MacBook Pro(14-inch, M5)バッテリー
始める前に
警告
始める前に「バッテリーの安全性」を読み、作業スペースとバッテリーの取り扱いに関するガイドラインに従ってください。
バッテリーは必ず、電子デバイスを修理するための知識と経験がある技術者が交換してください。不適切なバッテリー交換、部品の不適切な取り扱い、提供された指示に従わないことなどがあると、火災、ケガ、データ損失、またはデバイス、部品、その他の財産の損傷につながる可能性があります。
バッテリーにへこみ、膨張、穴、その他の物理的損傷が見られる場合は、修理を中止してください。このような場合は、バッテリーをデバイスから取り外さないようにしてください。バッテリー付き上部ケースとキーボードを交換します。
修理中は、コンピュータを外部電源に接続しないでください。
この手順を実行する前に、バッテリー放電ツールを使って、バッテリー残量が30%以下になるまでバッテリーを放電させる必要があります。「MacBook Pro(14-inch, M5)のバッテリー放電手順」を参照してください。
取り外したバッテリーや接触の悪いバッテリーを、再利用したり再度取り付けたりしないでください。必ず、新しいバッテリーに交換してください。
注意
バッテリーは、金属フレームによって連結された6つのバッテリーセルで構成されています。金属フレームを曲げたり、たわませたりしないでください。
バッテリー接着シートをはがす際、上部ケースの部品を押して力を加えないでください。どこかを押さえながら接着シートを引き出す必要がある場合は、アルミニウム筐体部分だけを押さえるようにしてください。
以下の部品を取り外してから作業を開始してください。
ツール
接着剤活性化ローラー
調整可能なトルクドライバー(10~34 Ncm)
バッテリーの位置合わせピン
バッテリープレスプレート
静電気放電防止ピンセット(先端が丸いもの)
エタノールワイプまたはイソプロピルアルコール(IPA)ワイプ
ナイロン製プローブ(ブラックスティック)
トルクスプラス5IP 50mmビット
すべての修理に必要なツールの一覧を参照してください。

注:交換用バッテリーにはバッテリー接着シートが同梱されています。バッテリー接着シートを別途注文することはできません。
取り外し
注:取り外しの手順がすでに完了している場合は、「取り付け」に進んでください。
重要
各バッテリーセルは、2枚のバッテリー接着シートで上部ケースに接着されています。手順を実施する際には、バッテリーセル1、2、3、4から接着シートを1枚ずつはがし、その後バッテリーセル5と6から接着シートをはがしてください。バッテリーの取り外し作業中は、この画像を参照してください。
警告
この手順の実行中にバッテリー接着シートのタブやシートが破れた場合は、「MacBook Pro(14-inch, M5)の破損したバッテリー接着シートを取り除く方法」の手順に従ってください。
バッテリーが手前に来るようにコンピュータを置きます。

調整可能なトルクドライバー(10~34 Ncm)と5IPビットを使って、バッテリーアセンブリから5IPネジ(923-13420)を取り外します。

バッテリーのバッテリーカバーを取り外します。バッテリーセル1と2、バッテリー接着シートのタブが手前に来るようにコンピュータを置きます。
静電気放電防止ピンセットを使って、バッテリーセル1の側面に接着されているバッテリー接着シートのタブの中央をつかみます。セル2に接着されている接着シートのタブはまだ引きはがさないでください。
警告:ピンセットでバッテリーセルの側面に触れないでください。

静電気放電防止ピンセットを使って、バッテリー接着シートのタブがバッテリーセルの側面からはがれるまで、バッテリー接着シートのタブをそっと引っ張ります。
重要:接着シートのタブの中央には接着剤が付いていません。タブの両端に接着剤が付いており、タブがバッテリーセルの側面に接着されています。

静電気放電防止ピンセットを使って、バッテリーセルの横の溝に差し込まれているバッテリー接着シートのタブ全体をつかみます。
注意:タブの一部だけを掴むと、タブが破ける可能性があります。
静電気放電防止ピンセットの先は、バッテリーセルの横にある溝に差し入れた状態を保つようにします。ピンセットの先端にバッテリー接着シートのタブを軽く巻き付け、白い接着シートが見えるまで巻き付けていきます。
注意
ピンセットを回して、ピンセットの先端部分をバッテリーに向かって回転させてください。

バッテリー接着シートを、バッテリーセルからコンピュータの側面に向かって斜めにゆっくりとはがします。接着シートは一度に5cmずつのペースで引きはがしてください。静電気放電防止ピンセットはコンピュータと平行になるように持ち、接着シートをピンセットの先の部分に巻き付けて、接着シートが平らになるようにします(画像を参照)。
注意
接着シートで上部ケースのフレームを擦らないでください。ピンセットがロジックボードに触れないようにしてください。バッテリーやその他の部品を押さないようにしてください。
バッテリーセル2と4の接着シートでスピーカーのフォームを擦らないでください。接着シートでフォームを損傷させてしまった場合は、両方のスピーカーを交換します。
重要:接着シートを引っ張る際は、アルミニウム筐体部分を押さえるようにしてください。

ピンセットに軽く巻き付けて引っ張る動作を繰り返して、バッテリー接着シートをバッテリーセルの下から完全に取り除きます。
警告:接着シートのタブやシートが破れた場合は、「MacBook Pro(14-inch, M5)の破損したバッテリー接着シートを取り除く方法」の手順に従ってください。
セル1の2つ目のバッテリータブについても手順4~9を繰り返します。手順11に進みます。
手順4~9を繰り返して、バッテリーセル2、3、4からバッテリー接着シートをはがします。手順12に進みます。
重要:バッテリーセル3と4から接着シートをはがす際は、バッテリーセル3と4が手前に来るようにコンピュータを回転させてください。

手順4~9を繰り返して、バッテリーセル5と6からバッテリー接着シートをはがします。手順13に進みます。
重要:バッテリーセル5と6から接着シートをはがす際は、ディスプレイヒンジが手前に来るようにコンピュータを回転させてください。

注意:静電気放電防止ピンセットを使用する際は、バッテリーセル5と6の下にあるトラックパッドのハードウェアに触れないようにしてください。

すべてのバッテリー接着シートをはがしたら、バッテリーアセンブリが手前に来るようにコンピュータを置きます。アセンブリの下に手が届くように、アセンブリの端を上に傾けます。アセンブリを金属製のバッテリー管理ユニット(BMU)タブの下からスライドさせ、上部ケースから取り外します。
注意
取り外す際は、フレームが曲がらないようにバッテリーアセンブリを支えてください。
バッテリーアセンブリが金属製のBMUタブ(1)に引っかからないように注意してください。バッテリーをスライドさせる際は、バッテリーを上部ケースに対して低い角度に保ちます。

エタノールワイプまたはIPAワイプを使用して、上部ケースに残ったバッテリー接着シートの跡をきれいに拭き取ります。
注意:エタノールワイプまたはIPAワイプで電子部品に触れないでください。

取り付け
トラックパッドフレックスケーブルが手前に来るようにコンピュータを置きます。バッテリーの位置合わせピンを上部ケースの前面の左右の角に取り付けます。位置合わせピンを手で締めます。

トラックパッドフレックスケーブルが邪魔にならないよう、ケーブルを移動させておきます。

交換用バッテリーの梱包箱を開け、ボール紙製の中箱を取り外します。プラスチック製の筐体を取り外します。ピンクとブルーの接着シートの剥離フィルムを上向きにし、バッテリーの位置合わせピンの穴がコンピュータに最も近くなるように裏返します。
筐体とバッテリーを、テーブル上のコンピュータの手前に置きます。

プラスチック製の筐体の上部を持ち上げます。
ブルーとピンクの接着シートの剥離フィルムをバッテリーからはがします。

画像のように、両側の透明のフィルムを持ち、プラスチック製の筐体からバッテリーを持ち上げます。フィルムを上にして、バッテリーの位置合わせピンの穴が手前に来るようにバッテリーを裏返します。
注意
バッテリーがたるんだり曲がったりするのを防ぎ、バッテリーセル間の接続部を保護し、バッテリー自体が損傷するのを防ぐため、バッテリーを持ち上げる際は、フィルムの両側を外側に軽く引っ張ってください。
バッテリーを取り付ける前に、バッテリー接着シートが静電気放電防止マット、コンピュータ部品、ツールに触れないようにしてください。

バッテリーの端を手前に傾け、BMUの金属製タブの下にスライドさせます。透明のフィルムの位置合わせ穴をコンピュータのバッテリー位置合わせピンに合わせます。透明のフィルムを位置合わせピンの上に下ろし、バッテリーを上部ケースに入れます。


各バッテリーセルの上にあるフォームを軽く押し下げて、バッテリー接着シートを上部ケースに貼り付けていきます。
バッテリーから透明なフィルムをはがす際は、フィルムの右端からゆっくりとはがします。
注意:ライナーをはがす際は、バッテリーを押さえる必要がある場合があります。
重要:ブルーのフィルムはバッテリーに付けたままにしてください。

画像のように、バッテリープレスプレートをバッテリー位置合わせピンに合わせます。プレスプレートをバッテリーの上に下ろします。

両手で接着剤活性化ローラーを持ち、バッテリーセル1の上に置きます。ローラーをセルの下端に合わせます。

画像のように、接着剤活性化ローラーピンのオレンジ色のストライプが白いバンドの中央に合うように、ローラーを押し下げます。
重要:接着剤活性化ローラーを使用する際は、オレンジ色のストライプが白いバンドの内側に合うようにしてください。

画像のように、接着剤活性化ローラーを、バッテリーセルの左端から右端まで転がします。ローラーをセルの左端まで戻します。これが1サイクルです。これを5サイクル、合計10回繰り返します。

バッテリーセル2、3、4についても手順12~14を繰り返します。手順16に進みます。
両手で接着剤活性化ローラーを持ち、バッテリーセル5の上に置きます。画像のように、ローラーをセル5の左端に合わせます。

画像のように、接着剤活性化ローラーピンのオレンジ色のストライプが白いバンドの中央に合うように、ローラーを押し下げます。
接着剤活性化ローラーを、バッテリーセルの左端から右端まで転がします。ローラーをセルの下端まで戻します。これが1サイクルです。これを5サイクル、合計10回繰り返します。

画像のように、接着剤活性化ローラーをバッテリーセル5の上のバッテリープレートの右側に合わせます。

接着剤活性化ローラーを押し下げ、オレンジ色の線が白いバンドの内側にある状態にして、ローラーをバッテリーセルの右側に10回動かします。

バッテリーセル6についても手順16~20を繰り返します。
バッテリープレスプレートをバッテリーから持ち上げて取り外し、脇に置きます。
バッテリーセルから6枚のブルーのフィルムをはがします。

バッテリーの位置合わせピンを回し、上部ケースから取り外します。位置合わせピンは再利用できます。
10~34 Ncmに調整可能なトルクドライバーのトルク値を20.5 Ncmに設定します。
調整可能なトルクドライバーと5IPビットを使って、5IPネジ(923-13420)をバッテリーアセンブリに取り付けます。


以下の部品を取り付けて組立てを完了します。
