iCloudメールのpostmaster情報

iCloudメールにメールを配信するメールサーバを管理するシステム管理者を対象に、メールの一括配信、メール認証、配信に関する問題などについてご説明します。

メールを一括配信するための要件

以下は、iCloudメールを使っているお客様宛にメールを一括配信するための要件です。

メールを一括配信するには、すべての要件を満たす必要があります。そうでない場合、メールは拒否されます。

  • メール配信に明確に同意している登録者にだけ配信する(購入したリスト、レンタルリスト、またはemail appendingで入手したアドレスは使わない)。

  • 配信停止用のリンクを記載し、受信者がただちに登録を解除できるようにしておく。

  • 転送メールにはARCヘッダを追加する。

  • RFC 5321およびRFC 5322への準拠を徹底する。

  • IPアドレスを識別できるよう、ドメインで逆引きDNSを公開する。

  • メールを一括配信する際は一貫した送信元IPアドレスとドメインを使う。ただし、マーケティングメールとトランザクションメールの送信チャンネルは必ず分ける。

  • 自社名やブランドを明確に識別できるよう、一貫した差出人名とアドレスを使用する。

  • SPF(Sender Policy Framework)およびDKIM(DomainKeys Identified Mail)を活用して、メールを認証する。

  • 送信元のドメインでDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting, and Conformance)ポリシーを公開する。

  • Appleのメールサーバからの一時的および恒久的なSMTPエラーを追跡し、適宜対応する。

  • 配信不能なアドレスの処理に関する標準ポリシーを設ける。

  • 利用実績のない登録者は定期的にリストから削除する。

  • 登録解除や配信停止のリストに載っているメールアドレスの再登録はしない。

M3AAWG(Messaging, Malware and Mobile Anti-Abuse Working Group)のWebサイトで、同グループが提唱するコミュニケーションのベストプラクティスをご確認いただけます。

iCloudメールでは、一括配信者の許可リスト登録はできますか?

許可リストはありません。Appleでは、IPアドレスやドメインの評価、コンテンツチェック、ユーザフィードバックなど、さまざまな手段を通じて、送信者の評価を追跡した上で、フィルタリングの決定を行っています。

iCloudメールにはフィードバックループサービスがありますか?

FBL(フィードバックループ)はありません。メールを一括配信する方には、参加意欲の認められる登録者にのみメールが届くように、登録者のリストを各自管理することを推奨しています。登録者のリストの管理方法をいくつか紹介します。

  • 利用実績や参加意欲の認められない登録者は、定期的にメーリングリストから削除する。

  • 一貫してエラーメッセージが返ってくるアドレスを削除する。

  • 配信停止のリクエストがあった場合はできる限り早く対応する。

メール認証

iCloudメールのメール認証について説明します。

iCloudメールの送信元のIPアドレスは何ですか?

iCloudメールのすべてのドメイン(mac.com、me.com、icloud.com)では、SPFレコードが公開されています。送信メールに使用されている最新のIP範囲については、SPFレコードをご確認ください。

iCloudメールではメール認証が行われますか?

iCloudメールのすべての受信メールは、SPFおよびDKIMを使って認証されます。また、ドメインのSPFレコードも公開し、発信メールはすべてDKIMで署名しています。

iCloudメールはDMARCに対応していますか?

送信側のドメインがDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)ポリシーを発行している場合、iCloudメールでもそのドメインのポリシーが適用されます。iCloudメールのドメインもすべてDMARC("p=quarantine")ポリシーを発行しています。これは、iCloudのメールアドレスから送られ、SPFおよびDKIMメール認証に失敗したメールは、受信者の迷惑メールフォルダに割り振るようにとメールプロバイダに指示するポリシーです。

* このポリシーは、2018年7月2日から有効です。

配信に関する問題

相手先にメールが確実に届くよう、以下の推奨事項を参照してください。

なぜ相手先の受信ボックスにメッセージが届かないのですか?

送信したメールが迷惑メールとみなされないよう、メールの一括配信に関するベストプラクティスを実践してください。iCloudメールでは、迷惑メールは、受信ボックスに届く前に自動的に検出されブロックされます。Appleでは、正当で必要とされているすべてのメールがユーザに届くよう最善を尽くしていますが、時折、このようなメールが迷惑メールとしてフィルタリングされてしまうことがあります。

iCloudメールへの配信に問題がある場合は、どうすれば解決できますか?

AppleのメールサーバでSMTPトランザクションが拒否されると、SMTPエラーになり、接続やメールが拒否された理由が情報として提供されます。エラーメッセージを見つけるには、メールのログを確認してください。ほとんどのエラーメッセージには、URLが記載されており、より詳しい情報を得ることができます。

問題が解決しない場合

ベストプラクティスを実践し、メールのログで詳細を確認した上でも、配信時の問題を診断および対処できない場合は、postmasterチームにメール(icloudadmin@apple.com)でお問い合わせください。メールには、以下の情報を書き添えてください。

  • 会社名

  • メールドメイン

  • 問題が起きているメールサーバのIPアドレス

  • iCloudメールサーバから受け取ったSMTPエラー

  • 問題に関する詳しい説明(いつから始まったかなど)

システム管理者以外の方がiCloudメールのサポートをご希望の場合は、メールではなくこちらからAppleサポートにお問い合わせください。

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