて同じテンポに合わせてスムーズに仕上げることができます。すべての曲を定義済みのテンポに合わせて再生するミックスか、最初に読み込んだ曲のテンポに合わせて再生するミックスを作成できます。

定義済みのテンポで再生されるミックスを作成する

  1. 新しい空のプロジェクトを作成します。
  2. 「スナップ」ポップアップメニューを「スマート」に設定します。 
  3. LCD でテンポをダブルクリックし、ミックスで使いたいテンポを入力します。
  4. 「ファイル」>「プロジェクト設定」>「スマートテンポ」の順に選択し、以下のように設定します。
    • 「プロジェクト・テンポ・モードのデフォルト」ポップアップメニューから「プロジェクトテンポを保持」を選択します。
    • 「読み込んだオーディオファイルの設定」ポップアップメニューから「オン+小節とビートを揃える」を選択します。読み込んだファイルで Flex が自動的に有効になり、スマートテンポ解析を使って、現在のプロジェクトテンポでダウンビートやビートがグリッドにクオンタイズされます。
  5. 最初のオーディオファイルを読み込みます。Logic Pro でファイルが分析され、設定されているプロジェクトテンポに合わせてファイルが調整されます。
  6. スマート・テンポ・エディタで調整するには、「表示」をクリックします。
  7. トラック領域で、曲の開始位置と終了位置を適宜トリミングまたは移動します。
  8. 次のオーディオファイルを読み込みます。新たに読み込んだファイルがプロジェクトのテンポで再生されます。

読み込んだ最初の曲のテンポでミックスを作成する

  1. 新しい空のプロジェクトを作成します。
  2. 「スナップ」ポップアップメニューを「スマート」に設定します。 
  3. 「ファイル」>「プロジェクト設定」>「スマートテンポ」の順に選択し、以下のように設定します。
    • 「プロジェクト・テンポ・モードのデフォルト」ポップアップメニューから「プロジェクトテンポを調整」を選択します。
    • 「読み込んだオーディオファイルの設定」ポップアップメニューから「オン」を選択します。読み込んだファイルで Flex が自動的に有効になります。
  4. 最初のオーディオファイルを読み込みます。Logic Pro でファイルが分析され、テンポマップが作成されます。
  5. スマート・テンポ・エディタで調整するには、ダイアログの「表示」をクリックします。たとえば、必要に応じて、新しいダウンビートをファイルの先頭に設定してください。
  6. トラック領域で、曲の開始位置と終了位置を適宜トリミングまたは移動します。
  7. スマートテンポを「KEEP」(保持) に設定し、次の曲を同じトラックに読み込みます。読み込んだファイルが、最初のオーディオファイルの最後のテンポイベントに合わせて再生されます。

マルチトラック録音でスマートテンポを使う

マルチトラックオーディオ録音でスマートテンポを使う場合は、マルチトラックのオーディオファイルが全部まとめて解析され、テンポマップが作成されます。これを行うため、Logic Pro はマルチトラックセットを作成します。このセットはいつでも編集できます。バックグラウンドで Logic Pro がダウンミックスを作成し、これをスマートテンポが使ってマルチトラックのオーディオファイルを解析します。スマート・テンポ・エディタでテンポ解析の結果を調整する際に、このダウンミックスを使います。

スマートテンポとマルチトラック録音の使い方は、以下の 3 通りあります。

  • マルチトラック録音を作成し、スマートテンポで録音中にテンポを合わせることができます。
  • 複数のオーディオファイルをプロジェクトに読み込んで、読み込みと同じタイミングでそれらのファイルをスマートテンポで解析できます。
  • プロジェクトのトラック領域で複数のオーディオリージョンを選択し、それらをまとめてスマートテンポで解析できます。 

マルチトラック録音の作成時には、または複数のファイルをトラック領域に読み込む場合は、以下のオプションを先に設定しておいてください。

  1. 「ファイル」>「プロジェクト設定」>「スマートテンポ」の順に選択します。
  2. 「プロジェクト・テンポ・モードのデフォルト」ポップアップメニューから「プロジェクトテンポを調整」を選択します。
  3. オーディオファイルの読み込み時に、「読み込んだオーディオファイルの設定」ポップアップメニューから「オン」を選択します。読み込んだファイルで Flex が自動的に有効になります。

トラック領域で複数のオーディオリージョンを選択して解析する

マルチトラック録音の作成時にスマートテンポを使わなかった場合は、録音した後でオーディオリージョンを解析できます。

  1. 解析したいオーディオリージョンをトラック領域で選択します。
  2. 選択したリージョンのうち 1 つを「control」キーを押しながらクリックして、「テンポ」>「スマートテンポのマルチトラックセットを作成」を選択します。
  3. 「スマートテンポのマルチトラックセット」ウインドウの「解析対象」列で、スマートテンポ解析の対象から除外するリージョンについては選択を解除しておきます。
  4. 「解析」をクリックします。スマート・テンポ・エディタで各リージョンのテンポ解析の結果を調整できます。また、マルチトラックセットのリージョンを追加または削除して、いつでも再解析できます。

マルチトラックセットを編集する

複数のリージョンを最初に解析した後で、マルチトラックセットを編集してスマートテンポ解析の対象にするリージョンを追加または削除し、テンポ解析を更新することができます。トラック領域で、マルチトラックセットで使われているリージョンのいずれか 1 つを「control」キーを押しながらクリックし、「テンポ」>「スマートテンポのマルチトラックセットを編集」を選択します。

セットを再解析するには、リージョンを選択または選択解除してテンポ解析の対象を決めてから、「アップデート」をクリックします。

新しいマルチトラックセットを作成するには、「セットを解消」をクリックします。その後、使いたい新しいリージョンをトラック領域で選択し、そのうちの 1 つを「control」キーを押しながらクリックして、「テンポ」>「スマートテンポのマルチトラックセットを作成」を選択します。

ソフトウェア音源トラックや MIDI トラックでスマートテンポを使う

新しいプロジェクトで、ソフトウェア音源トラックや外部 MIDI トラックを作成し、スマートテンポのモードを「ADAPT」に設定して、演奏を録音します。オーディオトラックの場合と同様に、Logic Pro でテンポマップが作成されます。ソフトウェア音源トラックや MIDI トラックについてもスマート・テンポ・エディタを使えます。オーディオファイルの場合とは違って、スマートテンポの編集結果が MIDI リージョンに直接保存されます。

スマートテンポの解析結果を調整してテンポ検出エラーを訂正する

スマートテンポを使ってオーディオリージョンを録音した後や、オーディオファイルを読み込んだ後で、スマート・テンポ・エディタを使ってテンポ解析の結果を調整し、テンポ検出エラーを訂正できます。

たとえば、オーディオファイルを録音したり読み込んだりした後で Logic Pro でダウンビートが検知されなかった場合に、オーディオファイルのダウンビートを設定できます。オーディオファイルの波形を表示するメインのディスプレイで、ダウンビート (オレンジの線) を作成したいビートマーカー (赤い線) の上にポインタを置いてください。ビートマーカーの長さ分、マーカーに沿って円状のハンドル一式が表示されます。各ハンドルにはタグがあり、そのハンドルの機能の説明が表示されます。ビートマーカーの上にポインタを置いて、「ダウンビートを設定」ハンドルをクリックします。メインウインドウでハンドルを使って、ビートマーカーを移動したり拡大縮小したりすることもできます。

ほかにもスマート・テンポ・エディタでは、以下のような機能を使えます。

  • オーディオファイルのテンポデータを編集するには、「編集」ポップアップメニューをクリックします。オーディオファイルを再解析する、リージョンのテンポをプロジェクトに適用する/プロジェクトのテンポをリージョンに適用する、ファイルに行ったテンポ編集を取り消すなど、さまざまな作業ができます。
  • ファイルのテンポを 2 倍または 1/2 倍にするには、テンポディスプレイで「x2」または「/2」をクリックします。たとえば、オーディオトラックを「調整」モードで録音した場合に、自分が思っていたよりも 2 倍または 1/2 倍のテンポが自動検出されたようなときに使えます。
  • ファイルをプレビューするには、 をクリックします。
  • プレビューにメトロノームを追加するには、 をクリックします。
  • ファイルの再生をループさせるには、 をクリックします。

MIDI ファイルについては、MIDI リージョンのスマートテンポ解析では、拍子やダウンビートの位置の解析は省かれます。Logic Pro は自動的に、最初の MIDI ノートイベントをダウンビートにします。

マルチトラックセットのダウンミックスを編集する

スマート・テンポ・エディタでマルチトラックセットを編集する場合は、マルチトラックセットに含まれている個々のリージョンのいずれかではなく、ダウンミックスを編集するようにしてください。スマート・テンポ・エディタで、「ファイル名」ポップアップメニューをクリックして、「ダウンミックス」を選択します。その後、ダウンミックスを設定し、マルチトラックセットに対してほかのアクションを実行できます。

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