iCloudメールのpostmaster情報
iCloudメールにメールを配信するメールサーバを管理するシステム管理者を対象に、メールの一括配信、メール認証、配信に関する問題などについてご説明します。
メールを一括配信するための要件
以下は、iCloudメールを使っているお客様宛にメールを一括配信するための要件です。
メールを一括配信するには、すべての要件を満たす必要があります。そうでない場合、メールは拒否されます。
メール配信に明確に同意している登録者にだけ配信する(購入したリスト、レンタルリスト、またはemail appendingで入手したアドレスは使わない)。
配信停止用のリンクを記載し、受信者がただちに登録を解除できるようにしておく。
転送メールにはARCヘッダを追加する。
IPアドレスを識別できるよう、ドメインで逆引きDNSを公開する。
メールを一括配信する際は一貫した送信元IPアドレスとドメインを使う。ただし、マーケティングメールとトランザクションメールの送信チャンネルは必ず分ける。
自社名やブランドを明確に識別できるよう、一貫した差出人名とアドレスを使用する。
SPF(Sender Policy Framework)およびDKIM(DomainKeys Identified Mail)を活用して、メールを認証する。
送信元のドメインでDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)ポリシーを公開する。
Appleのメールサーバからの一時的および恒久的なSMTPエラーを追跡し、適宜対応する。
配信不能なアドレスの処理に関する標準ポリシーを設ける。
利用実績のない登録者は定期的にリストから削除する。
登録解除や配信停止のリストに載っているメールアドレスの再登録はしない。
M3AAWG(Messaging, Malware and Mobile Anti-Abuse Working Group)のWebサイトで、同グループが提唱するコミュニケーションのベストプラクティスをご確認いただけます。
iCloudメールでは、一括配信者の許可リスト登録はできますか?
許可リストはありません。Appleでは、IPアドレスやドメインの評価、コンテンツチェック、ユーザフィードバックなど、さまざまな手段を通じて、送信者の評価を追跡した上で、フィルタリングの決定を行っています。
iCloudメールにはフィードバックループサービスがありますか?
FBL(フィードバックループ)はありません。メールを一括配信する方には、参加意欲の認められる登録者にのみメールが届くように、登録者のリストを各自管理することを推奨しています。登録者のリストの管理方法をいくつか紹介します。
利用実績や参加意欲の認められない登録者は、定期的にメーリングリストから削除する。
一貫してエラーメッセージが返ってくるアドレスを削除する。
配信停止のリクエストがあった場合はできる限り早く対応する。
メール認証
iCloudメールのメール認証について説明します。
iCloudメールの送信元のIPアドレスは何ですか?
iCloudメールのすべてのドメイン(mac.com、me.com、icloud.com)では、SPFレコードが公開されています。送信メールに使用されている最新のIP範囲については、SPFレコードをご確認ください。
iCloudメールではメール認証が行われますか?
iCloudメールのすべての受信メールは、SPFおよびDKIMを使って認証されます。また、ドメインのSPFレコードも公開し、発信メールはすべてDKIMで署名しています。
iCloudメールはDMARCに対応していますか?
送信側のドメインがDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)ポリシーを発行している場合、iCloudメールでもそのドメインのポリシーが適用されます。iCloudメールのドメインもすべてDMARC("p=quarantine")ポリシーを発行しています。これは、iCloudのメールアドレスから送られ、SPFおよびDKIMメール認証に失敗したメールは、受信者の迷惑メールフォルダに割り振るようにとメールプロバイダに指示するポリシーです。
* このポリシーは、2018年7月2日から有効です。
配信に関する問題
相手先にメールが確実に届くよう、以下の推奨事項を参照してください。
なぜ相手先の受信ボックスにメッセージが届かないのですか?
送信したメールが迷惑メールとみなされないよう、メールの一括配信に関するベストプラクティスを実践してください。iCloudメールでは、迷惑メールは、受信ボックスに届く前に自動的に検出されブロックされます。Appleでは、正当で必要とされているすべてのメールがユーザに届くよう最善を尽くしていますが、時折、このようなメールが迷惑メールとしてフィルタリングされてしまうことがあります。
iCloudメールへの配信に問題がある場合は、どうすれば解決できますか?
AppleのメールサーバでSMTPトランザクションが拒否されると、SMTPエラーになり、接続やメールが拒否された理由が情報として提供されます。エラーメッセージを見つけるには、メールのログを確認してください。ほとんどのエラーメッセージには、URLが記載されており、より詳しい情報を得ることができます。
問題が解決しない場合
ベストプラクティスを実践し、メールのログで詳細を確認した上でも、配信時の問題を診断および対処できない場合は、postmasterチームにメール(icloudadmin@apple.com)でお問い合わせください。メールには、以下の情報を書き添えてください。
会社名
メールドメイン
問題が起きているメールサーバのIPアドレス
iCloudメールサーバから受け取ったSMTPエラー
問題に関する詳しい説明(いつから始まったかなど)
システム管理者以外の方がiCloudメールのサポートをご希望の場合は、メールではなくこちらからAppleサポートにお問い合わせください。