Xsan ボリュームが起動時に自動的にマウントされない場合

macOS Sierra または OS X El Capitan を搭載した Xsan クライアントで Xsan ボリュームが起動時に自動的にマウントされない場合の対処法をご案内します。

macOS Sierra または OS X El Capitan を搭載した Xsan クライアントでは、SAN ボリュームが起動時に自動的にマウントされないことがあります。マウントを試して失敗した記録は、システムログに以下のようなメッセージとして残っています。

Mar 3 23:31:35 xsanclient1 kernel[0] : Could not mount filesystem VolumeName, cvfs error 'No such device' (36)

影響を受けたシステムでは、起動後数分以内に SAN ボリュームを手動でマウントできるはずです。xsanctl(8) コマンドラインユーティリティを使って SAN ボリュームをマウントできます。

xsanctl mount VolumeName

Promise SANLink2 ドライバをアップデートする

Promise SANLink2 Fibre Channel ホストアダプタをお使いの場合は、ドライバを最新バージョンにアップデートしてください。Promise から最新のドライバを入手できるかご確認ください。

macOS Sierra をアップデートする

macOS Sierra 10.12.4 以降では、Xsan クライアントはデフォルトで各ボリュームを 5 回マウントしようと試みます。大半の SAN では、これで起動時に正常にマウントできるようになるはずです。

LUN の数が多い大規模な SAN に属する Xsan クライアントでは、システムが起動時にすべての LUN を検出するのに時間がかかる場合があります。そうしたシステムでは、mnt_retry マウントオプションを使ってマウント試行回数を増やす必要があります。

Xsan の起動を遅らせる

ドライバと macOS をアップデートしても問題が解決しない場合は、以下の手順で Xsan の起動を遅らせることで問題を回避できます。

1. 「xsandelay.tgz」ファイルをダウンロードします。ただし、展開はしないでください。

2. 以下のターミナルコマンドを使って、必要なファイルをインストールします。

sudo darwinup install ~/Downloads/xsandelay.tgz

「xsandelay.tgz」ファイルが「ダウンロード」フォルダの中にない場合は、必要に応じて上記のコマンドを適宜修正してください。このコマンドで、以下の 2 つのファイルがインストールされます。

/usr/local/libexec/xsandelay.py

/Library/LaunchDaemons/com.apple.support.ht205706.xsandelay.plist3.

3. 「xsandelay.py」スクリプトの launchd ジョブを有効にして、このスクリプトが起動時に自動的に実行されるように設定します。

sudo launchctl enable system/com.apple.support.ht205706.xsandelay

変更作業を元に戻す

上記の手順で行った変更を元に戻して、「xsandelay.tgz」アーカイブでインストールしたファイルを削除できます。以下の手順を実行してください。

1. 以下のターミナルコマンドを使用して、「xsandelay.py」スクリプトが起動時に実行されないようにします。

sudo launchctl disable system/com.apple.support.ht205706.xsandelay

2. このスクリプトとその「launchd.plist」ファイルを以下のコマンドでアンインストールします。

sudo darwinup uninstall xsandelay.tgz