iPad Proでリファレンスモードを使う

iPad ProのLiquid Retina XDRディスプレイやUltra Retina XDRディスプレイなら、一般的な色空間規格のリファレンスカラーも、SDRおよびHDRビデオフォーマットのリファレンスカラーも再現できます。

リファレンスモードとは?

リファレンスモードとは、プロフェッショナルなコンテンツ制作ワークフロー向けの表示モードです。たとえば、カラーグレーディング、編集、コンテンツレビューなど、正確な色再現と安定した画質が絶対条件となる現場が対象です。

リファレンスモードを使うには、以下のものが必要です。

リファレンスモードを有効にすると、iPad Proは、以下の一般的な色空間規格とビデオフォーマットのリファレンスカラーを再現し、HDRの場合は最大1,000ニトのピーク輝度、SDRの場合は最大100ニトのピーク輝度に対応します。

リファレンスモードを使って、ワークフローのカラー要件にiPad Proを適応させることができます。このモードでは、ホワイトポイントの目標をD65に定め、True Tone、明るさの自動調節、Night Shiftなど、周辺環境に合わせた動的なディスプレイ調整はすべて無効にします。ホワイトポイントと輝度を手動で調整することもできます。未対応のフォーマットの場合は、デフォルトの表示モードで表示したものとしてカラー管理が行われます。

また、SideCarでリファレンスモードを使って、iPadとMacで一貫したリファレンスワークフローを実現することもできます。

リファレンスモードにすると、バッテリーの駆動時間に影響する場合があります。

リファレンスモードのオン/オフを切り替える

  1. 設定アプリを開いて、「画面表示と明るさ」をタップします。

    iPadに「画面表示と明るさ」の設定が表示されているところ。
  2. 「詳細」をタップします。

  3. リファレンスモードのオン/オフを切り替える.

「補正を微調整」を使う

「補正を微調整」を使って、ホワイトポイントと輝度を調整し、ディスプレイのリファレンスカラーを正確に維持することができます。測定器で測定した値とテストパターンを入力すると、ホワイトポイントと輝度の目標値に合わせて、iPadOSがディスプレイを自動調整してくれます。

  1. 設定アプリを開いて、「画面表示と明るさ」をタップします。「詳細」をタップして、「リファレンスモード」がオンになっていることを確かめます。

    iPadに「画面表示と明るさ」の「詳細」設定が表示されているところ。「リファレンスモード」がオンになっています。
  2. 測定器を使ってテストパターンを測定し、測定値をメモしておきます。

  3. 設定アプリに戻って、「画面表示と明るさ」をタップします。「詳細」をタップして、「補正を微調整」をタップします。

    ホワイトポイントと輝度の測定値と目標値を調整できる「補正を微調整」の設定を表示しているiPad。
  4. 各設定の横にあるスペースをタップし、値を入力します。測定した値を「測定値」フィールドに入力し、ホワイトポイントと輝度の目標値を「目標値」フィールドに入力します。

  5. 終わったら「完了」をタップします。ホワイトポイントと輝度の目標値に合わせて、iPad Proのディスプレイが自動的に調整されます。

以下の説明を参考に、「測定値」と「目標値」のフィールドに値を入力してください。

「補正を微調整」で以前適用されていた値を削除するには、「デフォルトに戻す」をタップします。

テストパターンをダウンロードする

Appleが提供しているQuickTimeムービーのテストパターン一式を使って、iPad Proのキャリブレーションを評価できます。これらは適切にカラータグが付けられたリファレンスで、所属組織内の測定器を使って、ディスプレイのホワイトポイントと輝度の補正を微調整することができます。

  1. Apple DeveloperのAVFoundationのページにアクセスします。

  2. 「Related Resources」(関連リソース)セクションで、「Color Test Patterns」(カラーテストパターン)をクリックしてテストファイルをダウンロードします。

  3. ファイルアプリで、「QuickTime-Test-Pattern.zip」アーカイブの圧縮を解除します。テストパターンの各セットに含まれている「Reference Values.txt」ファイルには、それぞれのテストパターンの色度と輝度の期待値が一覧表示されています。

iPad Proには、以下のQuickTimeテストパターンのみを使用することを推奨します。

設定と環境を調べる

テストパターンを測定してディスプレイを微調整する際は、以下の点に注意してください。

「補正を微調整」の値の範囲

希望の目標値が表示されている範囲を超えている場合

以下の原因が考えられます。

Sidecarでリファレンスモードを使う

Appleシリコン搭載のMacが必要です。

Sidecarを使ってMacのデスクトップをiPad Proに拡張またはミラーリングしている場合は、リファレンスモードをオンにして、iPad Proを2台目のリファレンスモニタとして使えます。

  1. iPadで、「リファレンスモード」をオンにします。

  2. Macで、リファレンスプリセットを選択します。以下のいずれかのプリセットを使えます(リファレンスモードが対応している色空間規格やビデオフォーマットが括弧内に記載されています)。

    • HDTV Video (BT.709)

    • NTSC Video (BT.601 SMPTE-C)

    • PAL & SECAM Video (BT.601 EBU)

    • Internet & Web (sRGB)

    • HDR Video (HDR10 BT.2100 PQ、BT.2100 HLG Dolby Vision Profile 8.4、Dolby Vision Profile 5)

  3. MacのウインドウをiPadに移動します。

問題がある場合

何が起きているのか詳しく教えてください。次にできることを提案します。

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