AppleのCertificate Transparencyログプログラム

AppleのCertificate Transparencyログプログラムのポリシーと、登録申請の方法についてご案内します。

AppleのCertificate Transparencyログプログラムの目標は、Appleのプラットフォームで信頼されているCertificate Transparency(CT)ログ(ログサーバ)一式を確立し、公的に信頼されているTLSサーバ認証証明書にSCT(Signed Certificate Timestamps:署名済み証明書タイムスタンプ)を付与することです。

プログラムのポリシーと条件

RFC 6962

AppleのCertificate TransparencyログプログラムにRFC 6962準拠のログ(ログサーバ)を登録申請するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • RFC 6962に規定されている通りにCTを実装していること。

  • 提示する複数のマークルツリー表示が、異なる時刻や異なる関係者に対して競合していないこと。

  • Appleが定める稼働時間の要件(99%)を満たしていること(Apple独自の計測に従う)。

  • 最大MMD(Maximum Merge Delay:最大マージ遅延)が24時間を超えて設定されていないこと。

  • SCTを作成した証明書をMMDの時間内に登録すること。

  • Appleのトラストストアに登録されているルートCA証明書をすべて信頼すること。

    • Appleのトラストストアに登録されていないその他のルートを信頼することもできます。

RFC 6962準拠のログ(ログサーバ)の条件として、以下が許容されています。

  • 有効期限が終了している証明書を拒否すること。

  • 失効した証明書を拒否すること。

  • id-kp-serverAuth EKU(Extended Key Usage:拡張キー使用法)が含まれていないリーフ証明書を拒否すること。

    • ログ運営者は、運営するログが受け入れるリーフ証明書の種類を変更するような場合は、少なくとも45日前までに書面にてcertificate-transparency-program@group.apple.comに通知する必要があります。

STATIC-CT-API

AppleのCertificate Transparencyログプログラムにstatic-ct-api C2SP仕様に準拠したログ(ログサーバ)を登録申請するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • Static Certificate Transparency API, v1.0.0に規定されている通りにCTを実装していること。

  • 提示する複数のマークルツリー表示が、異なる時刻や異なる関係者に対して競合していないこと。

  • Appleが定める稼働時間の要件(99%)を満たしていること(Apple独自の計測に従う)。

  • 最大MMD(Maximum Merge Delay:最大マージ遅延)が1分を超えて設定されていないこと。

  • SCTを作成した証明書をMMDの時間内に登録すること。

  • Appleのトラストストアに登録されているルートCA証明書をすべて信頼すること。

    • Appleのトラストストアに登録されていないその他のルートを信頼することもできます。

static-ct-api C2SP仕様に準拠したログ(ログサーバ)の条件として、以下が許容されています。

  • 有効期限が終了している証明書を拒否すること。

  • 失効した証明書を拒否すること。

  • id-kp-serverAuth EKU(Extended Key Usage:拡張キー使用法)が含まれていないリーフ証明書を拒否すること。

    • ログ運営者は、運営するログが受け入れるリーフ証明書の種類を変更するような場合は、少なくとも45日前までに書面にてcertificate-transparency-program@group.apple.comに通知する必要があります。

Appleのプラットフォームにおけるログの状態

Appleのプラットフォームに組み込まれたログは、以下のいずれかの状態になります。

Pending(保留中)

ログがAppleの信頼済みのログリストへの登録を申請済みで、まだ承認されていない状態です。保留中のログは、「currently qualified」(現在認定済み)または「once qualified」(過去に認定済み)とは見なされません。

Qualified(認定済み)

ログがAppleのプログラムで承認され、Appleのプラットフォームへの配備を予定されています。認定済みのログは、「現在認定済み」と見なされます。

Usable(利用可能)

このログが付与するSCTは、AppleのクライアントCTポリシーに準拠しており信頼できます。利用可能なログは、「現在認定済み」と見なされます。ログは、認定済みの状態が74日以上続くと、「qualified」(認定済み)から「usable」(利用可能)になります。

Readonly(読み取り専用)

ログはAppleのプラットフォームで信頼されていますが、読み取り専用です(例:ログが証明書申請の受け入れをやめた)。読み取り専用のログは、「現在認定済み」と見なされます。

Retired(引退)

ログは、特定の引退時のタイムスタンプまで、Appleのプラットフォームで信頼されていました。引退したログは、SCTが引退時のタイムスタンプの前に発行されたものである場合、「過去に認定済み」と見なされます。引退したログは、「現在認定済み」とは見なされません。

Rejected(拒否)

ログはAppleのプラットフォームで信頼されておらず、その予定もありません。拒否されたログは、「現在認定済み」または「過去に認定済み」のどちらにもなりません。

登録プロセス

ログがAppleのCertificate Transparencyログプログラムで承認された後、監視期間中に、そのログがAppleのポリシーに準拠しているかどうかが審査されます。この期間中、ログの状態は「pending」(保留中)になります。

Appleは、独自の裁量でログを拒否できます。その場合、そのログの状態は「rejected」(拒否)になります。この監視期間中に問題が見つからなかった場合、ログは承認され、この時点からその状態は「qualified」(認定済み)になります。

Appleは継続的にログを監視し、ログプログラムのポリシーに準拠しているかどうかを調べます。この間、ログの状態は「qualified」(認定済み)、「usable」(利用可能)、「readonly」(読み取り専用)、「retired」(引退)のいずれかになります。

ログはいつでもAppleの裁量で、またはログプログラムのポリシーから逸脱した結果、引退する可能性があります。その場合、ログの状態は「retired」になります。

登録申請

AppleのCTログプログラムへの登録申請は、以下の情報を添えて、certificate-transparency-program@group.apple.com宛にメールでお送りください。

  • ログの説明(以下の情報を記載してください)

    • 証明書の受け入れに関するポリシー(ある場合)

    • 証明書の登録拒否に関するポリシー(ある場合)

    • サブジェクトDNとSHA256指紋ごとの受け入れ済みルート証明書のリスト

    • ログが準拠している仕様(RFC 6962またはstatic-ct-api)

  • 公にアクセス可能なCTログサーバのURL(HTTP)

  • ログの公開鍵(SubjectPublicKeyInfo ASN.1構造体のDERエンコーディング形式)

  • ログのMMD.

  • ログが受け入れる、時間で分割された証明書の有効期限の範囲

    • end_exclusive の値:ISO 8601規格に基づいたUTC形式の日時

    • start_inclusive の値:ISO 8601規格に基づいたUTC形式の日時

  • 連絡先情報(運営者の事業窓口2つと代表連絡先2つのメールアドレスと電話番号を含む)

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