macOS Server でプロファイルマネージャに関する問題を解決する

プロファイルマネージャが正しく機能しない場合に、問題を特定し、解決する方法をご案内します。

管理ページにアクセスできない場合

プロファイルマネージャの基本設定は、Server App で行います。Safari を使って、プロファイルマネージャの /mydevices Web ページと管理 Web ページにアクセスする必要があります。

管理ページにアクセスできるのは、サーバ管理者だけです。管理ページの URL 形式は次の通りです。

  • https://<お使いのサーバの完全修飾ドメイン名>/profilemanager
    例:https://www.example.com/profilemanager

iPhone、iPad、iPod touch、Mac は、以下の場所から登録します。

  • https://<お使いのサーバの完全修飾ドメイン名>/mydevices
    例:https://www.example.com/mydevices

Safari 以外の Web ブラウザで管理ページにアクセスできない場合は、Safari を試してください。Safari でもアクセスできない場合は、DNS サーバを確認してください。プロファイルマネージャの配備を管理する上で、DNS 設定は重要です。プロファイルマネージャが開かない場合は、お使いのサーバが信頼性の高い DNS サーバを参照しているか確認してください。

プロファイルまたは App をクライアントにプッシュできない場合

プロファイルまたは App をクライアントシステムにプッシュする際に問題が起きる場合は、コンソールでシステムログファイルを確認してください。このログに、サーバが Apple の APNS サーバに接続できないと記録されている場合は、ネットワークの構成を調べて、必要なポートがすべて開放されているか確認してください。

詳しくは、以下のターミナルコマンドを使って、APNS デバッグログを有効にしてください。

sudo defaults write /Library/Preferences/com.apple.apsd APSWriteLogs -bool TRUE
sudo defaults write /Library/Preferences/com.apple.apsd APSLogLevel -int 7
sudo killall apsd

該当するログは、コンソール App で com.apple.apsd および com.apple.apspd サブシステムにフィルタを適用して表示できます。

APNS トランザクションがログに記録されたら、以下のターミナルコマンドを使って、デバッグログを無効にしてください。

sudo defaults write /Library/Preferences/com.apple.apsd APSWriteLogs -bool FALSE
sudo defaults delete /Library/Preferences/com.apple.apsd APSLogLevel
sudo killall apsd

プロファイルマネージャに関してほかの問題が起きている場合

プロファイルマネージャのログは、プロファイルマネージャに関する問題を解決する上で参考になります。「/var/log」に「devicemgr」という名前のシンボリックリンクがあります。このファイルは「/ライブラリ/Logs/ProfileManager」を参照していて、ここには以下のログが入っています。

AuditLogs
  • このディレクトリ内のファイルは、対応するサービスログからのリクエストとレスポンス (たとえば、デバイスに送信されたすべてのコマンドや、特定のユーザが開始したすべてのアクション) を CSV フォーマットで記録したものです。各ファイルには、各列に記録されているデータを説明するヘッダがあります。
devicemgrd.log
  • Open Directory および Active Directory のユーザとグループについて、クエリと同期の状況が記録されます。
  • devicemgrd で実行されたクエリが原因で起きたエラーを報告します。
  • プッシュ通知の送信に関するエントリが表示されます。
  • DEP および VPP トランザクションに関するエントリが表示されます。
dmAuthService.log
  • Web ベースのユーザ認証の試行状況を記録します。
dmDeviceService.log
  • プロファイルマネージャと、その管理対象となるデバイスとの対話を記録します。
dmhttpd.log
  • プロファイルマネージャサービスのリクエストとレスポンスの概要をまとめた HTTP データを記録します。
dmPortalService.log
  • /mydevices ユーザポータルからのリクエストとエラーを記録します。
dmSCEPService.log
  • SCEP サービス (デバイスの登録中に使われるサービス) のリクエストとエラーを記録します。
dmWebAdminService.log
  • /profilemanager Web 管理ページの使用中のリクエストとエラーを記録します。
dm_helper.log
  • macOS ネットワークユーザからの MDM 関連のユーザ認証についての情報が記録されます。
dmrunnerd.log
  • プロファイルマネージャの Web ページ (/profilemanager および /mydevices) をサポートする、管理対象の ruby プロセスの開始と停止の状況が表示されます。このログは、空の場合もあります。
migration_tool.log
  • 以前のバージョンの Server.app からの移行について、その状況と詳細情報が表示されます。 

php-fpm.log

  • 個々の php-fpm ヘルパープロセスの開始と停止の状況が表示されます。

php-fpm.devicemgr.log

  • PHP に関する問題は、このファイルに記録されます。
PostgreSQL-<yyyy-mm-dd>.log
  • プロファイルマネージャの PostgreSQL データベースとのクエリで、エラーになったものが記録されます。
  • データベーススキーマを変更するコマンドもこのファイルに記録されます。
servermgr_devicemgr.log
  • プロファイルマネージャサービスの開始と停止について記録されます。

以下のログには、Web サーバに関する有用な情報が記録されています。

  • /var/log/apache2/service_proxy_error.log

以下のターミナルコマンドは、補足情報を提示してくれます。

sudo log show --info --debug --predicate "(eventMessage contains[cd] 'devicemgr') or (category contains[cd] 'HTTPServer')"

トランザクションの「エラー」について

一部のログに、トランザクションの「failures (エラー)」または再試行について記録される場合があります。このようなエントリの大半は正常で、問題を示唆するものではありません。このように記録されているイベントは、基盤を支える PostgreSQL データベースの変更を同時に試行したことによる競合です。この類のエラーが起きた場合は、成功するまで再試行されます。

トランザクションの競合が起きている場合は、ログファイルに以下のような記載があるので、わかります。

  • Canceled on conflict out to pivot
  • could not serialize access due to concurrent update
  • @@@ Retry #X
  • @@@ Retry X

apspd CFPrefs ファイルを調べる

「/ライブラリ/Preferences/ApplePushServiceProvider」に移動し、「com.apple.apspd.plist」ファイルを選択して、「ファイル」>「情報を見る」の順に選択します。このファイルのサイズが 5 KB を上回っている場合は削除し、以下のターミナルコマンドを使って、apspd プロセスを再起動してください。

sudo killall apspd

verbose ログを使って詳細情報を入手する

ログのレベルを上げると、問題の解決方法について詳しい情報を入手できる場合があります。必要な情報を収集するには、ログのレベルを上げた後で問題を再現します。

終わったら、元のログレベルに戻してください。ログのレベルを高い設定のままにしておくと、起動ドライブの空き容量が減ってしまいます。

verbose のログ記録を有効にする

ログのレベルを上げるには、以下のターミナルコマンドを実行します。

sudo debugDeviceMgr 4

このコマンドを実行すると、プロファイルマネージャサービスが自動的に再起動します。

verbose のログ記録を無効にする

ログのレベルを元の設定に戻すには、以下のターミナルコマンドを実行します。

sudo debugDeviceMgr 1

このコマンドを実行すると、プロファイルマネージャサービスが自動的に再起動します。

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